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Posted by 株式会社 群馬webコミュニケーション at

2010年01月03日

変わり行くであろう、八ッ場の保存食

 本ブログの立ち上がりの頃にも記したが、昔は店もなく雪に閉ざされた、八ッ場の女性たちは保存食づくりにことの外、たけている。納屋の一角には、使い込まれた漬物樽がズラリ。
 春先の山菜類、夏に取れ過ぎてもてあますキュウリやナスなどはもちろん、その家独自のご自慢の希少品がある。
 その豊かさがその家の豊かさであり、主婦の力量のみせどころである。
 女にとって、食料貯蔵庫歩もち、そこに食べ物をどっさり保存して、「さて、どれを使おうか」としばしの段どりに時と頭を使うのは喜びの至福の一時なのである。
 女性が役割分担として、家事を担うのは制度ではなく慣習ではあるが、誰しも、買い置きの束をうれえつつ、でも何となく安心感があるのは、家事を担う者なら、共通の灌漑であろう。 しかも、元材料のほとんどは、自分で近隣の野山に分け入り、またわが家の畑で採れたものゆえ、愛着もある。
 思うに、山里の漬物の旨さは、その家の主の思い入れが、愛情が多分に作用して、旨みをかもしだすように思えてならない。

 それらは、主婦業には縁のないこの私でも、少なからず味わう感慨である。
 そして、本日、貯蔵庫とまでは行かないが実家の大型冷蔵庫の一隅に、勝手においてある、私の即席保管庫の整理に行った。 
 すると、始めて、真竹の塩漬けに成功していた。ゆでた時の感触のまま腐らずにあったのだ。 ああ、暮れのうちに気がつけば正月に使ったのに。
 これまでは八ッ場でもらってきた長くて輝く肌あいの見事なキュウリを近隣におすそわけするのにも、郡部のわが家周辺では、どこの家でももて余すのがこの時期の通例で、「やだぁ、うちでも貰ってもらいたいくらいだよ」と言われるのがオチ。町場の知人宅まで持って良くの時間もないし、遠くの親せきに宅急便で送る程のものでもない。
 そこで、何年か前には試みたことがある。
 期限切れの販売不可の醤油が一杯あったから、まずこれに漬けてみた。残暑の暑さに耐えられず、とろけてしまって見事に失敗。塩漬けしたのも然り。懲りずに何度かやってみた。いずれも不可。主婦業同士のつながりもないから、ノウハウを聴く機会もない。それに今や、女性たちも勤めているし、安価にスーパーで賄える。そんな保存食づくりに精は出さない。いつか、伝統食を造る材料を持って行ったら、私よりも年上の方に「いいよ、スーパーで買えばすむんだから」と断られてガックリ。
 確かに、子供の頃から漬物や保存食を旨いと思ったことはない。大樽に祖母が作った味噌はカビ臭かったし、タクアンや白菜漬けは古くなると水出しして油でいためたのを食べさせられたものだ。
 結局、忙しい時間をやりくりしての手間暇がムダ。最近は止めた。
 
 ちなみに私はものが捨てられない性分である。
 幸い、キュウリを大量にくれた方も年々、歳を取られて自家用だけになってらしく戴けなくなった。が、わが家のチビた真竹は悩みの種。
 大した竹藪でも広さでもないのだが、四月末~六月末まで、孟宗竹から始まり、黒竹、そして真竹には特に悩まされ続けてきた。この細い真竹が問題。太いならともかく、他人様にあげるのには気がひける代物。それでも、人さまの戸口におそるおそる立つ。「食べて貰えるかねぇ」と。わが家にはまだ極細のが残っている。夜、これを湯で、前の晩のを向いて調理。味をつけて冷凍保存にしてきた数年間がある。
 汗みどろになって体力を消耗しての二時間近くの格闘。その後の配布先処分の手間。毎年バカにならない。
 そして、ついに昨年は実家の大型冷凍庫が壊れ、小さめのに切り替えられ、「余分なものは入れるな」と宣告された。
 もの置きに眠っている旧式のアイスクリーム用冷凍庫を稼働すると、電気代がバカにならず、もったいない。かくして、味付冷凍保存は利かなくなった。 (それでもここ数年はある方法を考え出したが、長くなるので割愛)。
 
 竹の切り口に塩を詰めると、いつしか全滅するとのことだが、そんなムゴいことは出来かねてきた。
 しかし、昨夏はボランティアでの休耕地の草むしりと相まって、五キロも激減。限度と考え、「もうできないよ」と弱音を吐き、初めて弟に伐採を命じた。クルミを拾いに行った秋口、いつの間にか切り払われていた桑の木の大木などを見て、ワァッとおもったが懸命にこらえた。いつもなら、「なぜ、切ったのか」とここで姉弟げんかがはじまるのだが……。
 
 そして一昨年の夏というか秋口、八ッ場でお茶受けに頂いたキュウリと生姜の千切りの甘酢漬けの旨さをほめちぎりながら、この家の奥さんに保存方法を聞いた。気候が極端に異なるが、何しろ塩をたくさん使うこととのこと。それに尽きる由。
 で昨春は、ダメだろうとは思いつつも実験的少量を、失敗作の倍の塩づけをしてみた次第。その試作品が色ツヤ失わず、冷蔵庫のなかで持ちこたえてくれていて感動もの。
 為に、しょっぱいのなんの。そうそうと思い出したのが「水出し三日」の言葉。水道の蛇口で勢いよく洗い出し、アッと思った、この塩は「高いんだよな」と。塩はとっておいて青菜をゆでる時に、使っても良かったんだと、ケチ精神の本領を発揮。
 現在、水につけてある。 保存食は、ケチには出来ない。
 
 ところで、八ッ場周辺にも大型スーパーが続出。
 「漬物なんか買った方が安くて世話がない」という若い女性たちや、 私と同じく漬物下手な女性たちの時代となった。

 ※三ケ日のゆったり気分で、またも私ごとを備忘録的に長々と記してしまいました。お許しを。  
   


Posted by やんばちゃん at 23:37Comments(0)八ッ場だより