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Posted by 株式会社 群馬webコミュニケーション at

2011年05月18日

浜岡原発中止に迫った一つの道

 次の静岡県知事への要請書は、東日本大震災直後、直ちに提出されたものです。
 浜岡原発中止への道筋に、地元民のお立場から大いに貢献なされているものと思われるとともに、私たちの今後の取り組みの指針として、許可を得て転載させて戴きます。
 
 「表記の手紙を県知事宛に送る予定です。プレート地震の連動の可能性を 考えるとあまり時間がないかもしれません」の3/14に届いた、ご文面に添付で送られてきた下記の要望書を拝読。
 その迅速さに敬意を表するとともに、文中の「今問わているのは戦後の日本が築き上げたと自負していた文化と文明体系が正しかったか否かであると考えます」という記述にひき付けられました。
  「深い」と感じました。
 「文化」という面からは当時、幾つかの文化団体などからもありましたが、岡本さんのは実体験の運動に基づいたものだけに説得力がありました。で、デスクトップにはり付けさせて戴きました。
 転載させて戴きたいなと考えて、一応のお断りをしなければと思っていながら、12日の交通難民の報告を記した後、必然的に原発問題にのめりこみ、錯綜とするままに日数を経てしまっておりました。
 去る14日思い切って、依頼メールをさしあげました処、直ちにご快諾下されて、その日のうちに返信をくださいました。
  ですが、今度も当方が21日のイベントの立ち上げに追われており、そちらを先にアップしてしまいましたので、さらに遅ればせになってしまった次第です。

 太田さんは、静岡の「太田川ダム」問題の代表の方で、理学博士です。
 日ごろの長年の運動の蓄積があるので、このように素早く本質的な働きかけがお出来になられたものと、僭越ながら感じさせて戴きました。
 太田川ダムにはダム堤にヒビが生じているそうで、数々のご指摘をご専門のお立場から、私たちにご教示くだされていられるご先輩です。
 ダムと地震との関係では、3年前の栗駒山の北東域が震源だった岩手・宮城内陸地震の時に、当方が「荒砥沢ダムと今回の地震ってなにか関係があるみたいですが?」との質問メールを入れた際には、いち早くご懇切にお応えくださった方です。

 浜岡原発停止は二年間などといわず永遠に。
 そして、全部の原発施設を撤去するまで、この先も果敢なくがんばって戴きたいものと願います。


 
....................................

 静岡県知事 川勝平太様
                      2011年 3月13日
                      森町円田 森・植物生理研究所
                                岡本 尚
 ご無沙汰しています。森町に来て頂いたおりに申し上げたような激甚災害の懸念が半年も経たないうちに東北—関東の大震災として現実になってしまいました。残念なかぎりです。
 静岡県民がこの震災から何も学ばなければ、後世の歴史家は何と評価するでしょうか? 人間の浅知恵が生み出した技術は想定外の自然現象(M9.0)に打ち勝てるだけの力がなかったことが如実に示されています。「原子炉設計の破綻」と、格納容器の建造に参与したことのある東芝技術者は今夜の記者会見で率直に認めました。
 福島第1,第2原発で起きている大災厄は世界の注目を引いています。今問われているのは戦後の日本が築き上げたと自負していた文化と文明体系が正しかったか否かであると考えます。古人は安政の大地震による大津波のあと、到達地点を碑に刻んで残しました。現代ではより完全なハザードマップが役所に備わっています。しかし横行する経済の論理はその活用を「地価が下落する」の一言で封殺してしまいました。
心ある地震学者が声を枯らして忠告したにもかかわらず、世界有数の地震発生地帯の大地震・大津波の襲う沿岸に54基もの原発を建設すると言う愚を冒しました。
結果として何も知らされずに建て、拡大して行った庶民の町は無数の人命とともに大津波で跡形も無く消えてしまいました。炉心溶融にともなう住民の避難は8万名に達しています。人口密度のより高い静岡ではとてもこの規模では済まないでしょう。こういう事を「必要悪」の名のもとにいつまでも繰り返して良いものでしょうか。
 県防災・原子力学術会議の多くの委員方は、原子力発電は「国策」であるから推進すべきというご意見のようですが、わたしども戦中派は間違った国策によって国が崩壊するのを目の前でみてきました。今は原子力という国策を見なおす時だと考えます。
 日本初の原発震災が静岡県ではなく東北の地であったことは只偶然のことであり、県民を東海地震による大災害から、我が国を放射能の雲による首都圏の壊滅から守る最後のチャンスを恐るべき人命の犠牲の上に与えてくれました。海際に立つ浜岡原発は少なくとも東海地震の発生まで停止させておくべきと考えます。それは唯一と言っても良い現実的、理性的な路線と言えます。経済統計によれば、原発の推進のために操業率を故意に7割以下に押さえられている火力を活用すれば原発は不要です。知事が最大限の良識の力を発揮され、経済至上主義者の圧力に屈せず、大英断を発揮して県民の命と安全を守られることを切望します。
 註記
 この文章は畏友田澤仁さんが少し手を入れて下さり、それを参考に一部改訂したが、「文化」という言葉は敢えて残した。価値観や死生観は「文明」という範疇にははいらず、質の高低は別として文化の一部をなすと考えたからである。(日本人の価値観については明治の初期に来日した探検家、イザベラ バード女史の観察と批評が思いおこされる)。
なお昨年夏の終りに森町に来られた知事は、 原発は新幹線等と同じく、「必要悪」の一つと発言しておられた。その後筆者は手紙を送り、浜岡問題は経済政策の問題ではなく、差し迫った危機監理の問題であること、「世界中どこでもやっていること」ではなく、例えば米国では大多数の原発が東部に建設され、環太平洋地震帯の通る西部にはごく僅かしか立地していない事を指摘した。その後知事は大分勉強されたようであり、今回の管首相の決断を歴史に残る「英断」と評価しておられる。
  


Posted by やんばちゃん at 22:26Comments(1)原発関連