2011年01月27日

20日はえびす・大黒様の1年のスタート日でした。

 湯かけまつりの朝、あるお宅の玄関の戸をあけて入ったら出くわした、小正月の飾り付け。これはどんど焼きの飾り付けでしょうね。写真手前の見事な飾りバナといわしとスルメとまゆ玉との配置が絶妙で、この家主の美的感覚の冴えをしのばせてくれます。
 声をかけても、どなたもいなかったのでしたが、おもわずパチリ。まだ、お断りしていませんけれど、お許しを。
 20日はえびす・大黒様の1年のスタート日でした。

 そして、次のお宅に伺ったら、ケンチン汁の良い匂いがいっぱい…… 
 そうなのです。湯かけまつりの1月20日は、えびす・大黒様に働きに出かけてもらう日なのです。そして、12月15日にお迎えして1年の労をねぎらうのです。どちらにもケンチン汁とお頭つきはつきもののようで、お迎えする日は奮発して大きな鯛を求められるのが、このお宅の風習なのだと、通い始めた頃に聴いてました。
 何度か飾り付けをしたのを撮らせてもらっていましたが、ビデオは今年が初めてなのです。

 で、過日、「20日の日は例年通り、なさいますよね」と問うと、「そんなことはしねぇよ。何だったけな」とおっしゃったのです。「だって、えびす・大黒様がが働きに出る日だっていってたじゃないですか」と言うと、忘れていられたのか、黙っていられました。「あぁ、お年をとられてしまったな」と一瞬、寂しく思ったものでした。でも、それ以上は負担になるからこの朝も、お邪魔するとは伝えてなかったのでした。
 車を止めて歩き出すとと、玄関から出てこられて、せわしげに納屋のなかに。手に大きなおおきな沢あん漬けをかえて出てこられました。ここのお宅の沢あん漬けの直径は大きいのです。
 急ぎ足で戻るLさんの後について玄関口にちかづくと、あったかな匂いが全体に。やっぱりやっていられるなと思ってほっと。あまり、口を聴いたり動くと怒鳴られるから、こういう時は静かにしています。ともかく、「写真に撮られるのは大嫌い」とおっしゃるのが口癖だから、神経使うのです。何回か大きい声で怒鳴れもしましたが、ここは大事な記録係に徹していますので気にしないことにしています
 ようやくほどなく、お盆にご飯とケンチン汁をなみなみとよそって、イワシ、香のもの。それにこのお宅のメインの農産物であるリンゴ。さらにミカンも添えて、まず大ブリのえびす・大黒様に備えられてました(この場面はビデオにはおさめたのだけれど、カメラに撮るのは間に合わず。)。
 実はこの大黒様達の前に、御仏壇にも朝げを。
 その際、「オゥ、おはよう」との声かけ。亡くなられた奥さんへの挨拶なのでしょう。それにしても、ユニークですよね。仏様に「オゥ、おはよう」もないじゃないですか。おもわず、吹きだしてしまいましたけれど。
 それから、また台所に入られて、なにやら一式をお盆にいれています。表にでたとおもったら軽トラに積まれる。
 で、とっさに閃いた、たぶんあの木立の中の大黒様にも、供えるのだと。
 門口にでると、いつの間にか電気工事が始まるらしく交通止め。8時数分過ぎだから仕事開始なのらしい。でも、よりによってここでとモタモタしていると、状況判断したらしく主のLさんはさっそうと反対側を廻って走っているではありませんか。ここのお宅では広い道にでるのに、水田をはさんで円状になっているのです。つまり、右折がダメなら左折すればよいのですけれど、私はバックででてしまっ手きがつかなかったのでした。こういう時は、並みのお年寄りとは思えない機転の良さ。しかたなく道路の脇に「すぐにすみますから」と断って、車を置いて走る。でも、まにあった。
20日はえびす・大黒様の1年のスタート日でした。

20日はえびす・大黒様の1年のスタート日でした。お分かりになりますか? 写真の木立ちの中央トップのあたりのちょっぴり黒くみえる所に、下の写真の大黒様が鎮座しているのです。
 ここへ行くのは難儀なのです。道からの高さ約6メートルはあります。上り口の道幅はわずか30㌢ほどの落ち葉の細道で、下は絶壁。しかも、最近は崩れ防止の金網が敷かれていて、滑るのでとっても危険なんです。私だって毎回、ひやひやもので登るのです。で、80歳すぎのLさんはここ数年は、道下でこのようにお膳をおいて祈りをささげるようです。
 以前はもう一体、左右にあったはずとか。年号はなんと、確か寛政年間。……でも、本当かしらと毎回思うのです。年号の彫りは素人目にも機械掘りに感じてしまうのです。全体の彫りも新しいですよね。
 ところで、この景観も時間の問題となりました。
 すぐ近くまで、道路各幅が始まっており、たぶん、このお大黒様も少し離れた墓地も道路に面するようになるのではないでしょうか。上方には王城どうろが開通予定です。
 
20日はえびす・大黒様の1年のスタート日でした。

 そして、自宅にもどって、やや遅めの朝食。沢あんと白菜の盛り付けが不均衡なのは、お供え物の残りだからです。
 ちゃんと、写真の私のための朝食をよそってくれながらも、「朝はんはくってきたって、アンタも食うんだんべや」と問われる。「ハイ」と喜び勇んで頂戴。朝、出がけ前の4時40分には食べたので、お腹は空腹とはいかないまでも、まだ入ります。
 それにこのお宅のケンチンは美味しいのです。もちろん、ご飯はとっておきのやんば米。沢あんも白菜も旨さのきわめつけ。
 最初にLさん宅にお邪魔した時にお茶受けに頂いた沢あんの大きさと白菜の見事さに魅了されてしまって、それもあっての八ッ場通いの始まりの誰かさんなのです。でも、お歳をとられるにつれ、何でも一番が好きで、まだ珍しかったズッキーニーなどの品目も減り、ご自慢の野菜類もだんだん小ぶりになっていくのが、ことのほか寂しいです。
 「おいしい、おいしい」を連発すると、「アンタね。俺ん家のもので、まずいものはないんだからね」とすかさず、Lさんの声がとぶ。「まだいっぺえあるから、ケンチン好きなだけよそいない」と、お優しい言葉がけあり。で、ご飯は少しおかわりしたけれど、この大きな器にびっちりとつまった実だくさんのケンチンのおかわりは慎みました。
 
 朝食後直ちに、このLさん、神さま達だけ、働きに出して人間も働かなきゃと思われるのか、リンゴ園の働きはじめと称して、早速、今年初めての(リンゴの剪定の身支度を。この日は私は初めて見る新兵器を使用。なんと、電動のこぎりならぬ電動ハサミで剪定なのです。スパスパっと軽快に難なく枝打ちをこなしていかれてました。
20日はえびす・大黒様の1年のスタート日でした。
 さぁ、なにはともあれ、2011年の縁起神さまとご一緒に、1年の仕事のスタートです。


同じカテゴリー(八ッ場だより)の記事画像
ブログ再開させて戴きます、よろしく
新緑の現地見学会、本日です
片側通行止めをせずに済んだ真相
日本工営報告書、レクチャーにて少~し理解
県と国、半分づつの負担。でも、血税投入には変わりなし
負の遺産に1億6千250万円投入。県は今回の工事は県の全額負担と答弁したけれど……
同じカテゴリー(八ッ場だより)の記事
 ブログ再開させて戴きます、よろしく (2019-03-22 19:35)
 新緑の現地見学会、本日です (2017-05-06 08:18)
 片側通行止めをせずに済んだ真相 (2017-04-28 05:55)
 日本工営報告書、レクチャーにて少~し理解 (2017-04-17 22:21)
 県と国、半分づつの負担。でも、血税投入には変わりなし (2017-04-15 08:28)
 負の遺産に1億6千250万円投入。県は今回の工事は県の全額負担と答弁したけれど…… (2017-04-03 11:01)

Posted by やんばちゃん at 21:33│Comments(0)八ッ場だより
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
20日はえびす・大黒様の1年のスタート日でした。
    コメント(0)