2010年11月22日

22日の② 雨宮メール 転載

 続いて、より多くの方に現在進行形の八ッ場の状況を知って戴きたいので、大変長いものですが、前橋市の雨宮隆児さんのメール投稿文をご本人の許可を得て転載します。
 いつも、精力的な調査、ご苦労さまです。

【2010年11月19日 雨宮メール】
///////////////////////
一週間前になりますが、11月12日(金)、第5回の衆議院国土交通委員会が開かれました。
その中で4名の委員が八ッ場ダムについての馬淵大臣の見解を質しています。
この中で、穀田議員(共産党)から前回に引き継ぐ形で「基本高水の見直し」について質問され、馬淵大臣は

「副大臣の時から基本高水の件を問題視しており、有識者会議の枠組みを利用しながら何らかの糸口で見直すことができないかと調査していたこと」
「二万二千トンに対して、平成十七年度に策定した検討報告書の中で検討した経緯すら見当たらないということ、まさに二万二千トンありき、杜撰だったとしか言いようがない」

--と明言しました。
その上で、検討の場での再検証と基本高水の見直しを独立併行して進めていくと述べました。
二つに分ける理由としては、検討の場での再検証は「公共事業の再評価実施要領細目」で定めたことであり、基本高水はここには含まれない・・ということに依るようです。
穀田議員は「河川整備基本方針の見直しを位置づけて再検証すべき」と迫りますが、それに対して馬淵大臣は「(基本方針の再策定は)大変な時間がかかる」とし、まずは利根川水系の基本高水、併行して全国のダムの再検証、そののちに利根川水系と同じような瑕疵が認められればそちらも見直す構想を持っていると表明しました。

以下大変長くなりますが、この日の委員会議事録の中から当該部分を抜粋して動画URLと共にご紹介します。
【委員会ニュース(11/12)から】
(質疑者及び主な質疑内容)
△佐田玄一郎君(自民)
△竹内 譲 君(公明)
  ・八ッ場ダム建設事業に関して、「『中止の方向性』については言及しない」と馬淵大臣は発言したが、
   前原前大臣の発言と言い回しを変えた理由は何か。
△穀田恵二君(共産)
  ・八ッ場ダム建設事業に関して、「『中止の方向性』については言及しない」と馬淵大臣は発言したが、
   これは、八ッ場ダム建設事業は中止しないという意味か、発言の真意を知りたい。
  ・利根川の基本高水を、改めて検証する理由は何か。
   また、検証対象とされているすべてのダムの再検証に当たって、
   基本高水が決定されている河川整備基本方針の見直しを含めた再検証をするべきではないか。
△中島隆利君(社民)
  ・八ッ場ダム建設事業に関して、「『中止の方向性』については言及しない」と馬淵大臣は発言したが、
   民主党のマニフェストからの後退ともとられかねない発言の趣旨は何か。

【会議録】
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm
  ↓
第176回国会において設置されている委員会等
  ↓
国土交通委員会
  ↓
平成22年11月12日 第5号

○佐田委員 
 もう時間が一分か二分しかありませんけれども、八ツ場についてちょっと。
 この間、大臣には来ていただきましたけれども、八ツ場に来たときは、前は、前原さんは、中止の前提で予断なく検証を進めると言っていた。こんなむちゃくちゃな話はないんです。中止というふうな予断がある。その日本語を、大臣が、中止というものを入れないで客観的に検証すると言われた。そして、秋までに結論を出すというふうに言われたと聞いています。
 しかしながら、私は、もう今、地域の方々、東吾妻そして長野原の人たちは、一日も待てないような状況なんですよ。
そしてまた、なおかつ、民主党の幹事長の方は、住民と話すための下地をつくっただけであって方針は変わっていないと、全く水をかけるようなことを言っておるわけであります。まさに翻弄し続けられておる。
 私は、一日でも早く結論を出してもらって、そしてこれを再開して、中止撤回をしていただきたい、こう思っていますけれども、大臣、どうですか。
○馬淵国務大臣
 正確を期したいと思いますので。前原大臣は、中止の前提でなく、中止の方向性とおっしゃっておられました。
 その上で、予断なく再検証をということでありましたが、私自身は、改めて予断を持たずに再検証するというステージに入ったわけでありますから、このことをしっかりとお示しする姿勢として申し上げたわけであります。
そして、今後も一刻も早くこの結論を得たいというふうに思っております。
遅くとも平成二十四年度予算編成の要求までにということでございますので、秋ということで申し上げました。
 もっと早くできないかという声もよく存じ上げております。
そのことも踏まえながら迅速に取り組みたいと思っておりますし、また、地元の住民の方々には、お許しをいただければ、私も一刻も早くお会いをし、お話を伺いたいと思っております。
 すべてこうした形で一つの解決の方向に向かい、そして、住民の皆様方の御労苦に、あるいは関係者の方々の御理解をいただきながら前に進めてまいりたい、このように思っております。

◇衆議院TVより該当部分動画(開始より48分頃~)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/wmpdyna.asx?deli_id=40670&media_type=wb&lang=j&spkid=19611&time=00:27:53.2
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○竹内委員
 それで、八ツ場ダムにつきましても一つだけお聞きしておきたいと思うんです。
 当委員会でもさんざん白熱した議論をやりました。
前原前大臣は、中止の方向性を堅持するだったんですね。それを、今回言い回しを変えられました。
大臣としては、一切、中止の方向性という言葉には言及しないと。
前の前原大臣は、マニフェストに書いてあるから中止する、こういうふうに最初から決めておられたんですね。
それを、今回そういう言い回しを変えられて、予断なく検証するというふうに変えられた理由をもう一度お尋ねしておきたいと思います。
○馬淵国務大臣
 昨年の政権交代でまさに政策転換が図られたのだと私は思っております。
 前原大臣が、こうしたできるだけダムに頼らない治水あるいは利水というもののあり方に対して、有識者の皆さん方に御参加いただいての御議論、そして最終的にはダムの再検証という中間取りまとめを行っていただき、国土交通省が持ついわゆる公共事業の再評価、これは事業評価法の仕組みの中に定められたものでありますが、この再評価の細目を変更して実施をするということで政策転換が図られた。
 その段階になっていよいよ予断を持たずの再検証が始まるということであれば、私は、そこに予断を持たないということをより改めて認識していただくためにも、今般、長野原、八ツ場ダムに参りまして、地域の方々あるいは知事を初めとする関係者の皆様方に、一切の予断を持たずの再検証を行いということで、中止の方向性というものについては言及しない、それはむしろ予断を与えるものになりかねないんだということで申し上げた次第です。
すなわち、昨年の政権交代時、政策転換を図り、より具体の検証の作業に入ったということで、ステージが変わった、私はそう思っております。
 今後は、これを来年の秋までに検証を進めるとしておりますが、できるだけ早くという御要望もいただいておりますので、迅速にそれを進め、さらには、ダムの再検証のみならず、利根川水系においては過大となっていた基本高水の見直しも改めて河川局に指示をし、これも客観性、透明性、公開性を高めて、多くの方々の御議論をいただいて最終的に結論を見出す、こうした仕組みを御提示したところであります。
 今後も、私どもとしては、地域の方々の御理解をいただきながら、わかりやすい検証というものを進めてまいりたいと思っておりますし、引き続き、御負担をいただいてまいりました一都五県の皆様方にもしっかりと調整を行いつつ、生活再建支援事業も進め、再検証を行うということで御議論、御理解をいただきたいというふうに考えております。
○竹内委員
 これについては、私は一言も二言も言っておきたいんですが、結局、予断なく検証すると言いながら、前の大臣は八ツ場ダムは例外だったんですよ、マニフェストに書いてあるからやめると。
そういう意味では矛盾していたんですよね。
それを整合性をとろうという気持ちはわかるけれども、しかしながら、予断なく検証した結果、再開する、つまり事業を始める可能性があるわけですね、はっきり言うと。
ということは、これは完全なマニフェストの変更でありますから、ほぼ二年ですか、かけて、住民を含めて国民に大変な混乱をもたらした、ここは謝罪をしなければいけないことになる。
大変な責任が生じると思いますね。
仮にもし予断なく検証してやはり中止だということになったら、これもまた住民に対して物すごい裏切り行為になりますよ。大変なことだと思うんですね。
 八ツ場ダムというのは民主党のシンボルだったと思うんですよ、マニフェストの。
それを最初から中止すると書いて、しかも前原前大臣も中止するということを変えなかったんですから、これはよほど予断なく検証されておられたんだと我々は思っていたんですよ。
しかし、今回いろいろ経緯を明らかにすると、この基本高水の問題や個別のダムの検証もそんなにされてはいなかった、こういうことが明らかになったわけでありまして、そういう意味で、今回、馬淵大臣の方針転換は、実は大変な問題をはらんでいるということを指摘しておきたいと思うんです。
私は、少なくともこの時点でも国民に対して謝罪すべきであるというふうに思っております。
この点は指摘するにとどめておきたいと思います。

◇衆議院TVより該当部分動画(開始より23分頃~)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/wmpdyna.asx?deli_id=40670&media_type=wb&lang=j&spkid=19560&time=02:27:32.3
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○穀田委員
 馬淵国交大臣に、きょうはまず八ツ場の問題についてお聞きします。
 大臣は、六日、八ツ場ダム建設について、中止の方向性という言葉に言及しないと表明されました。この発言の真意を尋ねたいと思います。
この発言は、中止しない、つまりは八ツ場ダムの建設を進めるという意味に解釈される方もいますが、そういうことですか。
○馬淵国務大臣
 前原前大臣が、まさに政策転換を図るということで、一年弱でありましたが、予断を持たずに再検証という枠組みを決めていく、できるだけダムに頼らない有識者の会議というものを設けて議論を重ねてまいりました。
 そして、いよいよ実施の段階に移ったんですね。改めてここで予断を持たずに再検証するということで、これは関係者のみならず、かかわる、もちろん反対される方も賛成する方も含めて、さらには学識者という方々、主体は地整局であり、あるいは自治体であったりするわけですけれども、こういった場で幅広く議論をするわけでありますから、一切の予断を持っていただかないようにしていくためには、私は、今後この中止の方向性という言葉は言及しないんだということをはっきりと申し上げなければ、それこそ、この検証そのものが何らかの恣意的な方向に向いてしまいはしないかということを考え、こう申し上げたわけであります。
 したがいまして、現時点においても、私には一切の余談もなく、しっかりと再検証を行ってもらいたい、こういう思いでおります。
○穀田委員
 私どもは、この八ツ場ダムについて、利水面でも治水面でも不要なダムであり、無駄で環境破壊につながるダムであるという立場に立って中止を求めてまいりました。
 この国土交通委員会でも、また各委員会などにおいても、例えば塩川鉄也議員も報告していますが、何度も現地に足を運び、長野原の町長さんや町議会議員の方々と率直な意見交換を行ってまいりました。
その際にも、私どもは、自分たちの中止という立場について表明した上でお話もさせていただいたところであります。
 したがって、私どもは、住民の不安や要望に謙虚に耳を傾けて、ダム中止の理由を丁寧に説明するべきだと指摘もしてまいりました。
そして、何度も、生活再建、地域振興策を住民とともにつくり上げることなども提案してまいりました。
今大臣も発言ありましたが、建設ありきでも中止ありきでもない、予断を持たずにということで検証する、そのとおりの言葉を言っているというふうに受けとめたいと思います。
 その意味では、やはり改めて再検証することが重要だし、その検証が、だれもが納得いく形でしっかりやる必要があるという結論ではお互いに一致できると思うんです。
 そこで、予断を持たずに再検証する上で、洪水時に流れる最大流量、いわゆる基本高水の見直しが必要です。
利根川の基本高水、利根川の治水基準点である八斗島では毎秒二万二千立方メートルとされているが、これを算出するもとデータの一つ、飽和雨量、これは森林などの保水力を示す係数ですが、これを小さく設定されていたことが明らかになっています。
大臣も、この利根川の基本高水がどうやって算出されたのかを調査したが資料が見つからなかったという報告をされています。
十分な検証が行われず、大変ずさんだったと陳謝しています。
その上で、利根川の基本高水について見直す、改めて検証すると述べておられます。
 利根川の基本高水を改めて検証する理由について、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○馬淵国務大臣
 一年間、ダムに頼らない治水のあり方ということを議論いただく中で、私の中にもずっとひっかかっていたのはこの基本高水の問題でした。
 河川整備計画を見直すということであり、河川整備の基本方針は見直さないということであれば、そもそもその前提となる基本高水の議論がなされない、これでいいのかという思いもございましたが、私自身、その中で有識者の方々がつくっていただいた検証の枠組み、これも利用しながら、何らかの糸口で見直すことができないかということで調べておりました。
 そうしたところ、御指摘のこの二万二千トンに対して、平成十七年度に策定した検討報告書の中で、その具体的な計算過程というものが明らかにならなかった。
私はその資料を捜すように指示をいたしましたが、資料がないことが問題ではありません、検討した経緯すら見当たらないということ、まさに二万二千トンありき、ずさんだったとしか言いようがないんですね。
私は、だから河川局にも、もうやり直そう、見直そう、このように言ったわけです。
 建設を要望される方もいらっしゃいます。
反対される方もいらっしゃいます。
これを私は、押しなべて皆さん方に納得できる形で検証を進めるべきだと思っておりますので、その意味で、基本高水の見直しというものは極めて重要だと思っております。
 今回は、この再検証と、さらにはこの基本高水の検証ということをあわせて皆さん方に開示をしながら、納得いくプロセスで進めてまいりたい、こう思っております。
○穀田委員
 今お話ありましたが、私どももこの高水の問題について一貫して指摘してまいりまして、やはり建設先にありきということが実はこの高水の計算をずさんにしたんじゃないかという見解を私どもは持っています。
 予断を持たずに再検証するという中にこの基本高水の検証は含まれているのか。
有識者会議の中間取りまとめに基づいて検証がやられていますが、この中には基本高水の検証は含まれていません。
予断なく再検証するからには、当然この基本高水の検証も含むべきだと思いますが、結論だけでいいですから。
○馬淵国務大臣
 公共事業の再評価実施要領細目に定めたということでありますので、この基本高水の再検証という部分には含まれません。
しかし、これは並行して行いたいというふうに考えております。
 ただ、穀田委員が先ほど御指摘のように、いや、この二万二千トンありき、建設ありきじゃないかと言われますと、それはまさに予断になりますので、私自身は持たずでと思っております。
○穀田委員
 いや、それは、従来のやり方の際にそういうことが言われてきたことを私どもは考えて指摘しているということで、今大臣がどう思っているかなんという話をしているんじゃないんです。
それは言っておきたいと思います。
 中間取りまとめが出された後で基本高水の根拠の不透明さが明確に出てきたわけであります。
もともと、基本高水というのは過大じゃないかという指摘は、運動団体初め、私どももしてまいりました。
また、民主党も言っておられたし、前原大臣も野党の時代は指摘してまいりました。
その意味では、大臣の発言によれば、八ツ場ダムが第一歩、また、並行してやるということも言っておられるわけですが、それでとどまるべきじゃないと私は思っているんです。
対象となっているダムの再検証について、この基本高水の見直し、つまり河川整備基本方針の見直しを位置づけて再検証すべきではないかと考えますが、いかがですか。
○馬淵国務大臣
 河川整備基本方針を策定するとなると大変な時間がかかるということも、先輩方からお聞きしております。
 私は、まず、これほどまでに社会的な注目の的となった八ツ場ダム、とりわけ、明らかに二万二千トンありきということで、この十七年度の報告書がずさんだったということが明確になったわけですから、これについての見直しを指示いたしましたが、その他の水系については、今現時点でそれをすべて広げていくとなると、私は、せっかくの再検証自体も大きく滞ってしまいかねないと思っております。
現時点においては、他の水系というものについては、まずは再検証を進めていただく。
 もちろん、この八ツ場ダムにかかわる利根川水系の基本高水の再検証も時間をかけずにしっかりとやっていただかないかぬですが、こうした、具体の検討の結果がないといったような、明らかな瑕疵なりが認められるものについては、これは行うべきだと思います。
ただ、現時点において、私ども、そこまですべて行うということには考えは至っておりません。
まず再検証、枠組みを進めていただきたい、こういうふうに思っております。
○穀田委員
 なぜ私こういうことを言っているかといいますと、つい先日も新聞に出ているんですけれども、想定流量は河川法が制定された一九六四年当時から四十年間で約一・五倍になっている、それは全国の百九の一級河川のうち八十水系を分析した結果であるということで報じられていることもあります。
 私は、先ほど大臣がおっしゃった、この二万二千トンだけではなくて、全国でそういった形でいつの間にか基本高水自身が上がっていったという事態がある、だからこそ、単に、この問題で高水がいつの間にか上げられた、本当かというだけじゃなくて、では、ほかも本当かということが問われているということを申し上げたいわけですよね。
 だから、滞ってしまいかねないというよりは、このことが今、国民のそういう流域水系における安全とのかかわりで、正確なものを出して、どうしたら本当に治水ができるかという基本的な根拠となるそういうものを確かめることが、もちろん何も利根川水系を後にしてなんて言っているんじゃないですよ、それはそれでやりながらほかだってできるんだから、それはお互いにきちんとやろうじゃないかということを言っているわけであります。
 その点、いかがですか。そんなに長くなくていいです。
○馬淵国務大臣
 今御指摘のような形で、全水系までも実はそういった見直しが必要じゃないかという御指摘は、十分傾聴させていただくに値すると思っております。
 ただ、先ほど来申し上げているように、まずは利根川水系、具体的な瑕疵が明らかになったということでありますから、私はそこをしっかりと検討させることを優先したいというふうに思っております。
○穀田委員
 私も繰り返しになりますが、優先することについてとやかく言っているんじゃないんです。
ただ、わざわざ陳謝したことは、こういうずさんなやり方が国民の生命と財産にかかわる問題だからでしょう。
そうすると、ほかだって、そういうことがもしあったら、それをやらなくちゃならぬということを提起しているわけです。
それは御理解いただけると思います。

◇衆議院TVより該当部分動画(冒頭から)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/wmpdyna.asx?deli_id=40670&media_type=wb&lang=j&spkid=19700&time=03:07:59.7
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○中島(隆)委員
 それでは次に、ダム問題の質問をさせていただきます。
 これも前段質問がありましたが、八ツ場ダムの問題であります。
これは、先ほど説明がありました、中止に言及しないと。
これは、予断を持たないことだからという括弧つきがあるんですが、中止に言及しないということを改めて言われたということは、それでは建設をするのかというふうにとられるわけでありまして、ダムによらない治水を進める前原大臣あるいは民主党のマニフェストからしますと、一歩後退かなととれるわけであります。
 私は、中止の明言や、あるいはつくるということを含めて、これは中止の方向だけを言われることではなくて、こういう表現をされたことについてもう一度その趣旨をお尋ねしたいと思います。
○馬淵国務大臣
 中止の方向性、そしてもう一つ、予断を持たずに再検証、これについては、当委員会でも、御議論として、意見として、矛盾に満ちてはいないかといった御提言や、あるいはどちらなのかといった質問等、再三にわたり前大臣にもされていたかというふうに思います。
 その中で、私どもとしては政策転換を図ってきたのだ、そして、具体的なプロセスとして、有識者による、できるだけダムによらない治水、これは利水も含めますが、その検証の枠組みをつくり、改めてそのステージに上がったということでありますから、私は、一切の予断を持たずに再検証という、本来皆様方からの御議論にあった、私はそのステージに上がったというふうに思っております。
 今後は基本高水の見直しも行うわけでありますから、八ツ場に関しましては、建設推進派の方々あるいは反対派の方々も含めて幅広く意見を出していただき、また、検証の過程も透明性を持ってプロセスを提示してまいりますので、十分な御議論の上での結論が得られるというふうに思っております。
 繰り返しになりますが、今この時点で中止の方向性ということを私自身がもう言及しないと言うことによって、より一層予断を持たずということが改めて示される、このように考えております。
○中島(隆)委員
 時間も来ておりますので八ツ場ダムの問題については終わりますが、これについて、先ほど穀田議員からもございました。
八ツ場ダムについての最大流量の観測の資料が確認されないとか、あるいは流域分割図、流出モデル図が公開できない、こういうことが表明されていますが、今申されましたように、やはり検証の段階で、ダム賛成、反対、やはり両派、あるいは学識者も入れて、本当に納得のいく検証をぜひしていただきたいというのを要望しておきます。
 最後に、川辺川ダムの検討の問題であります。
 これも再三質問させていただいていますが、全国のモデルとして、熊本県知事も、あるいは流域五木村も、この生活再建を具体的に進めていただくという方向で、ダム中止の、納得する方向で今見直し、検討がされています。
国、県、流域市町村で今検討されているわけです。現場、地元の皆さん方の意向は、国の方の対応はスピード感を上げてやってほしい、全国のモデルとしてダムによらない治水の検討を早く進めてほしい、こういう要望があるわけですが、これについての現状と今後の取り組みについて、大臣の決意をお願いいたします。
○馬淵国務大臣
 川辺川ダムにつきましては、昨年一月に県と共同で設置した、ダムによらない治水を検討する場、これを八回開催いたしました。
こうして議論を重ねてまいっております。さらに、本年七月に、県と五木村で、五木村の今後の生活再建を協議する場、これについても三回開催しております。
今後も引き続きこうした協議を真摯に進めてまいりたいと思っております。
さらには、スピードアップも当然ながら図ってまいりたいというふうに考えております。
○中島(隆)委員
 時間が参りましたのでこれで終わりますが、今後の他のダムの検証にも大きな影響を与える課題でありますので、ぜひ全国のモデルとして推進していただきますよう心からお願い申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
◇衆議院TVより該当部分動画(開始より22分頃~)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/wmpdyna.asx?deli_id=40670&media_type=wb&lang=j&spkid=19692&time=03:41:50.0
<<投稿者:雨宮隆児


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Posted by やんばちゃん at 12:15│Comments(0)紹介
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