2010年11月18日

ダム損失補償とやらは? “奢る平家は久しからず”

 ある時のある日の話です。
 清くつましく、家事ひとつにしても工夫に工夫を重ねて生きてきた、ある主婦グループの面々が、ひょんなご縁で八ッ場へ行きました。
 ひょんな縁がかさなって、水没関係者にもご縁ができたようです。
 そして、みんなでお訪ねすることに、ワキアイアイたのしく過ごしたそうです。
 帰途の車のなかで、一人のメンバーが、たまたまどういうわけか、主から聞いたとのかどっかの筋から聞き出せたのか不明なのだが、「あのお宅にも、10億円以上も入るんですってよ」と口にしたから、さぁ、大変。
 「1000000000って丸がいくつだっけ」と不断は考えたこともない数字が俄然、真実味をもって迫ってきたようです。
 どう考えたったって、あの辺の土地なら桁が二つくらい多いよ」というのが、世事に強い面々のみんなの一致した意見。
 
 そして程なく、彼女たち、一斉に気がついて、「それって、私たちの税金だよね」と誰ともなしに口にして、一様に無口に。

 そのお一人、玄関の戸あけるや否や、資金繰りに万年悩み続けてきた夫にむかって、「ねぇ、もしも、家の周りにもダムがてきますってなったら、それで〇億円、入るって言われたら、この家、迷わずに売っちゃうよね」と。
 しばし、億万長者の感慨にひたったそうな。


 それがダム建設の「損失補償」なる仕組みです。
 そうやって莫大な金銭で人心を弄び、土地を愛し守ろうとしている土に生きてきた人々から、土地を無理やり買い上げ、サラ地にしたあと、無用なダムを造るのです。
 大義名分の治水も利水も言葉だけ。真夏の渇水騒ぎは、作られたキャンペーンでしかなかったことが暴かれて、久しくなりました。
 こんな不思議な法外なことができるのです。
 どうしても,ダムを造りたい人々が、国をうごかしているのですから、全ての道がダム建設につながっていけるのです。いわゆる“黒いパイプ”です。
 ここに、利権が働き、群がる人間もいるのです。
 ダム建設は見えない金ヅルなのです。
 大物政治家の集票というのは、大抵、そんなもののようです。これで、政治がよまなるはずがありません。
  
 決して、水没なされる方たちの非ではありません。
 まさに、インチキ国家政策に翻弄され続けた、犠牲者たちです。
 八ッ場で,、“政治力”を働かさせて、うまみを吸ったのは、結託して、こ器用に動いた一部の大物たちだけです。
 
 でも、あるじゃありませんか。昔の格言。“悪銭、身につかず”。
 民話の世界で良く出てくる、長者屋敷の没落などに見られる勧善懲悪的ストーリーは、たぶん、今も昔も変わらぬ庶民の魂の発露かもしれませんね。
 まさしく「今に見てらっしゃい」の心境です。
 現実に、お名前も知らない長野原町の住民の方でしたが、補償太りの上にさらに今もなお欲の塊のあるお宅の前を通る際に、「今に、ロクなことはねぇさ」と腹立たしげに言い放ってましたから。
 そうですね! 本当に、八ッ場の神サマの存在を信じたい思いです。
 
 が、個人の地権者の皆さんを攻めてはいけません。
 現在、残っている方たちは千載一隅のチャンスに乗り遅れた、さらなる犠牲者の皆さんです。従って、「取り逃がした魚は大きい」の執念による怒りは、すさまじいものがあるらしいけれど……
 テキは本能寺にあり。
 打つべきテキは、政治家ならびに前政権の中枢を担った者たち。彼らに呼応した地元幹部。
 加えて、実務面をになって、ダム建設を確立させた国交省河川局を始めとした、上から下までのお役人の面々です。
 幹部をあおり、まるで不動産屋的手口で活躍し、成立させるやいなや、お役目すんで今はどっかに立ち去った国交省職員たちがいました。いかに公務員だから仕方ないとしてもです。その罪は消えません。新政権で、表向きの態度はかなり、違ってきましたけれど…… もしかしたら、これとて、平安の昔からの受領制度の名残りのお役人根性のポーカーフェイスやらかもしれませんけれどネ。
 
 アァ、いつの世も、憂き世を嘆く、下々の嘆きはとめどなく深し。
 最後は、平家物語の無常感流に、「仏も仏性具せる身を、隔てるものこそ哀しけれ」なる故事を自戒して、国民同士の連帯を図るしかありません。 
 ソウソウ、でも、もっと端的なのがありました。ーー「奢る平家は久しからず」ーー


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Posted by やんばちゃん at 23:07│Comments(0)八ッ場だより
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