2010年10月20日

雨宮隆児さんのご意見の転載

 以下は、雨宮隆児さんのメール投稿文を、ご本人の許可を得て、転載させて戴く次第です。
 雨宮さんはいち早く政府筋の情報を重層的にキャッチ。しかも、鋭い分析に基づく視点の独自コメントを寄せていられますので、ご参考までに転載させて戴く次第です。 ※印は当方が付記

一、2010年10月19日 19時09分 投稿 
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◇馬淵大臣会見要旨 2010年10月15日(金)8:36~8:55  
http://www.mlit.go.jp/report/interview/daijin101015.html
 ※<雨宮さんの考察>
 この会見内容を引き継いで、昨日の参議院決算委員会でのやりとりになるわけですが、皆さんに注目していただきたいのは「計算モデルや係数党の妥当性の検討=基本高水の見直し」ではない・・という部分です。
 参院答弁でも「結果的には繋がることも充分にあり得ると、可能性を排除しない」という認識を示しているものの、基本高水の見直しは「予断を与えるもの」であるから「すべきでない」とはっきり言っています。
 馬淵大臣に代わってからの情報公開は評価するものの、実は危ういレトリックが隠されているのではないかと懸念されます。
皆さん是非気をつけて、この先の経緯を観察してください。
 
 飽和雨量については、今年1月の東京新聞の報道から始まり有識者会議第4回(2月8日)での鈴木雅一教授の発表に繋がっている部分ですが、一貫して「一次流出量0.5」「飽和水量48mm」であることそのものが不合理であり、この前提が否定され新たなデータが公表されたこと自体は至極当然のことです。
(その数値をガードしてきた国交省の姿勢が正に官僚的なのですが)
 
 不思議なのは、昭和33年と34年の二つの数値で、1年の間に倍以上変わるのか?という疑問です。
 関良基さんもその点について考察していますが、http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/ac5b909691531589c4a5a95f2913d1a3
 モデル化する際のパラメータ設定と環境設定によって(例えば時間雨量は同じでも降雨の状態に強弱がある場合等)は、導かれる数値はバラツキがあり、災害への安全度という閾(しきい)値で設定すると、期待値(より効果的な数値)よりも不安値(あまり効果を望めない数値)を選択する方が行政手法としては正しいと感じます。
 ひとつ勘案すべき事は、鈴木教授も有識者会議で指摘しているように、山林が「少子高齢化」しており、人為の放置から森林そのものの荒廃が今世紀に入って著しく進んでいるという事実から来る影響です。
 平成10年9月洪水の飽和水量は125mmと報告されましたが、それから10年以上経った現在、同様の涵養力が今の吾妻川上流の山林地域にあるかという部分は調査と検証が必要です。
 
 今後、ある程度の流域保留量を維持する為には森林を健全に整備する必要があり、いわゆる「緑のダム」に帰結しますが、そういった保全も社会資本の一環と考えて下流域からの財政措置の根拠にすべきだろうと考えます。
 情緒的な部分ですが、この数日各地で熊が人里に下りてきていることがニュースになっていますが、これは森林環境の生態系の悲鳴であり、その延長線上にあるのは治水の危機に至る胎動ではないかという印象を持っています。


二、2010年10月20日 11時40分 投稿
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◆6都県知事、25日現地視(2010年10月20日読売新聞ぐんま版)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20101019-OYT8T01254.htm
 八ッ場ダム 国交相と対話は実現困難か


三、2010年10月20日 14時10分 投稿  
   ※19日に都内で開催の『八ッ場ダ等生活再建を考える議連』
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最後に紹介する記事では「衆参両院の14人の民主党国会議員が参加」となっています。
議連のメンバーは、以下の13名が発起人(今後参加を増やす)ということで、あとお一人はどなたでしょう?
会長 :川内博史衆議(前衆院国交委員長・鹿児島1区選出)
     http://www2c.biglobe.ne.jp/~kawauchi/
会長代行:松野信夫参議(熊本)
     http://www.matsuno-nobuo.jp/
副会長:中川治衆議(大阪18区)      
     http://www.osamu-net.jp/
     http://hello.ap.teacup.com/nakagawaosamu/
 同 :石関貴史衆議(群馬2区)
     http://www.ishizeki.jp/
 同 :柿沼正明衆議(群馬3区)
     http://www.kakinuma.org/
 同 :桑原功衆議(比例北関東)
     http://www.dpj.or.jp/member/?detail_4050=1
 同 :中島政希衆議(比例北関東)
     http://www.nakajima-masaki.com/index.html
 同 :三宅雪子衆議(比例北関東)
     http://www.miyake-yukiko.com/index.html
     http://yukiko-miyake.cocolog-nifty.com/blog/
 同 :京野公子衆議(秋田3区)
     http://www.ham-chan.jp/
 同 :道休誠一郎衆議(比例九州・宮崎)
     http://www.s-dokyu.com/
     http://dokyu.exblog.jp/
幹事長:大河原雅子参議(東京)
     http://www.ookawaramasako.com/
事務局長:初鹿明博衆議(東京16区)
       http://www.hatsushika.net/
事務局次長:宮崎岳志衆議(群馬1区選出)
       http://www.miyazakitakeshi.jp/
中川衆議のブログに依れば、以下が「議連案内文」に書かれているようです。
 民主党マニフェストにある八ツ場ダム建設等の公共事業に関わる問題ですが、仮にそれらの事業の建設が中止になった場合、地元住民の方々や関係者の方々の損害を最小限にとどめることが課題となります。そこでその生活再建をとどのうに取り組むべきかを考え、政策提言をするべく立ち上げたのがこの議員連盟です

 さて、この議連の動きですが、読売の記事やその前の報道にもあったように、現地では現政権への不満や不信が大勢を占めています。
 そんな中で、どうやって生活再建プランに向かっての合意形成を進められるのか?・・永田町で青写真を作ってそれを地元に開いて示したところで、反発や門前払いは必至です。
 「ダムを前提としてプランを練ってきた・・それを覆すなら代替え案を示せ」という地元の声に呼応してこうした動きになるのでしょうが、川辺川と違い「振興協議会」を組織することすらままならない状況で、地域の意見の反映もない具体案を提示することすら独善的と言えるものではないでしょうか?
 前回群馬県の民主党議員団で出した「温泉街の現地再建」なども強烈な反発を受けたところです。

 前にも一度意見したところですが、八ッ場ダムの縺れた住民感情を解きほぐすのは並大抵のことではありません。
 群馬県選出民主党国会議員の誰か一人でも、政策イシュー・ライフワークとして信念を持って現地に入り浸って専心するくらいの行動を見せないと受け入れられないでしょう。
 いったいどなたが「政府と地元の橋渡し役」になられるのでしょうか?
 民意を反映しない中で仮に議員立法として国会に提出されても、野党からは政権批判の格好の材料を与えることになりますし、参議院では否決されるでしょう。

 まず大事なことは、ダム事業を停止させる為の法的根拠の樹立であり、それによって「ダムなし生活再建」に対する財政措置の確保にあるのではないでしょうか?
 そこからなら、現地の方々も「ボールは地元に投げられた」という認識を持ち、自主的自立的に自分たちの新たなまちづくりにスタートを切れると思います。
    -- 以下、略ーーー
◆民主国会議員 議連立ち上げ(朝日新聞群馬版2010年10月20日
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581010200001


四、2010年10月20日 19時38分 投稿
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八ッ場ダムに関しては「新顔」と思われる三井辨雄(わきお)副大臣が、13日の現地視察を経て記者会見で感想を述べています。
 昨日発足した「生活再建議連」についても一言言及しています。
 三井副大臣は民主党北海道連代表とのことですが、サンルダムなど北海道のダムについての取り組みはいかがだったのでしょうか?
 会見では「スピード感を上げて」「住民の皆さんの意見をしっかりと聞きたい」と述べていますが、これらが前原前大臣のような口約束だけにならないように、“有言実行”して欲しいものです。
 例によって八ッ場ダムに関する部分だけ抜粋します。
◇三井副大臣会見要旨 2010年10月18日(月)15:50~16:02
http://www.mlit.go.jp/report/interview/mitsuihukudaijin101018.html

五、2010年10月20日 19時59分 投稿
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昨日(10/19)、約1ヶ月ぶりに埼玉県知事の定例会見がありました。
終盤、八ッ場ダムに関して議連や生活再建等について質問を受けたのですが、久々に8分程持論を“吼えて”います。

◇知事記者会見~埼玉県公式サイト
http://www.pref.saitama.lg.jp/site/room-kaiken/

前回(9/17)も大臣交代を受けて八ッ場ダムについても述べていますが、そちらはテキスト化されていますので以下ご覧ください。 http://www.pref.saitama.lg.jp/site/room-kaiken/kaiken220917.html#06
 大臣と6知事が面と向かって八ッ場ダムについて討論するのは昨年10月に前橋で会ってから実施されていませんが、石原知事や上田知事と馬淵大臣がどのように議論するのか、“ガチンコバトル”の様を見てみたい気がします。


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