2009年09月17日

豊田さん、「やまたのよっちゃんは正しかったった」ですよ

 皆さん、お喜びください。
 ご覧になっていられた方、いらっしゃたことと思いますが、今朝の民法テレビの各紙面紹介コーナーで、新国交相・前原さんが、「八ッ場ダム廃止」と言いきった旨の報道と、朝日新聞一面中央の見出しが映りましたよね。
 良かった!、思わずバンザイです。
 早朝、期待して見たのですが、当地の朝日新聞は「13版N」というので、掲載なっていません。が、本当にさわやかな朝となりました。

 全てが解決したわけではなく、幾つかの抵抗運動に対峙しなければなりません。
けれど、この朗報をもって八ッ場へ行き、豊田嘉雄さんの墓前に「嘉雄さん、やまたのヨっちゃんは、やっぱり正しかったってみんなにわかりましたよ」って伝えてあげたいです。【注】
 嘉雄さんが、補償基準調印式のあった2001年6月14日、うなだれて「八ッ場は負けたんだい。戦争に負けたんと同じだ」と悄然としていました。肩を落とした姿が、同日の毎日新聞夕刊に掲載されました。支局にちょっと出入りして顔みしりだった若手記者のM君から、事前に電話をもらい、嘉雄さんを招介したのでした。彼は情味にあふれる良い記事を書いてくれました。
 
 そして、?どっかからの命令を受けた一部有力者によって作り上げられたダム推進の世論。それによって徐々に八ッ場の谷間で息をつめてこさせられてきた、まさに“意識の隠れキリシタン”的存在の人々の戸口をたたき、「朝です! 夜明けですよ」 と伝えたい思いです。「長い、闇でしたよね」と喜びあいたいです。
 つい、数日前「おめぇはそんなことしてりゃ、殺されるぞ。しばらく来るなよ」とある方から言われ、この間、終始一貫ヒヨラズ、結構強いこの方でもそんなことを想定しなければならない、現地の空気に慄然としたばかりでした。
 しかし、仮に命を取られても、そのくらいの覚悟がなければ、生じの手だしはするものではないものとの、自覚はあります。

  ともかく、ハレバレ。
 八ッ場には、やっぱり「地霊」がやどっていました。

 これからは、地元の当事者たちが、真に望む、あるべき「生活再建策」の練り直しの出番です。

  末尾に、豊田嘉雄さんの自分史、『湖底の穹』に所収されている泣かせる短歌中、そらんじている一首を。
   青春は兵役に埋没 後半生ダムと対決 命足らざる  
 

【注】
①「やまた」というのは嘉雄さんが経営していた民宿「やまた屋」さんの屋号。息子さんが継いで営業しています。ご当主は陶芸の先生。温味のある手作り陶器に旨い食事が盛られて供されます。お風呂がピカピカで気持ちがいいですよ。うれしいことに川原湯で最も廉価なお宿です。

② 「よっちゃんは正しかった」の出典は、著書の『湖底の穹』の末尾の結びの言葉によります。
「どんなに頑固ものだと言われようが、最後まで八ッ場ダムに反対し、このダムは造ってはならないと叫び続ける。いつかきっと、やまたのよっちゃんは正しかった、と認められる日がくることを信じている」
 ーーふるさとが湖底に沈む少し前花の咲く頃ぽっくり死にたいーー
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 ※追記 ニュース速報がキャッチできました。ので、転載を。
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【読売】
http://news.biglobe.ne.jp/politics/404/ym_090917_4042730925.html
八ッ場ダム「中止」前原国交相…霞が関激震
読売新聞 09月17日04時07分

 【キャプション】報道陣の質問に答える前原誠司・国土交通相

 八ッ場ダムの建設中止、死刑執行への慎重姿勢……。16日に発足した鳩山内閣の新大臣たちが、これまでの自民党政権とは一線を画した方針を相次いで打ち出すと、東京・霞が関には激震が走った。

 前原誠司・国交相(47)は16日深夜、認証式後の記念撮影を終えると、首相官邸で始まった各閣僚の記者会見の順番を待つ間を惜しむように、「戦場」となる国土交通省に礼服姿で乗り込んだ。

 幹部職員らが拍手で出迎える中、大臣室であいさつを済ませた前原国交相は、エレベーターホールで、報道陣約30人の取材に応じた。報道陣から出た質問は、国交省が建設を継続するかどうかの判断を新大臣に委ねるとしていた「八ッ場ダム問題」。前原国交相は笑顔のまま、「マニフェストに書いてあることですので、中止します」と、あっさり中止を明言した。

 ただ、「やみくもに中止すると現場の方々も混乱するので、補償措置について地元の方々や関係自治体と話し合いたい」と述べ、早急に建設予定地を訪れて、地元の住民などから話を聞きたいとの意向も示した。

 ダム建設を担当する同省河川局では多くの職員が残って、前原国交相がどんな意向を表明するのか見守っていたが、同省幹部は「政策については、官僚が発言してはいけないということになったので感想は話せない」と疲れ切った表情。別の幹部は「非常に重く受け止めています」と語った。

 一方、中止撤回運動を進める地元住民組織「八ッ場ダム推進吾妻住民協議会」の萩原昭朗会長(77)は、前原国交相が記者団に中止を明言したと聞くと、「やっぱりという気もするが、残念。工事中の橋や道路などはダムが完成し、水がたまることを前提に造られたもの。今さら中止は本当に困る。国策を押しつけ、昔も今も地元の民意は反映されないのか。新政権にはしっかりと地元の声に耳を傾けてほしい」と話した。


【朝日】
http://www.asahi.com/politics/update/0917/TKY200909160438.html

前原国交相、八ツ場ダム建設中止を明言
2009年9月17日0時54分印刷

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【キャプション】首相官邸で会見する前原国交相=17日午前1時12分、東京・永田町、河合博司撮影
 
 民主党が政権公約(マニフェスト)で中止を明示した八ツ場(やんば)ダム(群馬県)について、前原誠司国土交通相は17日未明、政権公約通り中止する考えを明らかにした。総事業費4600億円の巨大公共事業は、計画浮上から57年を経て、中止へ動き出した。

 前原国交相は官邸での就任会見に先立って同省に初登庁して幹部にあいさつ。その後、記者団の取材に応じた。前原氏は中止を明言した上で、「早めに現地に行き、いろんな話をうかがい、どういう補償措置を前提としてとるのかということが必須の条件になってくる」として、地元住民の生活再建に取り組む考えを示した。「やみくもに中止するとなると現場の方々の混乱が起きる」とも語り、事業費の一部を負担している下流域の6都県とも協議を進める考えを示した。

 国交省は民主党の総選挙での勝利を受けて、9月11日から予定していたダム本体工事の入札を延期し、新大臣の指示を仰ぐとしていた。谷口博昭事務次官は「治水、利水上の必要性、事業の経緯、地元の県知事や地元の首長のご意見を新大臣にご説明させていただきたい」と述べていた。








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Posted by やんばちゃん at 08:01│Comments(2)八ッ場に願う
この記事へのコメント

あまりに長くつらい八ツ場の歴史でした。地元では国に翻弄されたという思いが強いと思います。皆さんが納得できる生活再建の道が開けることを願っています。
Posted by 薔薇豪城 at 2009年09月18日 11:12

薔薇豪城 様
 
 お便りありがとうございました。
 その節はありがとうございました。
 昨日、嘉雄さんの墓前に報告を兼ねて、八ッ場へ行ってきました。
 本当に複雑な状況になってきました。
 薔薇豪城さんが現地に見えた時に「守ってあげるからね」とささやきかけられたという、諏訪神社の大木の茂っていた跡地は、無残な景観になって、H委員長脇の新設道路工事が盛んにおこなわれていました。
Posted by stop八ツ場・市民ネット at 2009年09月18日 14:23
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豊田さん、「やまたのよっちゃんは正しかったった」ですよ
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