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Posted by 株式会社 群馬webコミュニケーション at

2010年07月01日

勇ましくも切ない工事風景ーー山肌にへばりつくユンポ 

 

 昨日の「閉合式」の往き返りに目についたのは、2号橋の上湯原側の岸壁のこの光景です。
 未だに、空恐ろしい感じです。
 誘導車を降りてヘルメットを脱いだ地点で、見上げた工事風景の恐ろしさ。削岩機が宙づりになっているではありませんか。「うをぁ、怖いわねぇ。あれは命綱? で、自動制御ですか? それともどなたが、乗っての作業なの?」と問うと、作業者が乗るとのこと。
 矢継ぎ早にくり出す、早口オバさんの問いに、慎重に「今日は、仕事を休んでいます」と答えてくださった。
 「もし、ご家族がご覧になったら、身震いするでしょうね。ともかく気をつけてくださいね」と思わず、言ってしまうと、それまでの歯切れの悪さとは違って、ここは即座に「そうですよね」と言ってくださった。

 往きは時間に急かれていたが、往路はゆったりと見上げた。
 同じようなことを口にすると、今度の方とはさらに響きあうものがあった。
 で、つい 「こんな、危険な工事をするなんて、1日かなりの高額なんでしょうね」とまで、口にすると、笑いながら「そんなでも、ないんですよ」といいかけた矢先、目線を真横に流すと、そこに国交省の職員さんたちがやってきた。現場の皆さんにご迷惑がかかっては困るから、たちさった。
 しかし、今でも、声音が耳元に残っているが、口調には真実味があった。
 多くを語られぬ現場の方たちだけれど、ヒトことヒトことに生活感からにじみ出た重みがある。
 現に、自分たちの仲間がお一人、亡くなっているのであるから……
  “世界初の工法”ともてはやし語の祝辞が続く式典の末尾の方で、工事関係者側から「冥福を祈る」の言葉が添えられていたけれど……

 この他にも、川原湯温泉駅の裏手の地滑り地帯、松谷付近の岸壁など、数カ所で、勇ましくも哀しい命がけの工事風景に接してきた。
 恐らく、実際に危険なユンポに乗り込むのは、下請け、孫請け、その下請け段階までの作業員さんだろう。
 そして、この差別社会には、金銭につられて、それでも「仕事に飛びつく」しかない、個人の諸事情がある。しかし、実際の作業者の方に、実際にわたる金額は幾らまで、次々と搾取されてしまうのだろう。
 
 こんな危険な工事をしてまで、八ッ場ダムは仕上げなければならないのだろうか? 
 岩盤の強度などは、末端の従事者にまで、知らされているのだろうか。 
 晴れがましく、皆、笑顔に充ちているその影に、一つの疑問点がかすめる。
    


Posted by やんばちゃん at 23:57Comments(0)八ッ場だより