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Posted by 株式会社 群馬webコミュニケーション at

2010年10月02日

海と陸との交流的、食べ物考

 今日から水源連の総会が、北海道千歳市で開催されています。
 当初は参加するつもりでいたのでしたが、迷いつつ断念。今週末の土日は実は大きな会が三つありました。
 先月の20日過ぎからのダム問題の動きから、中止から丸1カ年たつ10月は、新たな展開がおきることは予測されていました。その時には、現場にいたいという思いも少なからずありました。
 結局、考えるのが嫌になって、遠方での二つの会はどれも断念、その前に地元でのイベント参加はキャンセルしてしまったのです。
 そんな時、八ッ場のXさんが頭の痛い話の一つとして、田に水があって、先週、機械刈りが出来ずに刈り残していて気がもめる。「村中で残っているのは俺ん家だけなんさ」と寂しそうにおっしゃる。最後になるのが大嫌いなこの方の気持ちを考えると、手刈りでも何とか早く仕上げて、ホッとさせてあげたいと思うのも、人情というもの。実は昨年の田植えだったと思うが、機械が横転してしまったことがあったと、人づてに聴いている。毎年、往生する機械が入らない汁田らしいのだ。
 確認に八ッ場に行くと、確かに目立ちます。当方、手刈りの経験あり。でも、幾ら年をとった女でも独りでそんなお手伝いをしていると、地域社会はうるさいのだそうで、そんなご注意もうけました。
 そこで思いめぐらすと、ある男性の知人が浮かびあがった次第。お願いしてみたら、日曜日は新潟県での稲刈り援軍部隊に参加予定とのこと。土曜日だったらということで、二人で手刈りでやってしまおうと意志一致。
 ところが電話すると、頑固なXさん「有り難いけれど、構わねぇでくんない」と断られてしまった次第。
 ……おそらく、『老人と海』的に、ご自分の力の限界にいどまれたいのでしょう。

 そんなこんなの次々と予定狂いの気抜けの本日は、午前中まで締切を待ってもらっていたサークル誌へ八ッ場の食べもの考の雑文を記し、午後は女性学関係の役員会に前橋まで出かけただけで、所在なく自宅待機の呈です。
 でも、身体が疲れてますから、かえって良かったかもしれません。もし、総会に参加していたら、昨晩はパニック状態で準備に追われていたでしょうから。
 
 ところで昨日、昼食時のレストラン街を歩いていたら、和食の店ではいずれもイクラ丼が秋の味覚として大々的に並んでました。そうもう、本当に秋なのです。
 一昨日、実家の小さな店にも初もの艶のある見事な筋子が入っていたのでした。会議を終え帰宅した時には閉店時間を過ぎてしまっていて不可。たぶん、売れ残っているだろうからと、一年ぶりに近いイクラの味を口元に思い描いて楽しみに、帰宅。
 「売れ残っているよね」と飛び込むと、あるにはあったが、昨晩のとはどうも様子が違う。小ぶりなだけではない。「それ今日、また仕入れたんだよ」と言う。「でもちょっと、コレ、おかしいんね」と口にしつつ、求めた。
 調理のために、パックから取り出した際に氷解。通常、筋子は膜のかかった側を上にしてパックする。それを反対側を上にしたから、見栄えが悪いし違和感があったのだ。市場でパックしたのか、誰がパックしたのかわからないが……
 
 山里の者には魚介類に憧れがあり、海辺の育ちの者には山菜類が珍しい。概して、山里の食文化を持つ、八ッ場のお宅では魚類は喜ばれる品の一つ。
 で、八ッ場の皆さんからの頂き物のお返しには、この時期、親しいお宅には好みも判るので、筋子を調理し、イクラにしてからお届けする。「私の手づくりですけれど、お味みてください」と順次に。
 幸い、私はあのヌルヌル感と血なまぐささが平気なのである。
 コツは熱湯処理した後、キッチンペーパーの上で転がすこと。この作業を磨くというらしい。本当にきれいに粘膜が取れて、紅いイクラが出てきて妙味がある。秋の一時のこの作業に、私でも年々熟達してくる。塩味は色よく上がり、醤油味は旨みが出る。で、昨晩は半々にしてみた。
 そして、昨晩来、何度となく冷蔵庫を開けては、お味見。かなり減ってしまった。次に八ッ場へ行くまで持つはずもなく、いかに順番にとはいえ、来週中ごろに、もっと多めに作らなければならない。

 そういえば、今日の会合にミョウガを持参。終了間際に、「ミョウガ、食べてくれる方、いるかしら」と問うと、会議中の冷静な態度とはうって変わって、「私、戴く!」と中年過ぎの熟女たちが、全員勢いよく手あげてくださった。「八ッ場のよ」と言い添えつつ包みをほどくと、「わぁ、すごくいいんじゃない」と頬を紅潮させてのぞき込む。ファッション性の高い品々を身につけたA子さんまで、「うちの近所のスーパーでね三個で〇〇〇円もするのよ」との主婦感覚そのもの言葉を添えた。
 そこで、お母さんの手は平等という、壷井栄の『母の手』にあやかって、おもむろに妻にも母にも成れず終わる女が、その不慣れな“母の手”式に、数えて等分に分けてさしあげた次第。 
 だから、私は八ッ場の行く先々のお宅の門口で黄色い花を咲かせてしまっているミョウガ一つでも、コレ、町の者にとっては欲しいのにと思え、「今、採れば、まだ食べられるのになぁ」と立ち止まってみつめてしまう、次第なのだ。大農家のZさん宅では、前回も前々回も黄色い花ざかりだった。 

 さて、今頃、宴たけなわの懇親会では、北海道の旨いものづくしが並べられているだろう。もちろん、極上のイクラもたっぶりとあるだろう。  


Posted by やんばちゃん at 21:36Comments(0)八ッ場だより