2009年09月20日

ダムに打ち勝った町は、ヒトを呼ぶ 

 本日の読売新聞社会面には、昨日19日、連日の報道記事に触発された物見高い、
観光客が、過去最大の535人も殺到したとの報道記事があります。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090919-OYT1T00871.htm?from=nwlb

 かれこれ、9年ほど前、当時の「八ッ場ダムを考える会」で、ある水問題研究家を招き、
高崎市でシンポジウムを開催したことがありました。
 前日にスタッフで川原湯温泉に案内。その夜の部屋での語らいの際に、川原湯未来構
想を話あい、「ダムに打ち勝った町」として、ダム建設への資金を充当してこのレトロな雰
囲気を売れ出せば、ダム湖の周りの温泉街よりも、客を呼べる」というのが、私たちの一
致した結論でした。
 フロントに行った際、宿泊した旅館のオーナーに「川原湯温泉の未来構想を話しあつて
いますので、ご一緒にいかがですか」と問いかけると、ふるえながら硬い拒否反応を示され
いたことが浮かんできました。この場合の震えは怒りではなく、脅えなのでした。
 
 まだ、豊田さんもお元気で、講師のAさんは事前にお送りしてあった豊田嘉雄さんの『湖
底の穹』と、亡くなられた旅館主・萩原好夫さんの「八ッ場ダムの闘い」の二冊を比較。萩
原さんのは「行間から嘘がこぼれ出てくる」との評をなさいました。
 この時のうれしそうなお二人の様子は何枚も、写真に収めてあります。
  余分ごとながら、萩原好夫さんは小説家・安倍知二の弟子で、宇沢弘文さんの跋文や
出版元は老舗の岩波書店ということもあって、広く皆さんに読み継がれております。
 が、条件闘争に走られたこともあり、地元では「よく、ああいう、嘘ッパチが平気でかけら
いな」などとされています。
 晩年、ご本人も「間違えていた」と述懐されていたそうです。
 
 57年間もの間には、私たちの運動が開始されてからのこの10カ年間だけでも、数々の
ドラマがありました。

 そして、連休中のほんの一時の現象に終わるかも知れませんが、これだけ人数が押しか
ければ、夕張市のようにどん底から何らかの活路が開けていくのでは、ないでしょうか。
 選挙後に現地に行った際、ある農産物を扱っていた場所で、野菜が安かったので、私に
しては多めに買った際、「ダムに打ち勝った町として注目され、この美しい自然環境に惹か
れてたぶん、これから観光客が訪れるものと思いますよ」というと、販売の女性は「そうです
かね」と言いつつ、素直にうなづいて下さったものでした。その上に、「戴きものだけれど」と
大好物のあるものを「食べてくださいな」と追いかけて持ってきてくださったのです。

 新政権には、地元の希望、しかもピラミット型の役員体制の声ではなく、戸口を叩いての
草の根の声を十分に聞き、吸い上げてもらいたいものと、切望してやみません。
 


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Posted by やんばちゃん at 15:17│Comments(0)八ッ場だより
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