2011年06月03日

山椒の実採り、顛末記

 
山椒の実採り、顛末記

 ようやく、陽射しの回復。朝から良いお御天気です。
 山椒の実採り、顛末記写真は、数日前のわが家の自然園的庭とへば聞こえがいいけれど“畑→雑木林”の山椒の木々です。
 家業に追われ、各種市民運動に奔走していたここ20~30年間にいつの間にか増え、大木になってしまいました。
 ウンザリしながら数得てみたら、大小あわせて30本を超えていて、実をつけず気持ちのもめない木はほんの4~5本だけなのですから……

 皮肉なことに、27年前に68歳で亡くなった母が生きている間は、まだ数本だったどの木にも実がつきませんでした。
 しかも、「どうして、こんなに大きいのに実がならねぇんかなぁ」と母が嘆きつつもめでてきた、一本の大木は、耕地整理の際に、わが家は東側の敷地を1m幅でとられると思って安心していたら、出稼ぎの作業者の方が、図面を読み違えて3m分と勘違いしてしまって…… 
 気がついた時には、東側の敷地にブラリと並んでいた思い出の庭木類が、すっかり平らにならされてしまって土の中に。
 この耕地整理はそもそも61歳で急死した父親が、その寸前まで腐心し、役所へ足を運び手はずを整え、始まったものでした。
 でも、まだ若かった私たち姉弟は、父親急死後の家業に追われるままに耕地整理に宅地が出せることを知らず、それから6~7年近くたって、元は畑地の自宅の敷地内にあった「農道分として東側を削る」との役員の来訪に初めて、「では」が気がついた次第でした。が、もはやこの段階では手遅れ。
 もともと何ごとも平らにすれば良しの工事類には皮膚感覚的な拒否反応がありますが、以来、耕地整理には好感がもてません。せめて、母が晩年まで大事にしていたあの山椒の木だけでも、その残骸だけでも欲しかったと思え、山椒の木には少なからずの思い入れもあるのです。
 しかも、最近、実家の地続きの土地を姉が求めて、家を建てた後、庭を掘り返したら石はむろんコンクリート類や廃棄物の山。当時の関係者の証言によれば、そこは耕地整理の際の雑ものの埋め場だったとのこと。
 何と、父が心身使い果たした耕地整理には運がなかったもわが姉妹たちなのかとは姉の弁。

 毎年、若芽はもちろん、実を採る間もなく、落ちるままにまかせて自然園としてきたのですから、仕方ないのですけれど…… 2~3年前から春先の葉摘みは仕方ないとしても、せめて実の採取を試みています。
 そして、月一回の“露天商のオバさん”としての出店するフリーマーケットでも商品として並べてみるのですが、ほとんどはけません。母親たちの世代とは異なり食生活も変化、若い世代には食べ方も活用法ももうおわかりにならないのではないでしょうか。
 そこで、手づくりレシピもそえるのですが……

 最も美味でポピュラーなのは、京都みやげとして知られている、「ちりめん山椒」。
 塩ゆでしておいた実を保存しておいて、シラスと合わせて炊く、関西方面では伝統的な常備菜のようです。
 山椒の実の採取に手間ヒマかかり、その上、青煮として保存するまでに丁寧に仕上げようとすれば一粒一粒の軸ももがねばならず、仕方ないとはいえ、驚くほど高額なちりめん山椒も自分で作れば、超安価。
 昔ながらの食材ですから、山椒味噌や魚の臭み取りなど、活用法はいっぱいあります。
 薬効としては酢漬けにしておけば、目に良いとのこと。数年前に聞いた話ですが、その方の叔母さんは毎日3粒ほど食べ続けて、当時93歳になっても、針目を通せたとのことでした。この場合は、そのままの方が効き目ありとか。
 
 ご覧ください。前掲の木は特に実だくさん。
 この一本で4~5㌔は採れてシマウのです。全部、採取すれば10㌔は超える分量があると思います。
 思い余って、一昨年よりは市場へ。
 おかげさまで、採算を度外視すれば、昨年までは小さな小遣い稼ぎになってくれてましたが…… 今年は、震災のこともあり、全体に野菜類が売れなくて全般に安いとのことで、次のようなさんたんたる顛末記なのです。

 本年こそはと張り切って実が若い、22日のフリーマーケットに初もぎ。
 ところが、一時間遅れで到着した上に、午前中に振りだした雨で、昼前にほぼ中止状態。たったため、3袋しか売れず。
 疲労困憊の身体で、翌日は一大奮起。4時起きして、さらに摘み取り、梱包。山菜もののセリの時間に間に合うよう、30分かけて7時までに市場へ。翌日は市場の休みなので、その翌日、イベント続きで疲れ果てた身体にムチ打って、梱包。
 ところが、第一回の単価をみて、驚き。
 あんなに神経使って、時計を見ながらの作業だったのに、なんと一袋が30円。20袋で600円にしかなりませんでした。往復で約30㌔の道のガソリン代。しかも、時間ぎりぎりで気ぜわしく走るので、危険極まりなし。さらに、微々たるとはいえ、袋やテープなどの付属品などに消えてしまいます。“とらぬ狸の皮算用”式に、少なくとも昨年並みの100円くらいにはなると思っていたものでした。昨年は150円まで行ってくれたのでした。
 翌日は、35円。35袋だしたので1175円。
 今年は転居してきた姉にも手助けしてもらったので、姉と延べ1週間ほどの報酬は、たったの1775円。ここから手数料を差し引かれ、代金をもらうのにまたガソリン代を要する次第で、赤字です。
 さすがに、3度目の?出荷のまねごとは止めた次第。
 
山椒の実採り、顛末記

しかもです。ご覧ください、この四本のこんもりとした木は特にトゲのある木です。しかも、大ぶりのたくましいトゲなのです。
 先の大木は比較的、トゲが少ない品種なので助かるのですが、実の大きくなるなり具合に応じて、順次採るものですから…… でも、?欲と何とかでなりふり構わず、寸暇を惜しんでの作業でした。
 山椒の実採り、顛末記

で、ほぼ10日近くもたった未だにご覧のような、後遺症が……。キズつけた当初は鮮やかな赤で、風呂に入ると染みて染みて…… それとトゲのささった指が腫れてしまって……。この頃はほとんど無防備状態。それでも最初は手袋・手っ甲をするのですが、やりにくくて時間に急かれるといつの間にかとなってしまうのです。
 従って、一連のにわか農作業の過程で、福島原発の作業員が、作業の効率化のため防具を外してしまって、被ばくした段階の推移が、身にしみて理解出来うるです。
 加えて、姉からは首が痛くなった旨の愚痴ももらう始末。「なぜ、もっと切り詰めなかったのか」と再三、言われるが、その暇がない日々がありました。
 ……それに、心情的にも伐採するのは好まないのです。子供の頃から苦労した父親の死後、母がくりかえし方っていた言葉があるからです。「木だってな、おおか小さいうちからオッカジメルものではねぇ」と。
 いかに実入りのない耐久生活とはいえ、これでは、お好きな方に差し上げた方が、よっぽどまし。
 でも、これがまた時間的にも心情的にも大変な神経を使ってしまいかねないのです。(手間まかかるものですから、忙しい方への迷惑を考え困惑するし、また後日、心ならずものお気づかいをさせることもあって)、さらに(世評に飛び交う、農家からキュウリやナスをもらった方たちから聞いている困惑。「お礼を考えるとスーパーで買った方がよっぽど安い」式の、あの本音の愚痴語を想いだすからです)。
 

      (二)八ッ場のフキ栽培農家の出荷顛末記 
 こんな時、つくづく思いだします。
 長年、 ワサビやフキなどの山菜ものを出荷してきた、八ッ場のLさん夫妻の嘆きを。
 養蚕がすたれ、桑の木に代わって、吾妻地方の行政が奨励したのが、秋田県の特産物の太くて長いフキでした。フキノトウに始まり、大ブキの出荷に追われたとのことでした。
 このフキは長いので、箱に丁寧に梱包するので、手間暇かかります。たぶん、ほぼ7~8年前のことらしいのですが、かなりの暴落して、箱代にもならなかっようでした。しかも、東京出しだったらしく運賃等の雑費や手数料を差し引かれたら、赤字も赤字とのこと。以来、性根つきて、出荷は止めたとのことでした。
 その頃だと思いますが以来、収穫時にL家に行くと、フキの董も見事なフキも伸び放題の景観に遭遇してきました。
 もったいながり屋の当方、何とか販路はないものかと試みましたが、一定の期間のフキノトウは月一回のフリーマーケットにはズレてしまって、早いか遅すぎるかで困惑もの。フキは皆さん、この頃、あまり召し上がりませんし。わが家のも消化しきれない状態なのですから。いつぞやは売れ残った2種類のフキの始末に往生しました。近所の方たちに食べてもらうのに歩きまわるのも大変なものでした。「フキかい、俺んちにもあるんだよ」というお宅にも、「清水で育ったフキですから」と添えると、お味見的に少し貰ってもらってくださった方もいましっけ。
 そこに行くと、M家の幅広インゲンの出荷は、好調のようで、例年、かなりの一程度の値段が崩れないようので、老骨に鞭打たれて今年もまた、頑丈な鉄製の支柱が、先日、畑に出現していました。
 二軒のお宅とも別段、生活にはどうこうないのですが、とりわけ、相場ごとの好きなご性格のMさんにとっては、一種のゲーム感覚のご自分の体力の限界に挑まれる健康法らしいと受け止めてます。しかも、かけごとと異なって農協さんの通帳に確実に積算されていくのですから……
 ……ですが、放射線の風評被害のつきまとう、群馬産の今年はどうでしようか。
 昨年、誇らしげに語ってくれていたMさんを、落胆させることのないよう、どうか例年並みの値段が維持できますようにと祈っています。


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Posted by やんばちゃん at 10:14│Comments(3)八ッ場だより
この記事へのコメント
【日本の電力を守ろう! 原発を東京に誘致するデモ行進!!】

★東京原発の誘致訴える、市民行動

・東京都内の識者らで作る市民団体が17日より、千代田区内で、
 東京原発の誘致を求めるデモ行進を実行する。

 「皇居を廃して、そこに東京原発を誘致せよ」などと書かれた横断幕や
 プラカードを掲げ、JR有楽町駅周辺を約1時間にわたり行進する。
 皇居前では、皇居の京都帰還を訴求する。

 今後も月1回、都内各地で原発誘致を訴える行進をして行く予定。実行委員らは
 「これからのエネルギーと皇室問題をどうするか考えるきっかけにしたい」と考えている。

日本の電力を守るため原発を東京に誘致するぞ!
国家破壊を目論む売国奴を原子炉に放り込め!
原発のない東京よりも皇居のない東京を目指そう!
Posted by 天皇制を廃止する市民の会 at 2011年06月03日 23:44
売国奴が中心となって原発の全廃を訴えています。
仮に彼らの主張を実行すれば、我が国の電力供給量がいきなり約3割削減されることになり、
ただでさえ今夏今冬の電力不足が予測される中で緊急事態に陥っているエネルギー行政に
さらに追い打ちをかけることになります。

東電の問題にかこつけて原発全廃を主張し、その裏で病院等の電力源を遮断することで
騒乱状態を作ろうとしている売国奴の言いなりになるわけにはいきません。
日本の電力源を守るために私たちは原発を東京に誘致するデモ行進を敢行します。
誰も声を挙げられないのであれば私たちが先頭に立って声を挙げたいと思います。
一人でも多くの皆さまのご参加をお待ちしております。

●天皇制を廃止する市民の会 - 日本の電力を守ろう! 原発を皇居に誘致するデモ行進!! 【東京本部 】
Posted by 天皇制を廃止する市民の会 at 2011年06月03日 23:45
「放射線の風評被害のつきまとう、群馬産の今年はどうでしようか。」

 まるで他人事ですね。このブログの一連の間違った記載が、その風評被害の拡大に貢献したことを忘れないでください。
Posted by 杉山弘一 at 2011年06月06日 22:56
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