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映画会、予想外の入りにて熱気あり
遅れてしまいましたが、さる2/17に行った、中之条町・文化会館にての、「流 ながれ」上映会のご報告です。
写真は、上映会後、監督の村上浩康さん、撮影の能勢広さんによるトークショウの場面です。マイクをもたれていられる方が村上監督さん。
とっても端正かつ、気さくな好青年といった方でした。映画にはご年配の方が登場されているので、もっとお年をめされているのかと、思いこみのつよい当方は、お目にかかって一瞬、とまどった次第でした。
一、 1/17の 映画会は、まぁ、成功とよべましょうか? “大成功”と大がつくかは、今後の成り行き如何です。
① 何しろ、予想外の観客の皆さんがが?押し寄せてくださったのでしたから……
朝の段階では、30~40名くらいととふんでましたら、なんと、正規に受付をしてくださった大人は54名。子供さんも混ぜて、上映中、頭数をかずえたら、ざっと70名ほどに。
二転三転の果てに、ようやく確保できた会場は定員60名の狭い部屋。で、定員オーバーのですので、熱気でした。
人が集まってくださるということは、実行委にとってこの上なくはしゃいでしまえる上に、うれしい高揚感が走るものです。
② 2部の村上監督と能勢カメラマンとのトークショウも内容が濃く、続く会場からの声もそれなりに続き、着地点もまあ、
良しとすべき成果がありました。
秀逸なのは、利発そうな男の子さんの「ダムって造ったらもう、元に戻せないのですか」という真剣なまなざしの問いでした。
③懇談会もまた然り。
会館前の「ビスケット」さんは川原湯温泉にいらした川原湯館さん。川原湯でシャレた料理で知られていましたが……
品良く豪華な調度品の室内のテーブルには、センスよく見栄のするメニューがズラリと。大皿の熱々のピザを次々と焼き
上げてくださって…… 大いにサービスしてくださいました。
神奈川まで帰られるので、30分程度でとおっしゃられていた監督さん達も、なんと、2時間もおつきあいくださいまして、「良い会ですね」と喜んでくださいました。
最後は、親子三代に渡り、記録映画の元祖的名手のカメラマン一家に育たれたという、能勢カメラマンさんによる本格的な撮影には、おかみさん達にも加わって戴き、そして、たのしく散会。
二、翌朝は、早速、村上さんから、丁寧なメールか゜入ってました。
当方、朝からバタバタ状態でメールに気がつかないまま、午後も三時過ぎになってから、遅ればせの間抜けなお礼を電話で申し上げた次第でしたが…… 以下、転載させていただきます。
〇〇 様
昨日はお世話になりました。
本当にありがとうございました。
大変充実した上映会で
能勢も私も感激いたしました。
スタッフの方々の熱心さと
お客様の真剣な反応に
心を打たれました。
また、八ツ場ダム建設予定地を
詳しくご案内いただき
たいへん勉強になりました。
この計画が抱える不合理と矛盾と非情を
改めて思い知らされました。
皆様の活動が成就することを
陰ながらお祈りいたしております。
本当にありがとうございました。
村上浩康
どうか、お若いお二人の将来への、幸先の良い仕事となりますように、 多くの土地の皆さんたちが上映なされますことを願ってます。
なお、当方のスタッフのところにもDVDがありますので、ご活用くださいませ。
ドキュメンタリー映画『流 - ながれ -公式サイト 』
http://www.nagale.info/
映画『流 ながれ』予告編 - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=TUuxQHTK2o4
※17日の上映会のことが載っています。
ドキュメンタリー映画『流 - ながれ -』 | Facebook
https://www.facebook.com/nagalemovie
2013年02月16日
利根川流域委員会の要請文
利根川流域委員会が、有識者会議の委員提出した、要請文です。
利根川水系河川整備計画の策定に関する要請(7)
(関東地方整備局の常軌を逸した方針変更を看過してよいのでしょうか)
利根川・江戸川有識者会議は10月16日に開催された後、中止が続き、今回ようやく再開されました。聞くところによれば、10月下旬から1月まで利根川・江戸川有識者会議は9回連続の中止であったとのことですが、このように非常識な会議運営が罷り通ってよいのでしょうか。
さらに、10月16日までの会議で治水目標流量17,000㎥/秒とその洪水流出モデルの是非について白熱した議論が行われ、その決着が付いていないにもかかわらず、関東地方整備局は今年1月29日になってその議論を無視して、治水目標流量の局案を前提とした利根川・江戸川河川整備計画原案を発表しました。そして、2月1日に「今後の予定」として、本有識者会議と流域住民の意見を聴取したあとの段取りを発表し、利根川・江戸川河川整備計画の策定まで一気にもっていく考えを示しました。
今までの経緯は踏まえずに自らの都合だけで物事を進める関東地方整備局の身勝手さにはあきれるばかりです。しかし、今回のことだけではありません。利根川水系河川整備計画の策定作業が始まってから、関東地方整備局の方針はころころ変わってきており、責任のある行政の組織であるとは到底思われません。
関東地方整備局がどのように方針を変えてきたのか、まず、策定作業の経過を振り返り、次に方針変更の内容を示すことにします。
委員の皆様が、この方針変更の問題を取り上げて、関東地方整備局に対し、明確な説明とその是正を求めることを要請します。
1 利根川水系河川整備計画の策定作業の経過
(1)2006年11月~2008年5月
ア 有識者会議
利根川水系全体の河川整備計画の策定を進めるため、利根川水系を五つのブロックに分け、それぞれに有識者会議を設置して会議を開催。
(利根川・江戸川有識者会議、渡良瀬川有識者会議、霞ケ浦有識者会議、鬼怒川・小貝川有識者会議、中川・綾瀬川有識者会議)
第1回 2006年11~12月 個別に開催(整備計画の基本的な考え方の説明と質疑)
第2回 2006年12月 個別に開催(第1回の意見への回答と質疑、今後の意見聴取)
第3回 2007年2月26日 合同会議(パブコメ、公聴会、市区町村長の意見の紹介)
第4回 2008年5月23日 合同会議 (出された意見に対する関東地方整備局の見解)
イ 利根川水系全体の河川整備計画案のメニューを提示(第1回有識者会議)
治水安全度1/50 治水目標流量 約15,000㎥/秒(八斗島)を前提としたメニュー
ウ 関係住民の意見聴取(河川整備計画案のメニューについて)
① 公聴会 水系全体1会場、ブロック別18会場(2007年2月22日~3月9日)
公述人119人
② パブリックコメント 応募数 313件(2007年1月10日~2月9日)
エ 河川整備計画の案をとりまとめるまでの進め方
関東地方整備局の説明(高橋河川計画課長)
「河川整備計画の原案作成前の段階で公聴会とパブリックコメントを行い、そのあと、出された意見に基づいて整備計画原案を作成して、再度、関係住民等から意見を聴いて原案を修正し、その修正原案について、再度意見をきき、そういったことを何回か実施して河川整備計画案を取りまとめる」(2006年12月18日 第2回利根川・江戸川有識者会議の議事録から)
オ 2008年5月23日「第4回有識者会議」の後の進め方
関東地方整備局の説明(柏木河川部長)
「きょうの御議論を踏まえまして、次回にはまた御議論いただくもとになります整備計画のたたき台をお示しをいたしまして、また、それを説明します基礎的な状況というのもできる限りわかりやすくお示しをして、また皆様の御意見を賜ればというふうに考えております。できるだけ早い時期に整備計画もまとめていきたい、こういうふうに考えてございます」(2008年5月23日 第4回有識者会議の議事録)
しかし、その後、2012年度になるまで約4年間、策定作業は中断された。
(2)2012年5月~
ア 治水安全度1/70~1/80、治水目標流量17,000㎥/秒(八斗島地点)についての
パブリックコメント(5月25日~6月23日) 応募数 93件
イ 利根川・江戸川有識者会議の開催
第5回 9月24日
第6回 10月4日
第7回 10月16日
治水目標流量の局案17,000㎥/秒と洪水流出モデルが妥当か否かについて議論。
10月下旬~2013年1月
予定されていた会議はすべて中止
ウ 利根川・江戸川河川整備計画原案の発表(2013年1月29日)
関東地方整備局が治水目標流量の局案17,000㎥/秒を前提とした利根川・江戸川河川整備計画原案を発表(本川のみの計画原案)。
エ 利根川・江戸川河川整備計画原案のパブリックコメントと公聴会の実施の発表(2月1日)
① パブリックコメント 2月1日~3月2日
② 公聴会(4会場) 2月24日、25日、26日
2 関東地方整備局の不可解な方針変更
以上の経過を振り返ってみると、関東地方整備局が基本的なことについて前言を翻して、方針を大きく変えてきています。特に問題とすべき不可解な方針変更は次の5点です。
(1)利根川水系全体ではなく、なぜ利根川・江戸川の本川のみの整備計画を策定しようとしているのか。
関東地方整備局は2006年11月からは利根川水系全体の河川整備計画を策定する作業を進めていましたが、2012年度からは利根川・江戸川の本川のみの河川整備計画を策定しようとしています。
利根川水系には大きな支川がいくつもあって支川と本川は相互に関係しており、本川だけの整備計画を先行して策定することは科学的にも不合理です。
利根川の河川整備計画は本川、支川を含めて水系全体で策定しなければならないことは第4回有機者会議での福岡捷二委員の次の発言からも明らかです。
【福岡委員の発言】「本川と支川の関係で、利根川の本川の安全度を50分の1に確保するために、支川にいろいろな施設がつくられます。それは支川の安全度も上げると同時に、本川の安全度を確保するためにもやるんだということです。今後、それぞれのブロックに分かれて整備計画を議論することになりますので、各ブロックでの議論は、利根川流域全体の議論に密接に関係してきます。特に、利根川・江戸川ブロックの議論との関わりが重要になります。そのため利根川・江戸川ブロックでの議論を各ブロックにしっかりとお伝えをして、やはり各ブロックは自分の河川流域の安全度と、利根川・江戸川の安全度の両方に関係しているという流域全体を見る視点が持てるようにすることも重要です。それぞれのブロックの議論の中では利根川・江戸川ブロックの内容が伝わるように、またその逆も当然必要です。」(2008年5月23日 第4回有識者会議の議事録)
この発言のように五つのブロックの有識者会議がそれぞれ議論を進め、その内容を相互に伝え合って、水系全体の河川整備計画を策定していくことはごく当然のことなのです。
2012年9月下旬から、本川を扱う利根川・江戸川有識者会議のみが再開されましたが、支川を扱う他の有識者会議をどうするのか、関東地方整備局からは何の説明もありません。
関東地方整備局はなぜ本川だけの整備計画を策定しようとしているのでしょうか。
(2)本川の治水安全度1/50をなぜ1/70~1/80に引き上げたのか。
2006年11月からの策定作業で示された河川整備計画のメニューでは利根川本川の治水安全度は1/50でした。この1/50を前提としたメニューに対して有機者会議で議論がされ、パブリックコメントと公聴会による意見聴取が行われました。
ところが、2012年度からの策定作業では利根川本川の治水安全度は1/70~1/80に引き上げられていました。それに伴って、治水目標流量(八斗島)は15,000㎥/秒程度から17,000㎥/秒へと、約2,000㎥/秒も大きくなりました。
本有識者会議で、治水安全度引き上げの理由を示してほしいという委員からの質問があり、それに対して、関東地方整備局が10月4日の第6回会議で出した資料は次のものでした。
八ッ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場(第1回幹事会2010年10月1日)
「○埼玉県県土整備部長代理
同じく埼玉県の高沢でございます。
利根川は、過去にカスリーン台風の洪水でも本県を含めまして重大な被害をもたらしております。また、現在でも一旦決壊をすれば、首都圏に大きな被害が生じると思っております。また、本県につきましては、本県の東側の地域でございますが、利根川よりも低いところに人と資産が集中しております。このため、利根川の治水安全度は埼玉県にとりましても非常に大切でございますので、このようなことから適切な治水安全度を設定するように検討していただきたいということでございます。よろしくお願いいたします。」
しかし、この議事録では、埼玉県は適切な治水安全度の設定をと述べているだけであって、引き上げるべきだという趣旨のことは一言も言っていません。
このことは、治水安全度Ⅰ/50から1/70~1/80への引き上げは、関東地方整備局の思惑だけで行われたものであることを明白に示しています。
2007~08年に有識者会議で議論し、パブリックコメントと公聴会まで行った、治水安全度1/50という計画案の前提を関東地方整備局はなぜ変えたのでしょうか。
(3) 2006年12月18日の有識者会議で関東地方整備局が約束したことはどうなったのか?
2006年12月18日の第2回利根川・江戸川有識者会議で関東地方整備局は「意見をきいて原案を修正し、その修正原案について、再度意見をきき、そういったことを何回か実施して河川整備計画案を取りまとめる」と言明しました。
公の場で関東地方整備局の責任者が言明したのですから、そのことは当然のことながら実行されなければなりません。しかし、今年2月1日に発表された「今後の予定」をみると、「パブリックコメント、公聴会で出された意見に基づいて河川整備計画原案を修正し、その修正原案について再度意見を聞いて修正する」ようなことは全く書かれていません。
パブリックコメント、公聴会とも1回限りで終わりのように受け取れます。
しかし、公の場で言明したことをいとも簡単に覆してよいのでしょうか。関東地方整備局は公の場で言明したことについて何も責任をとらないということが許されるのでしょうか。
(4)関東地方整備局は2006年5月の後、整備計画の策定作業をなぜ中断したのか。
関東地方整備局は2008年5月23日第4回有識者会議(各ブロック合同会議)の終わりで、「次回には整備計画のたたき台を示して、皆様の意見をお聞きたい。できるだけ早い時期に整備計画もまとめていきたい」と言明した。ところが、その後、整備計画の策定作業は中断され、有識者会議が開かれたのは、2012年9月からの利根川・江戸川有識者会議のみで、その他の4ブロックの有識者会議は未だに開かれていません。
国交省はその後の政権交代による河川行政の方針変更を整備計画策定作業の中断の理由に挙げているようですが、政権交代は2009年9月のことであり、一方、上記の第4回有識者会議は2008年5月です。この1年数カ月の間、関東地方整備局は何をしていたのでしょうか。2008年5月の後、有識者会議が開催されなかったのは関東地方整備局の思惑によるものであって、政権交代が理由であるはずがありません。
2008年5月23日の第4回有識者会議で「次回は整備計画のたたき台をしめす」と言明したことを関東地方整備局はなぜ守らずに、整備計画の策定作業を中断したのでしょうか。
(5)関東地方整備局は2012年10月下旬以降、なぜ利根川・江戸川有識者会議の開催を中止し続け、さらに、その議論を無視して利根川・江戸川河川整備計画原案を発表したのか。
そして、冒頭で述べたように、関東地方整備局は利根川・江戸川有識者会議を昨年10月16日に開催した後、今年の1月まで9回連続で中止してきました。さらに、10月16日までの会議で治水目標流量17,000㎥/秒の是非について議論が進められてきたにもかかわらず、関東地方整備局はその議論を放り出し、今年1月29日に治水目標流量17,000㎥/秒を前提とした利根川・江戸川河川整備計画原案を発表しました。
関東地方整備局はなぜ利根川・江戸川有識者会議の開催を中止し続け、その議論を無視した利根川・江戸川河川整備計画原案を発表したのでしょうか。
以上のとおり、利根川の河川整備計画の策定において関東地方整備局の身勝手な方針変更は常軌を逸しているといわざるを得ません。
利根川・江戸川有識者会議の委員の皆様におかれましては、上記5点の不可解な方針変更の問題を取り上げて、関東地方整備局に対し、明確な説明とその是正を求めてくださることを要請します。
以上
追記 利根川流域市民委員会の賛同団体34団体の名簿は、2012年9月25日に提出した「利根川水系河川整備計画の策定に関する要請(1)(計画策定の基本的な事項について)」の末尾をご覧ください。
利根川水系河川整備計画の策定に関する要請(7)
(関東地方整備局の常軌を逸した方針変更を看過してよいのでしょうか)
利根川・江戸川有識者会議は10月16日に開催された後、中止が続き、今回ようやく再開されました。聞くところによれば、10月下旬から1月まで利根川・江戸川有識者会議は9回連続の中止であったとのことですが、このように非常識な会議運営が罷り通ってよいのでしょうか。
さらに、10月16日までの会議で治水目標流量17,000㎥/秒とその洪水流出モデルの是非について白熱した議論が行われ、その決着が付いていないにもかかわらず、関東地方整備局は今年1月29日になってその議論を無視して、治水目標流量の局案を前提とした利根川・江戸川河川整備計画原案を発表しました。そして、2月1日に「今後の予定」として、本有識者会議と流域住民の意見を聴取したあとの段取りを発表し、利根川・江戸川河川整備計画の策定まで一気にもっていく考えを示しました。
今までの経緯は踏まえずに自らの都合だけで物事を進める関東地方整備局の身勝手さにはあきれるばかりです。しかし、今回のことだけではありません。利根川水系河川整備計画の策定作業が始まってから、関東地方整備局の方針はころころ変わってきており、責任のある行政の組織であるとは到底思われません。
関東地方整備局がどのように方針を変えてきたのか、まず、策定作業の経過を振り返り、次に方針変更の内容を示すことにします。
委員の皆様が、この方針変更の問題を取り上げて、関東地方整備局に対し、明確な説明とその是正を求めることを要請します。
1 利根川水系河川整備計画の策定作業の経過
(1)2006年11月~2008年5月
ア 有識者会議
利根川水系全体の河川整備計画の策定を進めるため、利根川水系を五つのブロックに分け、それぞれに有識者会議を設置して会議を開催。
(利根川・江戸川有識者会議、渡良瀬川有識者会議、霞ケ浦有識者会議、鬼怒川・小貝川有識者会議、中川・綾瀬川有識者会議)
第1回 2006年11~12月 個別に開催(整備計画の基本的な考え方の説明と質疑)
第2回 2006年12月 個別に開催(第1回の意見への回答と質疑、今後の意見聴取)
第3回 2007年2月26日 合同会議(パブコメ、公聴会、市区町村長の意見の紹介)
第4回 2008年5月23日 合同会議 (出された意見に対する関東地方整備局の見解)
イ 利根川水系全体の河川整備計画案のメニューを提示(第1回有識者会議)
治水安全度1/50 治水目標流量 約15,000㎥/秒(八斗島)を前提としたメニュー
ウ 関係住民の意見聴取(河川整備計画案のメニューについて)
① 公聴会 水系全体1会場、ブロック別18会場(2007年2月22日~3月9日)
公述人119人
② パブリックコメント 応募数 313件(2007年1月10日~2月9日)
エ 河川整備計画の案をとりまとめるまでの進め方
関東地方整備局の説明(高橋河川計画課長)
「河川整備計画の原案作成前の段階で公聴会とパブリックコメントを行い、そのあと、出された意見に基づいて整備計画原案を作成して、再度、関係住民等から意見を聴いて原案を修正し、その修正原案について、再度意見をきき、そういったことを何回か実施して河川整備計画案を取りまとめる」(2006年12月18日 第2回利根川・江戸川有識者会議の議事録から)
オ 2008年5月23日「第4回有識者会議」の後の進め方
関東地方整備局の説明(柏木河川部長)
「きょうの御議論を踏まえまして、次回にはまた御議論いただくもとになります整備計画のたたき台をお示しをいたしまして、また、それを説明します基礎的な状況というのもできる限りわかりやすくお示しをして、また皆様の御意見を賜ればというふうに考えております。できるだけ早い時期に整備計画もまとめていきたい、こういうふうに考えてございます」(2008年5月23日 第4回有識者会議の議事録)
しかし、その後、2012年度になるまで約4年間、策定作業は中断された。
(2)2012年5月~
ア 治水安全度1/70~1/80、治水目標流量17,000㎥/秒(八斗島地点)についての
パブリックコメント(5月25日~6月23日) 応募数 93件
イ 利根川・江戸川有識者会議の開催
第5回 9月24日
第6回 10月4日
第7回 10月16日
治水目標流量の局案17,000㎥/秒と洪水流出モデルが妥当か否かについて議論。
10月下旬~2013年1月
予定されていた会議はすべて中止
ウ 利根川・江戸川河川整備計画原案の発表(2013年1月29日)
関東地方整備局が治水目標流量の局案17,000㎥/秒を前提とした利根川・江戸川河川整備計画原案を発表(本川のみの計画原案)。
エ 利根川・江戸川河川整備計画原案のパブリックコメントと公聴会の実施の発表(2月1日)
① パブリックコメント 2月1日~3月2日
② 公聴会(4会場) 2月24日、25日、26日
2 関東地方整備局の不可解な方針変更
以上の経過を振り返ってみると、関東地方整備局が基本的なことについて前言を翻して、方針を大きく変えてきています。特に問題とすべき不可解な方針変更は次の5点です。
(1)利根川水系全体ではなく、なぜ利根川・江戸川の本川のみの整備計画を策定しようとしているのか。
関東地方整備局は2006年11月からは利根川水系全体の河川整備計画を策定する作業を進めていましたが、2012年度からは利根川・江戸川の本川のみの河川整備計画を策定しようとしています。
利根川水系には大きな支川がいくつもあって支川と本川は相互に関係しており、本川だけの整備計画を先行して策定することは科学的にも不合理です。
利根川の河川整備計画は本川、支川を含めて水系全体で策定しなければならないことは第4回有機者会議での福岡捷二委員の次の発言からも明らかです。
【福岡委員の発言】「本川と支川の関係で、利根川の本川の安全度を50分の1に確保するために、支川にいろいろな施設がつくられます。それは支川の安全度も上げると同時に、本川の安全度を確保するためにもやるんだということです。今後、それぞれのブロックに分かれて整備計画を議論することになりますので、各ブロックでの議論は、利根川流域全体の議論に密接に関係してきます。特に、利根川・江戸川ブロックの議論との関わりが重要になります。そのため利根川・江戸川ブロックでの議論を各ブロックにしっかりとお伝えをして、やはり各ブロックは自分の河川流域の安全度と、利根川・江戸川の安全度の両方に関係しているという流域全体を見る視点が持てるようにすることも重要です。それぞれのブロックの議論の中では利根川・江戸川ブロックの内容が伝わるように、またその逆も当然必要です。」(2008年5月23日 第4回有識者会議の議事録)
この発言のように五つのブロックの有識者会議がそれぞれ議論を進め、その内容を相互に伝え合って、水系全体の河川整備計画を策定していくことはごく当然のことなのです。
2012年9月下旬から、本川を扱う利根川・江戸川有識者会議のみが再開されましたが、支川を扱う他の有識者会議をどうするのか、関東地方整備局からは何の説明もありません。
関東地方整備局はなぜ本川だけの整備計画を策定しようとしているのでしょうか。
(2)本川の治水安全度1/50をなぜ1/70~1/80に引き上げたのか。
2006年11月からの策定作業で示された河川整備計画のメニューでは利根川本川の治水安全度は1/50でした。この1/50を前提としたメニューに対して有機者会議で議論がされ、パブリックコメントと公聴会による意見聴取が行われました。
ところが、2012年度からの策定作業では利根川本川の治水安全度は1/70~1/80に引き上げられていました。それに伴って、治水目標流量(八斗島)は15,000㎥/秒程度から17,000㎥/秒へと、約2,000㎥/秒も大きくなりました。
本有識者会議で、治水安全度引き上げの理由を示してほしいという委員からの質問があり、それに対して、関東地方整備局が10月4日の第6回会議で出した資料は次のものでした。
八ッ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場(第1回幹事会2010年10月1日)
「○埼玉県県土整備部長代理
同じく埼玉県の高沢でございます。
利根川は、過去にカスリーン台風の洪水でも本県を含めまして重大な被害をもたらしております。また、現在でも一旦決壊をすれば、首都圏に大きな被害が生じると思っております。また、本県につきましては、本県の東側の地域でございますが、利根川よりも低いところに人と資産が集中しております。このため、利根川の治水安全度は埼玉県にとりましても非常に大切でございますので、このようなことから適切な治水安全度を設定するように検討していただきたいということでございます。よろしくお願いいたします。」
しかし、この議事録では、埼玉県は適切な治水安全度の設定をと述べているだけであって、引き上げるべきだという趣旨のことは一言も言っていません。
このことは、治水安全度Ⅰ/50から1/70~1/80への引き上げは、関東地方整備局の思惑だけで行われたものであることを明白に示しています。
2007~08年に有識者会議で議論し、パブリックコメントと公聴会まで行った、治水安全度1/50という計画案の前提を関東地方整備局はなぜ変えたのでしょうか。
(3) 2006年12月18日の有識者会議で関東地方整備局が約束したことはどうなったのか?
2006年12月18日の第2回利根川・江戸川有識者会議で関東地方整備局は「意見をきいて原案を修正し、その修正原案について、再度意見をきき、そういったことを何回か実施して河川整備計画案を取りまとめる」と言明しました。
公の場で関東地方整備局の責任者が言明したのですから、そのことは当然のことながら実行されなければなりません。しかし、今年2月1日に発表された「今後の予定」をみると、「パブリックコメント、公聴会で出された意見に基づいて河川整備計画原案を修正し、その修正原案について再度意見を聞いて修正する」ようなことは全く書かれていません。
パブリックコメント、公聴会とも1回限りで終わりのように受け取れます。
しかし、公の場で言明したことをいとも簡単に覆してよいのでしょうか。関東地方整備局は公の場で言明したことについて何も責任をとらないということが許されるのでしょうか。
(4)関東地方整備局は2006年5月の後、整備計画の策定作業をなぜ中断したのか。
関東地方整備局は2008年5月23日第4回有識者会議(各ブロック合同会議)の終わりで、「次回には整備計画のたたき台を示して、皆様の意見をお聞きたい。できるだけ早い時期に整備計画もまとめていきたい」と言明した。ところが、その後、整備計画の策定作業は中断され、有識者会議が開かれたのは、2012年9月からの利根川・江戸川有識者会議のみで、その他の4ブロックの有識者会議は未だに開かれていません。
国交省はその後の政権交代による河川行政の方針変更を整備計画策定作業の中断の理由に挙げているようですが、政権交代は2009年9月のことであり、一方、上記の第4回有識者会議は2008年5月です。この1年数カ月の間、関東地方整備局は何をしていたのでしょうか。2008年5月の後、有識者会議が開催されなかったのは関東地方整備局の思惑によるものであって、政権交代が理由であるはずがありません。
2008年5月23日の第4回有識者会議で「次回は整備計画のたたき台をしめす」と言明したことを関東地方整備局はなぜ守らずに、整備計画の策定作業を中断したのでしょうか。
(5)関東地方整備局は2012年10月下旬以降、なぜ利根川・江戸川有識者会議の開催を中止し続け、さらに、その議論を無視して利根川・江戸川河川整備計画原案を発表したのか。
そして、冒頭で述べたように、関東地方整備局は利根川・江戸川有識者会議を昨年10月16日に開催した後、今年の1月まで9回連続で中止してきました。さらに、10月16日までの会議で治水目標流量17,000㎥/秒の是非について議論が進められてきたにもかかわらず、関東地方整備局はその議論を放り出し、今年1月29日に治水目標流量17,000㎥/秒を前提とした利根川・江戸川河川整備計画原案を発表しました。
関東地方整備局はなぜ利根川・江戸川有識者会議の開催を中止し続け、その議論を無視した利根川・江戸川河川整備計画原案を発表したのでしょうか。
以上のとおり、利根川の河川整備計画の策定において関東地方整備局の身勝手な方針変更は常軌を逸しているといわざるを得ません。
利根川・江戸川有識者会議の委員の皆様におかれましては、上記5点の不可解な方針変更の問題を取り上げて、関東地方整備局に対し、明確な説明とその是正を求めてくださることを要請します。
以上
追記 利根川流域市民委員会の賛同団体34団体の名簿は、2012年9月25日に提出した「利根川水系河川整備計画の策定に関する要請(1)(計画策定の基本的な事項について)」の末尾をご覧ください。
2013年02月15日
ダム建設予定コース疾走に、怒りの記者会見
定刻15時にピッタリと終了させた、いつもながらの名座長さんの手腕に、?「抗議」して、ぶらさがり会見の後、大熊孝・新潟大教授と、関良基・拓殖大准教授のお二人が、別室で記者会見を行いました。
その席で、整備計画策定の進め方と、運営方法への意見を、太田国交相と森北佳昭・同整備局長あてに公開質問書を提出。
長いけれど末尾に、全文を転載させて戴きます。
【新聞一覧】
【2013年02月15日(金) 朝日新聞群馬版】
http://www.asahi.com/area/gunma/articles/MTW20130215100580001.html
八ツ場ダム 委員反発・議論深まらず
(写真)約4カ月ぶりに開催された有識者会議では、国交省が公表した河川整備計画原案を協議した=東京都新宿区
【2013年02月15日(金) 東京新聞群馬版】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20130215/CK2013021502000155.html
八ッ場ダム 目標流量めぐり激論 国姿勢問う質問書も
(写真)利根川と江戸川の河川整備計画案公表後、初めて開催された有識者会議=東京都新宿区で
【2013年02月15日(金) 毎日新聞群馬版】
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20130215ddlk10010197000c.html
八ッ場ダム建設:治水対策の根拠巡り委員ら異論−−有識者会議
【2013年02月15日(金) 読売新聞群馬版】
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20130214-OYT8T01731.htm
「河川整備」原案概要説明…八ッ場有識者会議
2012年2月14日
国土交通大臣
太田 昭宏 様
国土交通省関東地方整備局長
森北 佳昭 様
利根川・江戸川有識者会議委員
新潟大学名誉教授 大熊 孝
拓殖大学准教授 関 良基
利根川河川整備計画の策定の進め方及び
利根川・江戸川有識者会議の運営に関する公開質問書国土交通省関東地方整備局による利根川河川整備計画の策定の進め方及び利根川・江戸川有識者会議の運営はあまりにも不誠実ですので、ここに抗議を込めて公開質問書を提出します。真摯にお答えくださるよう、お願いいたします。
1 利根川・江戸川有識者会議を9回連続で中止した理由を明らかにしてください。
利根川・江戸川有識者会議は昨年9月25日(火)、10月4日(木)、16日(月)と、急ピッチで開催されました。その後も10日に1回という学識経験者の会議としては通常ありえないハイペースで、会議が予定されてきました。ところが、それらがことごとくキャンセルとなり、9回連続の中止となりました。
10月25日(木) 中止
11月 6日(火) 中止
11月15日(木) 中止
11月29日(木) 中止
12月10日(月) 中止
12月19日(水) 中止
12月27日(木) 中止
1月21日 (月) 中止
1月28日 (月) 中止
私たちは、有識者会議委員としての責務を果たすため、時には予定していた講義や会議など様々な予定を延期または中止にしたり、あるいは他の方に代行をお願いしたりして有識者会議への出席を最優先するように努めてきました。
本有機者会議の他の委員の方々も多くはそのように努めてこられたと思います。
ところが、予定日の数日前に関東地方整備局から一方的に中止の連絡が9回連続で入りました。連絡が入った時点では、本来予定していた他のスケジュールを復活させることはできず、私たちは昨年10月下旬以降、関東地方整備局のまことに身勝手な日程設定に振り回されてきました。
しかし、相次ぐ会議の中止について関東地方整備局から何の理由説明も釈明もありません。
利根川・江戸川有識者会議を9回連続で中止した理由を具体的に説明してください。
2 治水目標流量の議論を一方的に打ち切った理由を説明してください。
9月下旬から10月中旬までの3回の会議におけるテーマは治水目標流量であり、局案17,000㎥/秒を算出した洪水流出計算モデルの是非について議論が行われました。この議論はまだ最中にあって決着が付いておらず、10月16日の会議のあと、書面で意見を出すことが求められ、私たちは治水目標流量に関する意見をまとめて提出しました。その後の会議ではこの書面意見を基にして治水目標流量について更なる議論が展開されるものと、私たちは理解していました。
ところが、そのあとの会議は上述のように中止に次ぐ中止となりました。このように、治水目標流量の議論が真っ只中にあったにもかかわらず、今年1月29日に関東地方整備局は17,000㎥/秒と前提とした利根川・江戸川河川整備計画原案を公表しました。17,000㎥/秒の是非についての議論を一方的に打ち切ってしまったのです。
これは、利根川・江戸川有識者会議の存在をあまりにも軽視したやり方ではないでしょうか。私たちは関東地方整備局の今回のやり方に怒りを禁じ得ません。
治水目標流量についての議論が行われている最中にあり、続いて議論される予定であったにもかかわらず、一方的に議論を打ち切った理由を具体的に説明してください。
3 治水目標流量を算出した洪水流出モデルへの基本的な疑問に真摯に答えてください。
9月下旬から10月中旬までの3回の会議及びその後提出した書面意見で、私たちは、治水目標流量の局案17,000㎥/秒を計算した洪水流出モデルは科学性が乏しく、きわめて過大な流量を算出するものであることを指摘しました。
私たちの意見に対して、関東地方整備局は今回の資料「『利根川・江戸川河川整備計画』における『治水対策に係る目標流量』について関係する住民や学識経験を有する者、関係都県よりいただいたご意見から得られた論点及びそれに対する河川管理者の見解」で答えた形を取っていますが、その内容を見ると、関東地方整備局の従来の説明をオウム返しに述べているだけであって、回答という名に値するものではありません。
私たちが指摘した問題のポイント3点を記しますので、それぞれの問題点について関東地方整備局の見解を具体的かつ明確に示してください。
① カスリーン台風洪水の捏造氾濫図
治水目標流量の局案17,000㎥/秒を算出した洪水流出モデル(貯留関数法)は、カスリーン台風洪水の再来計算で八斗島地点における最大洪水流量を21,100㎥/秒と算出したモデルです。同洪水の実績流量は15,000~17,000㎥/秒と推定されており、この流出モデルは実績とかけ離れて大きな値を算出するモデルです。
国交省は、21,100㎥/秒と実績流量との差についてカスリーン台風当時、八斗島地点より上流で氾濫があったから低減したものであるとして、その氾濫区域図を示しました。しかし、それは氾濫するはずがない丘陵や台地の上まで洪水が押し寄せたり、玉村町を玉度町と誤記するなど現地調査を無視したもので、捏造氾濫図というべきものでした。実際の氾濫量は小さなものですから、21,100㎥/秒がきわめて過大な計算値であることは明白であり、同じモデルで求めた治水目標流量17,000㎥/秒も同様に過大な計算値ですから、治水目標流量を大幅に引き下げることが必要です。
② 総合確率法の科学的根拠の希薄さ
国交省は一方で、総合確率法により、1/70~1/80の洪水流量は17,000㎥/秒に相当するとしていますが、この総合確率法は科学的であるとはだれも説明できない、科学的根拠が危うい方法です。総合確率法を利根川に適用してよいのか否かに関しては、第6回の本会議において、小池俊雄委員も自信が持てず、「気象庁気象研究所の藤部先生に聞いたところ、『断定はできないがそういう考え方をしても良い』というご発言だったので、それを採用した」とのことでした。正しいのかどうか専門家ですら分からないような方法によって、あたかも科学性があるかのような幻想を振りまくのは許されません。
③ 東大型洪水流出モデルの虚構
国交省が示す基本高水の是非については日本学術会議で検証が行われたことになっていますが、その検証は基本高水流量の数字を変えないという結論が先にあるもので、科学的な検証とは程遠いものでした。学術会議が国交省の洪水流出モデルを妥当とした理由は、東大型、京大型の分布型洪水流出モデルでも同様な値が得られたということでした。しかし、東大型、京大型とも、その計算結果は現実の洪水の実績流量とは少なからず違っていて再現性が低いモデルであり、定性的にも流域の湿潤状態と洪水流出量との関係に国交省の洪水流出モデルと齟齬があり、国交省の洪水流出モデルを裏付ける根拠には到底なりえません。
4 利根川・江戸川河川整備計画原案と今後の進め方の基本的な問題点についてお答えください。
今回、関東地方整備局は上述のとおり、今までの経緯を無視して、利根川・江戸川河川整備計画原案と今後の予定を一方的に発表しました。しかし、この原案及び今後の進め方には基本的な問題がありますので、以下、質問します。
① 利根川水系全体の河川整備計画をなぜ策定しないのか、その理由を明らかにしてください。
今回の原案は利根川・江戸川の本川のみを対象としています。しかし、利根川水系には渡良瀬川、鬼怒川、霞ケ浦など、大きな支川がいくつもあり、それらの支川も含めて、水系全体の河川整備計画を策定しなければなりません。支川と本川は相互に関係しており、特に支川の状況が本川に影響するので、両者を切り離して、本川だけの整備計画を先行して策定することは、科学的見地から見て、あってはならないことです。
全国の一級河川の直轄区間は72水系で河川整備計画が策定されてきていますが、今回の利根川の原案のように、本川の河川整備計画を先行して策定した水系は皆無です。石狩川以外は水系全体の河川整備計画を策定しています。唯一の例外である石狩川では支川の河川整備計画を先に策定し、それを受けて本川の河川整備計画を策定しています。支川の状況が本川に影響することを考えれば、当然の順序です。利根川においても、本川を先行して策定することをやめて、他の一級水系と同様に、支川も含めて水系全体の河川整備計画を策定する必要があります。
2006年11月~2008年5月に行われた利根川水系河川整備計画の策定作業では、利根川水系を利根川・江戸川、鬼怒川・小貝川、霞ケ浦、渡良瀬川、中川・綾瀬川の五つのブロックに分け、それぞれに有識者会議を設置し、本川・支川を含めた水系全体の整備計画が策定されようとしていました。
関東地方整備局は今回、利根川水系全体の河川整備計画をなぜ策定しようとしないのでしょうか。なぜ、本川だけの整備計画を先行策定しようとするのでしょうか。
その理由を具体的に説明してください。
② 今回の原案に書かれている各事業の実施に必要な費用を示して、実現の見通しを明らかにしてください。
平成21年度国土交通白書には、過去につくった社会資本の維持管理・更新費が今後は次第に増加して現在から24年後の2037年度には社会資本投資可能額に達してしまうことが記されている。つまり、新規事業はおろか維持管理・更新の費用さえ不足する事態になってしまうのです。公共事業がおかれているこの現実を踏まえれば、利根川・江戸川河川整備計画原案のように、毎年、巨額の河川予算をダム建設や河川改修等のため、利根川に注ぎ込み続けることは到底不可能です。
今回の利根川・江戸川河川整備計画原案にはダム事業だけでなく、首都圏氾濫区域堤防強化対策事業や大規模な河川改修、スーパー堤防など、巨額の費用が必要な事業が数多く含まれており、実現性が危ぶまれます。絵に描いた餅のような原案を示すのではなく、原案に書かれている各事業の実施に必要な費用を示して、その実現の見通しを明らかにしてください。
③ 関東地方整備局は、第2回利根川・江戸川有識者会議で、利根川水系河川整備計画の策定に関して言明したことをどのようにして守っていくのかを明らかにしてください。
第2回利根川・江戸川有識者会議(2006年12月18日)で、関東地方整備局は下記の議事録のとおり「整備計画原案を示し、有識者会議、関係住民等の意見をきいて整備計画修正案をつくり、再度意見をきき、それを何回か実施して計画案をつくる」と言明し、河川整備計画の策定を丁寧に進めることを約束しました。
ところが、今回示された「今後の予定」を見ると、有識者会議及び関係住民の意見を聞いて計画修正案をつくり、それを何回か実施して計画案をつくるとは書かれていません。第2回利根川・江戸川有識者会議で言明したことはどうなったのでしょうか。今後の利根川河川整備計画の策定においてこの約束をどのようにして守っていくのかを明らかにしてください。
第2回利根川・江戸川有識者会議(2006年12月18日)の議事録(4~5ページ)
「事務局:髙橋伸輔河川計画課長
全体の公聴会をした後に、ブロック別に今度、各都県一、二カ所程度、全体としては20カ所程度になろうかと思いますが、公聴会を開かせていただきまして、その中でもいろいろな川づくりに対する思いですとか、そういった部分を意見を伺わせていただければと思っております。・・・・
それから、河川整備計画の原案をそういった意見を踏まえてつくらせていただこうと思っておりまして、また、その河川整備計画の原案につきましては、全体の意見を取りまとめて整理させていただいた上で、その後の有識者会議になろうかと思いますが、そこの段階でお示しさせていただければと思っております。その段階におきまして、また関係住民の方々にもインターネット等での意見募集、それから公聴会、そういったものを開かせていただいて、再度意見をいただいて、また、その整備計画の原案を修正させていただく。で、また修正したものにつきましても、再度ご提示させていただいて、また学識の先生方、それから関係住民の方々からご意見をいただくと、そういったことを何回か実施させていただきまして河川整備の案を取りまとめていきたいと思っております。 」
以上
連絡先 大熊 孝
関 良基
2013年02月15日
9回もキャンセル、4ケ月目に開催「利根川・江戸川有識者会議」
【写真左手より、大熊さん、岡本さん、宮村座長、小池さん】
昨日、14日13時~、なんと9回もの日程キャンセルを重ねて、4カ月ぶりの「第8回利根川・江戸川有識者会議」が、都内・日本青年館でありました。
大学の授業との兼ね合い、しかも遠方なので、大変迷惑し、長年各種委員をしてきたけれど、こんなことは初めてだと大熊孝・新潟大教授は語り、関良基・拓殖大准教授も今は規定がうるさくなり、簡単に休講にもできず、何度も休むと欠勤扱いとのことを語ってました。
ためにか、21名の委員中、この日の出席者は、座長の宮村忠・関東学院大学教授以下、11名。約半数でした。
しかも、去る1月29には、有識者たちに諮らずに、勝手に「利根川・江戸川河川整備計画(原案)」を公表し、パプコメを求めてしまっているのですから、怒るのも無理からぬことです。
御用学者たちばかりのこれまでや他の審議会などでは、それでまかり通ってきたのでしょうが、ダム懐疑派の論客二人が入ったからには、それでは通りません。
でも、反対派は3人。懐疑派がい1名程度で、圧倒的にご用学者ばかりなのですから、決をとられれば負けの、風前の灯的な状態なのです。
この日も、「なぜ、10月 日以来、日程を打診し、〇〇日はあけるように依頼をしてきておいて、数日前にキャンセルとなったのか、その理由を」大熊さんが、質問しても無視してか、いつものワンパターンの儀式にて、読めばわかる資料の“朗読のお時間”に突入。
傍聴の市民運動側が、「質問に応えてないぞ!!」と、「時間稼ぎか」と怒号。
たまりかねて、大熊さんが、ご朗読中に遮って挙手して、「ここ、3時まででしょ。議論の時間を多くとってください」と発言。
本当に、一回2時間程度の時間で、本質的な討論ができるのでしょうか?
要するに、誰も逆らわない形式的な会議を「やった」という形式が必要なだけなんだということがミエミエなんです。
しかも、朗読の中味は、あのデッチあげといわれている、17000㎥/秒を前提とした、シナリオ通りの本論に入ったので、市民側から、「そんな原案なんか、まだ認めてないぞ!!」と罵声。さらに、また挙手した大熊さんも「こそのことを今日、討議するはず」との抗議がありました。
なお、連続して傍聴の市民たちは我慢しかねて、抗議の声。するとすかさず、「傍聴の方はお静かにしてください。議事が進行できない状態にあります。聴いていただけないなら、退出していただきます」との勧告が……
この応酬が続き、何度か、係員が声をはなった人のところにたって、注意の威嚇。
本当に退席させたら、面白かったのにね。マスコミはズラリといるのだから。でも、記事の不可解さもヤジも、報道関係者のの辞書では、本筋ではないそれを書くマスコミはなし。仮に記者が書いてもデスクが没。それが現在の商業新聞の実態。
そのためか、少しはっしょたような感じもありましたけれど……
ようやく、13時40分頃に、本来の会議の討議に入ったのでした。
先のお二人の有識者が、「17000㎥/秒」の根拠を、日本学術会議の当時の委員長で、“功労者”としてめでたく有識者のお一人として入られた、小池俊雄・東京大学大学院教授に問い、続いて関さんも、専門用語にて一般人には判らない、恐らく居並ぶ、専門外の有識者たちにも判らないであろう、いかにも最もらしくきこえるけれど、専門の学者にも疑問点いっぱいだという、小池さんの説明に噛み付いてました。
ここに、野呂法夫・東京新聞特別報道部次長さんが、1/10付「こちら特報部」の記事、 「八ッ場ダムの根拠<洪水量>会議資料」を提示。
見出しには「過大値 異論置き去り」「<治水に必要>都合よく」の見出しがあり、約40年前、建設省08から「利根川改修計画資料」を寄託され、分析作業をしてきたという岡本芳美・元新潟大教授の写真と「八斗島の最大流量が決められた会議の経緯には不明確な部分がある」とのコメントもあります。
そして、「この資料を情報公開してほしい」と発言。
これに対して、国交省は「確かにある。開示については検討したい」の答弁でした。
今回も最後まで、ダム反対の有識者への意見は、「聴きおくだけ」のひどいものでした。それに対して、小池さんの弁明の不足箇所には、国交省側は「小池委員の説明の不足部分を荻縄させて戴きます」のご親切さ。
なんと、ぴったり15時一分前に終了。すると、大熊さんの右となりの、この日も一度も発言しなかった浅枝隆・埼玉大学大学院教授がニヤリと。どういう意味なんでしょうか、このニヤリと薄笑いは。
ところで、この時、関さんは手を挙げていたのでした。が、この日も、再三、「座長の資格なし」のヤジをとばされていた宮村座長は無視し、「定刻、3時ですので」と。
で、関さんは堂々と、大熊さんと二人で終了後、別室での「抗議の記者会見」設営のことを場内にむかって告げたのでした。
【本日の総括】
一、 異例の9回ものキャンセルの背景には何があったのか、結局は説明しませんでしたが、語れない事情があることは明白です。
しかも、有識者会議に諮らないままに原案を公表。
→従って、認めないものの公募に応じる必要はなかったのでしたが、文句をいえる場として、当方は、「意見公募の以前の問題点」を列挙して提出しました。
ニ、 抗議による? 説明時間の短縮によって、1時間20分の本ものの「討議」が行えたのは、これまた異例だったのではないでしょうか?
2/1の都県会議のように、たった30分のセレモニー的会議にて、説明に約20分ほどかかり、問題の討議は、一自治体 一発言の流儀にて、「原案に賛成。早くダム本体工事を」のワンパターンで終了したことを思えば……
昨年末の承認お墨付き機関の「評価委員会」なんて、本当にひどかった。あの時は、逆上し孤軍奮闘した。以来、それをマスコミ筋のお育ちの良い気弱な記者さんからは、「あそこまでは言えないものですよ」と、ひどく怖いオバさんと思われてしまっていまっているけれど……
三、ただし、会議に要する経費は私たちの税金。
それを忘れるな!! と言いたい。 電車賃を工面しては鈍行に飛び乗る身には、ああと思うほどおびただしい会議費が浪費されているわけだ。
2013年02月14日
17日 映画「流 ながれ」上映会
少し、切口を変えた取組みですが、映像の効果に期待して、写真チラシのような映画会を開催します。
八ッ場周辺の方たちに、ご覧いただきたいので中之条町にての上映会に致しました。
宮ケ瀬ダムによって、河川の生態系が崩れた環境の変化を、中津川のカワラノギクと水中生物とを通して、丹念に追った、「流 ながれ」の上映会です。ダム問題については、声高に語ることなく、極めて物静かな映画です。物言わぬ小生物たちの生体を通して、語りかけ迫るといった手法なのでしょうか?
日時: 2月17日(日) 14時~16時半
場所: 中之条町文化会館 ℡ 0279 75 5174
入場料: 300円
当会会員の映画好きなKさんが、試写会を見て、昨年来、とっても熱心に動き、実現の運びとなりました。
実行委は、八ツ場現地の若手世代が担ってくれています。
当日は、監督の村上浩康さん、撮影の能勢広さんもかけつけてくだされ、トークショウを行います。
村上監督さんは、かつて、群馬県の仕事で八ツ場の史跡等を撮影したこともある方だそうですが、お二人に八ッ場現地をご案内させて戴く予定です。
ドキュメンタリー映画『流 - ながれ -公式サイト 』
http://www.nagale.info/
映画『流 ながれ』予告編 - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=TUuxQHTK2o4
※17日の上映会のことが載っています。
ドキュメンタリー映画『流 - ながれ -』 | Facebook
https://www.facebook.com/nagalemovie
さらに、能勢さんは、
「相模原市の放射能汚染対策を求める有志の会」代表でもあるようです。
能勢 広(ひろし)さん
http://www.townnews.co.jp/0302/2011/07/28/112757.html
2013年02月04日
形式だけのパプコメ、群馬県は県民に熟知させるんですってさ
写真右手前は席上、自己紹介にたつ、群馬県県土整備部長。
一都五県の最後に意見を述べた、群馬県の県土整備部長さんは、「県民にも知らせたい」旨の発言をしていました。
前のパプコメの時には、となりの埼玉県では、同一文書を宅急便で、確か5000通くらいだったでしょうか、送ったことがありましたけれど、わが群馬県では、どんな手法をとるのでしょうか。
県民の一人として、注目したいです。
2013年02月02日
2/1~「聴きおくだけ」の意見募集・パプコメやるんですってさ
挨拶する、泊河川部長。
昨日の1日、さいたま新都心の合同庁舎で、「第3回利根川・江戸川河川整備計画関係都県会議」がありました。
10時半~11時02分まで、たった32分間のセレモニーでした。
冒頭あいさつ。国側の資料説明。その後、各都県部長クラスのお決まり後の一言。次には「ご意見もないようですので、これで閉会いたします」のお決まりコース。
出席者は少なかったです。あらかじめ判っているお決まりセレモニーですから、地元群馬からのマスコミは、顔みしりの方と会見の際、社名をなのった地元紙の方らしき方とのたぶんお二人のみ。ある県などは代理が出席。
当方とて判ってはいたけれど、ムリして行ってみました。
(目の前でしまってしまった電車のために、30分も足踏み状態で、開会に2分程遅れてしまって、ともかくかろうじてセーフの冒頭写真を撮るのが先決でしたし、周囲を見回すほとの余裕もないままに閉会でしたので、定かではありませんでしたけれど)。
さて、この日、またも次のことが打ち出されました。
原案とはありますけれど、一端提示したら、何だかんだと屁理屈つけて、変わることはありません。ために、「3か月もかかって遅すぎる」のご叱責の意見が出てましたから。
パブリックコメント、公聴会への応募方法、書式等について。
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000073039.pdf
①河川整備計画(原案)に対する意見募集について
期間:2013年2月1日~3月2日18時必着(郵送は消印有効)
①河川整備計画(原案)に対する公聴会について
公述対象者:一都5県在住者
公述人の募集期間:2013年2月1日~2月12日18時必着(郵送は消印有効)
開催日:2月24日(日)~26日(火)10時~17時