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Posted by 株式会社 群馬webコミュニケーション at

2009年06月26日

司法の判断とやらも又、なれ合いの政治色を帯びた犯罪的行為なり

 敗訴でした。
 予期してきたこととはいえ、たった30秒の判決に、身内から怒りが反射的にこみ上げてしまったのでしょうか。
 あろうことか、原告席から立ち上がった途端に、消えて行く松丸裁判長の背に向かって思わず、「時代が変わったら、アンタなんか(物笑いになるんだからね)」の言葉が口をつき、怒りの指さしを立ててしまってました。しかも、天下の裁判長サマを「アンタ」呼ばりとは。
 jまさに、あろうことか、この私がですよ。

 ダムは知れば知るほど、極めて政治的な“国家の犯罪”であった。
 そして10年後、今日の判決は司法も然りと思わせた。
 何よりも、「お上に逆らっても勝ちっこねぇ」との説に更なる定位置を与え、半世紀にわたって、作られた民意に踊らせられてきた水没地の方たちに、さらに深い嘆きの諦観を与えてしまうことが切ない。
 司法の改革が求められる。
 でも、めげたら負け。へこたれずに歩を進める。直ちに高裁にもっていくという。

 主文のみを。
1 被告群馬県企業管理者が国土交通大臣に対し八ッ場ダム使用権設定申請を取り下げる権利の行使を怠る事実が違法であることを確認することを求める訴えを却下する。
2 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は原告らの負担とする。
        事実及び理由の要旨
         ---省略ーーー

 
 

 

  


Posted by やんばちゃん at 21:28Comments(1)報告

2009年06月24日

町おこしはダムよりも、遺跡の方がよっぽど良い!

 全国の皆様に再三、お伝えして参りましたが、水没地河原畑では、天明三年の浅間山噴火の泥流に覆われた発掘作業がすすんでいます。そして、嬬恋村の鎌原遺跡をしのぐほどの遺跡が、当時の馬糞の匂いも新たに出現したのです。
で、思わず私は「日本のポンペイといわれる嬬恋村と並んでの“遺跡デビュー”を果たし、“ダムに打ち勝ったムラの威力”を世に知らしめた方が、よりベター」と、発掘当初の2年前ほどからひそかに関係機関に言い続けて参りました。

 ここ数日、八ッ場ダム関連の報道が各紙に目白押しですが、本日の朝日新聞群馬版トップにはその東宮遺跡のことが大きく報じられています。
 また、四日前の20日、同じく朝日新聞の人物欄「上州 ひと 交差点」では、現地で発掘にあたってきた地元の主任調査研究員の篠原さんが取り上げられていました。現場では陣頭指揮に当たられ、県埋蔵文化財調査事業団の説明会では講師を務められてます。体験に基づく、立体的でとても分かり易い説明です。
 篠原さんのご両親も、その父親の代からダムに深くかかわられてきたご夫婦です。で、お会いするたびに「息子さん、歴史に残る良い仕事に巡り合えましたねぇ」とお伝えして参りました。

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【2009年6月24日(水) 朝日新聞群馬版】http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000000906240003
八ツ場ダム予定地 江戸時代の屋敷跡次々

八ッ場ダム予定地 東宮遺跡
 伝承を裏付け
①【写真キャプション】 東宮遺跡を西側に望む=長野原町川原畑、県埋蔵文化財調査事業団提供
②【写真キャプション】 東宮遺跡の屋敷跡にあった囲炉裏と上がりはな
③【写真キャプション】 東宮遺跡の屋敷跡から出土したおけ。肥だめとみられるという=長野原町川原湯、いずれも県埋蔵文化財調査事業団提供

 国営八ツ場ダムの水没予定地ではかつて、豊かな農村生活が営まれていた。長野原町川原畑の東宮(ひがし・みや)遺跡で、1783(天明3)年の浅間山の噴火によって引き起こされた泥流にのまれた集落跡が、前例のない規模で発掘されている。研究者は「貧しいとされる当時の山里の暮らしぶりの定説を覆すような発見」と驚いている。(菅野雄介)

 県埋蔵文化財調査事業団によると、東宮遺跡は07年10月から本格的な調査を始めた。吾妻川の河岸段丘上の地表面から1メートル以上掘り下げると、14棟の建物跡が姿を現した。
 特に研究者らの注目を集めたのが、東西20・2メートル、南北11・8メートルの大きな屋敷跡だった。近くをわき水が流れて泥に埋まった状態が保たれていたため、屋敷の半分以上の建築材やおけ、風呂が腐らず残っていた。当時の繭もみつかった。屋敷跡は「真空パック」のような状態になっていたという。
 屋敷には広い座敷や板間、かまど、コタツ。囲炉裏も3カ所あった。さらに4~5頭分の馬屋跡も。道を挟んだところには蔵とみられる建物跡もあった。建物内に井戸が掘られ、たるに使う木栓も多数転がっていた。
 「酒造りをやっていた家は、浅間押し(天明泥流)の時、馬5頭に大事な酒を背負わせて逃げた」。この地の伝承が裏付けられた。
 付近で掘り出された刷毛(は・け)に墨で書かれていた「酒蔵用 天明二年 野口蔵」の文字や、土間から出てきた砥石(と・いし)に刻まれた屋号などからも、屋敷は名主などを務めた野口家のものだとみられている。
 当時は幕府老中の田沼意次が権勢を振るった時代。商品・貨幣経済が発達し、商品作物の栽培が広がった。
 東宮遺跡の埋蔵文化財は、当時の山村でも豪農が養蚕や酒造りを手がけ、交易が盛んだったことを推測させるという。
 同遺跡は八ツ場ダムの水没予定地で、現在は一時調査を中断している。94年にダム建設を前提に始まった予定地周辺の発掘調査の対象は約137万平方メートルに及び、総額98億円と20年を超す歳月をかけて71カ所の遺跡を調べる。国土交通省などによると、費用は4600億円のダム建設事業費からまかなっている。
 水没予定地のほか、JR吾妻線や道路の用地、住民らの移転代替地などで順次、発掘が進められている。豊かな自然や山の恵みなどを反映し、吾妻川を挟んだ長野原一本松遺跡と横壁中村遺跡からは、縄文時代の竪穴住居跡がそれぞれ200軒以上発掘された。ほかの遺跡からも、約1万年前の縄文時代から弥生、平安などの各時代の住居や土器などが出土している。
 これらの遺跡はダム湖の底に沈むか、道路建設などで消えるため、調査員らが遺物を掘り出し、記録保存に精を出している。調査関係者の一人は「貴重な遺跡が出たとしても、ダムを止めるわけにもいかない。そのまま残せないのは仕方ない」と話している。

  食うや食わずの見方を覆す資料
 松島栄治・嬬恋郷土資料館名誉館長の話 
 天明泥流の遺跡は20カ所以上発掘されているが、他とは比べものにならないほど東宮遺跡は資料が豊富だ。年貢に苦しみ、食うや食わずの生活だったという江戸時代の農民の生活レベルを覆すような豊かな生活がうかがえる。交通の便に恵まれていたとは言い難い土地なのに、どうしてこんなに豊かだったのか。検討を加える必要がある。




  


Posted by やんばちゃん at 23:12Comments(0)紹介

2009年06月15日

判決前夜、6/25(木)前橋に集え! 

 「八ッ場ダムをストップさせる群馬の会」による前橋地裁の判決日が近づきましたので、水源連メールにも投稿しましたが、以下の前夜祭のご案内を転載させていただきます。
 皆さま、お忙しいこととは存じますが、お力添えのほど、よろしくお願い致します。

  判決日   6/26 午前10時 前橋地裁

 さて、判決に先立ちまして、地元・福田弁護士から、前日25日(木)の夕方6時半~、前橋市内で前夜祭が開かれる旨のお誘いを受けました。他県の弁護士さんたちも出席される予定だそうです。
  そこで、(転載の許可を頂いて)下記のご紹介をさせていただきます。
  ご都合のつかれる方は、ぜひ前の晩から、群馬にお出かけください。
   ※連絡は、下記の福田事務所または当方まで。

①もちろん、駅~店までの送迎を致します。
②また、前日25日に八ッ場現地等に訪れることをご希望の方には、群馬勢有志で何らかのお手伝いをさせて戴きますので、ご一報ください。
③さらに、25日夜、前橋市内に宿泊なされる方には、(地元の者として)超格安? なビジネスホテルなどのご紹介や送迎などをさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
  
 それでは、皆様、お待ちしております。 
 また、群馬在住の方、当日はもちろん是非、前夜祭にもご参加ください。
 弁護士さん達がご贔屓のこの「金鳳」の中華はどれもとっても旨いですよ。そして、何よりも丸五年間にも及び、手弁当でお力を注いでくださった正義感燃えたぎる、熱い心の弁護士さん達の労を、いささかなりともねぎらいましょうよ。

                                      以上
 
              記
  (前夜祭日時)
  平成21年6月25日(木)午後6時30分
  前橋市大手町「金鳳」(↓)
  http://gourmet.yahoo.co.jp/0003692060/

  ※ 上記日時に,直接,「金鳳」にお集まりください。
  ***********************************
  ◎ ぐんま市民法律事務所 ◎
   弁護士 福田寿男(ふくだひさお)
   〒371-0026
  前橋市大手町1-5-11大手町ビル2階A-4
    電話 027-210-6441
    FAX 027-210-6442

  


Posted by やんばちゃん at 23:16Comments(0)イベント/予定

2009年06月15日

群馬県の国直轄事業負担は、何と112億4600万円

 12日に「八ッ場ダムをストップさせる群馬の会」の総会を兼ねた集会が、午後2時~群馬県庁昭和庁舎で行われました。
 メイン講師は嶋津暉之さん。
 ついで、福田弁護士が先の東京判決の問題点について、張りのある声で力強く明確に解説してくださいました。
 福田さんは熱のある若手弁護士さんです。(確か、初仕事ととなられるはずの)来る6/26の前橋地裁の判決が、福田さんの栄えある門出を飾るにふさわしい「勝利宣言」をもたらしてくれますようにと、(司法の非情さは分かっていても)祈るような思いです。
 続いて、同じく若手の後藤県議が、パワーポイントを駆使して県の一般会計と特定ダム対策課からの資料をもとに、財政について、これまた端的明瞭なスピーディな説明でした。
 いかに八ッ場ダムはムダな投資なのかが身に迫ってきます。(4700億円もの大金のうちの)一億円でも、自由裁量の財源があれば、足りないだらけの県費の中で、充実したより良い施策ができると結ばれました。
 最後に、関口・角倉両県議が、ダム推進派の県議団・推進議連に「公開討論会」を申し入れたことや現地の生活再建等について、その怒りが伝いくる熱ぽっい口調で語ってくださいました。

 さて、総会当日の12付けの読売新聞県内版に、その県費の中で、大阪府知事の爆弾発言によって、目下、クローズアップされている、「国直轄事業負担金」に言及した。八ッ場も含む同負担金総額は、約112億円だそうです。
 善良なる、保守王国・群馬県の皆さんにも、ここは大いに怒って貰わないと困りますよね。


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① 【2009年6月12日(金) 読売新聞群馬版】http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20090611-OYT8T01086.htm
 国直轄事業県負担08年度人件費が8億超 
 国が直轄で行う公共事業費の一部を都道府県が負担する直轄事業負担金について、県の2008年度の支出額(国土交通省関係分)が112億4600万円だったことが11日、県議会に提出された資料でわかった。うち、国土交通省の出先機関の人件費には、4300万円の退職手当分を含め、8億300万円が拠出されていた。県は「地元要望に応じた事業の一定負担はやむを得ないが、県財政は厳しい。退職手当まで負担するのはおかしい」としている。

 この負担金は、道路や河川の事業費計309億4500万円の約36%にあたる。工事費には103億3200万円が充てられ、庁舎などの営繕費を含めた事務費は9億1400万円だった。職員人件費はこの事務費に含まれ、関東地方整備局や高崎河川国道事務所、八ッ場ダム工事事務所などの出先機関が該当する。

 県によると、09年度も102億4500万円を支出することが決まっており、うち7億5900万円が人件費に充当される見込みという。

  


Posted by やんばちゃん at 22:44Comments(0)紹介

2009年06月12日

もっと知ってほしい! 土砂の堆積度

 ダム建設ラッシュ沈静後に必然的に起きる、土砂の堆積問題を追った精力的な記事が朝日新聞群馬版トップにありましたので、転載いたします。(独自取材ならスゴイ。読者はこういうマスコミの本道をいく記事に好感をもつというもの)

 昨日早朝、「こういう記事が多くの人に読まれるといいのにな」と実感。
 県内購読者数、1位と2位に大きく差のついた、第3位という位置がちょっぴり、残念。しかも、その1位と2位の購読者たちが、(事実上)この保守王国・群馬を形づくり、ダムなどの公共事業容認の根強い層となっているらしい? のですけれどね……

 なお、八ッ場ダムの場合には、上流の品木ダムのヒ素まじりの汚泥もありますので、より複雑。
 この品木ダムも完成後、数年にして、浚渫船「草津」がフル稼働。予想をはるかに超えた悩みの種なのです。
 もう自然界に新たなコンクリート建造物は要らない。
 なぜ、大型箱ものを作りたがっている人が、かくも多いのでしょうか。
 意識の変革にマスコミの力は大きいのですが、それこそ、今回の記事などの事実をもっと広まってほしい所以です。

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【2009年6月11日(木) 朝日新聞群馬版トップ 写真あり】
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000000906110002
たまる土砂「困った」 安中市の中木ダム
(オプション):妙義湖の上流側には土砂がたまり、中州ができていた

 安中市の中木ダムに土砂がたまり、管理者の市が頭を悩ませている。土砂を放置しておけばダムの機能が損なわれるが、財政状況が厳しく、かき出す費用もねんしゅつしにくい。土砂の捨て場の確保も課題だ。こうした問題は、県内各地に現れ始めている。

 安中市松井田町五料の「裏妙義」と呼ばれる地域にある中木ダム。妙義湖をせき止める利水専用のダムだ。
 1959年の完成から、土砂の堆積が進む。上流から川が流れ込む辺りから広範囲で中州ができている。
 市などによると、同ダムは総貯水量160万立方メートル。うち土砂堆積(たい・せき)分の容量は25万立方メートルを見込んでいたが、すでに57万立方メートルの土砂がたまっている。堆積率は230%に達する。
 県河川課ダム係によると、一般にダムは100年を寿命と設定し、100年間で土砂がたまる量を予想して設計する。だが、利水や洪水調節用のスペースにまで土砂がたまる例は少なくないという。
 担当者は「戦後のダム建設ラッシュから半世紀たち、土砂の問題に悩まされる例が全国で増えている。ただちにダムの機能が損なわれるわけではないが、早めに手を打っておく必要がある」と話す。
 中木ダムも、当初想定していた農業用水の利用がないため現状に支障はないが、放置はできないとしている。
 安中市は土砂をかき出すために07年度から「貯金」を始め、まず一般会計から1億円を繰り出して基金に積み立てた。県ダム係によると、土砂をかき出すには最低でも1立方メートルあたり3万円前後の費用がかかる。捨てる土地との距離や地形によって変わるが、すべてかき出し、捨てるには数千万円から数億円かかる見込みだ。土砂を捨てる場所も見つかっていない。

    県営でも問題化   
 県営ダムにも、同様の問題がある。07年の台風9号の影響で上流から大量の土砂が流れ込み、七つあるダムのうち三つで土砂の堆積率が100%を超えた。塩沢ダム(神流町)や道平川ダム(下仁田町)は土砂の撤去に国の災害補助が適用されたが、堆積率112%の霧積ダム(安中市)は、堆積量の確認前に補助申請の時期を過ぎてしまったため、自力で土砂をかき出さなければならない。
 土砂の捨て場の確保も課題だ。発電用ダムを管理する県企業局発電課によると、かつては土砂を工事に使う砂利業者が引き取ってくれることが多かった。しかし公共事業が減り、引き取り手が見つからなくなっているという。
 公共工事で出る残土を置くために市町村が確保している土地に捨てられる場合もあるが、なければ自前の土地を用意するしかない。他の活用先を探そうにも難しいのが現状だ。
 農業用のため池も土砂の堆積が問題になっている。県農村整備課が今年、593カ所のため池を管理する水利組合や農業者団体にアンケートしたところ、58カ所で「土砂をかき出してほしい」と要望があった。農家の高齢化などで受益者が費用を負担しきれなくなっているという。同課は対策に乗り出す考えだ。

  


Posted by やんばちゃん at 07:28Comments(0)紹介

2009年06月11日

またもの約束反故に、「青写真」練り直し迫られる

 去る6/4付けの朝日新聞群馬版の記事を転載します。
 水没地に対し、国と県はこの間、数々の「約束不履行」を行ってきました。
 甘い条件をぶら下げ、(一部の有力者の働きかけが奏を効し)、住民が納得して合意にたっすると、あたかも希望に基づいた総意のごとくに作用させる、常套手段。
 ところが、いよいよその約束事が現実化してくると、いとも簡単に「反故」同然の扱いが繰り返されてきたのです。けれど、すでに数段階も上の状況に押し上げられてしまった水没民にとっては、後戻りは出来ず、異議を声高に申し立てできる方は皆無に近かったのです。
 そして、またしても昨年度末、ダム完成後(※建設反対の立場ですので、想定したくはないのですが)の諸施設の運営は、「公社」を設立して行うと住民に安心感を与えて来たことがくつがえされ、運営は現地まかせ。しかも3割もカットされた基金は、維持管理費には使えないことがわかったのでした。しかも、下流都県が難色を示し続けていたことなどは、秘されてきたのです。
 今回、まとめられた記事を読んで、その時、語ってくださったある水没地の方の落胆と憤りの声が蘇ります。もはや、破れかぶれの口調でした。

 この発表の行われたちょっと前の本年早々、長野原町行政との話し合いの席で、思わず「皆さん、この間の約束不履行にもっと怒るべきですよ」と申してしまいました。顕著な例として、「公簿面積」問題をあげました。そして、、「たとえば完成後に町に入る「国有資産等所在市町村交付金」。これは最後まで額は確定できないということですが、その額だって、皆さんが聞いてきた額が果たして丸々もらえるか分かりませんよ。なお、私たち市民が試算した額は皆さんが皮算用している額よりも少ないです」とお伝えしましたが、執行部は大きなお世話的な雰囲気でした。
 疲労困憊の果てにか、それともあまたある変更に慣れてしまったのか、もはや怒ることもせず、ひたすらお上を信じている様子でしたが、あのすぐ後で、今後の生活再建策の根幹を揺るがすペテン的行為が待ち受けていたのでした。
 そして、一部の(今はごく少数となってしまった)ダム建設懐疑派の方々、先々を見通しての意見や憂いごとを言う、その声をチカラでかき消したのも、また同じ町民であったという構図の中で、もたらされた結果論ともいえなくはありません。
 
 前日の3日にも、八ッ場に行ってきました。
 「こんな処も」と思う場所も新たな工事現場と化していて、胸つかれます。
 昨今は訪れるたびに辛いものが走ります。

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【2009年6月4日(木) 朝日新聞群馬版トップ カラー写真あり】
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000000906040003
八ツ場ダム生活再建事業「青写真」練り直し

(オプション):工事関係の車両が行き交う代替地の造成現場。写真左後方に川原湯の温泉街が見える=長野原町川原畑

 国が6年後の完成を目指して建設を進めている八ツ場ダム(長野原町)をめぐり、いまになって地元は将来の「青写真」の練り直しを迫られている。生活再建事業の原資となるはずだった「利根川・荒川水源地域対策基金」の3割カットと、「施設の維持管理費には使わせない」などという条件が明らかになったためだ。2日の県議会一般質問で、県は生活再建に改めて太鼓判を押してみせたものの、住民は焦りを募らせている。(菅野雄介)
    
      頼みの基金減額 使い道に制限も
 「約束と違う」「基金を新施設の運営や維持管理に充てることができないのは困る」――。
 水源地域対策基金の3割削減などについて県が今年2月から3月にかけて行った地元説明会。ダム湖周辺での生活再建に将来を託した住民から不満の声が上がった。県は、基金を使った事業について昨夏に見直し案を地元に説明したが、事業費には触れていなかった。
 この事業を巡っては、観光会館などのハコモノ建設について、基金へ負担金を出している下流都県側が当初から難色を示し、事業案全体には合意していなかった経緯がある。合意に至らないまま十数年が経過、下流都県側には全体像が見えずに出費がかさむことへの警戒感があった。
 県が見直しに動いたのは06年度から。社会情勢の変化への対応が理由だった。2年間で住民の要望をまとめ直し、エクササイズセンターを目玉にした「ダイエットバレー」構想に改めるなどの手を加えた。
 下流側と昨年末に合意したとして、178億円という事業費の大枠と「維持管理費には使わない」などの注文がついたことを県が長野原町議会や地元住民に明かしたのは、やっと今年に入ってからだった。
 「そもそも下流都県と合意していないとは説明されていなかった」。説明会で住民はぼやいた。

     29年前の「未来図」 更にかすむ可能性
 現在の生活再建事業の骨格がつくられたのは29年前。国と地元の仲介役を買って出た県が80年に案を示した。ダム湖周辺に国道や県道を整備し、新しい温泉街や観光会館、住宅街、広場などが並ぶ未来図を描いてみせた。
 「県の提案を機に、住民はダム建設を前提に将来設計を考えるようになった」と元住民は振り返る。85年、県の生活再建案に町の要望を加えた覚書が交わされ、52年以来抵抗を続けてきた地元はダム建設を容認した。
 国土交通省などによると、これまで地元の生活再建には、国内最高額となるダム建設事業費4600億円のうち約27%の1236億円と、水源地域整備事業費の997億円、水源地域対策基金から事業費249億円があてられることになっていた。総額は2500億円に迫る。
 建設事業費の補償分は、道路や小中学校、家屋、田畑などの移転向け。整備事業は、新たに造成する代替地への上下水道、県道、福祉施設の建設や、国道拡幅などが中心だ。基金は、これらの対象とならない観光関連施設などの整備に充て、ダム湖を中心とした一大観光地へ飛躍する夢の実現に一役買うと地元では受け止められてきた。
 基金事業の規模縮小は、四半世紀前の未来図を更にかすませることになるが、住民の不満は大きな声にはなっていない。具体案をまとめるための「まちづくり検討部会」の議論が粛々と進む。
 地元のある地区のダム対策委員長は「時間がたっており、減額はやむを得ないところがある。むしろ、今の政治状況の中で、政権や下流都県の知事が代わり、さらに額が減るのが心配だ」と話す。
 「いまさらダム抜きの生活再建は考えられない」という地元にとって、財政難や水余りを背景にした「脱ダム」の流れと政権交代によるダム見直しが現実味を帯びる現状への懸念の方が強くなっている。


  


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