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Posted by 株式会社 群馬webコミュニケーション at

2009年07月31日

小寺支援もらっても、あの村山政権の轍を踏まないで!

 ところで、小寺前知事の支援を頼むのは、政権交代=八ッ場ストップ につながるので大いに結構なのですが、政治図の中で、先々、八ッ場ダム問題がスッキリしなくなるのではないかと心配になります。
 選挙ごとの借りは、義理と人情の任侠の世界・群馬の自民党筋では大きいものがあるのだということを体験してますので。 
 杞憂に終わればよいのですが……。
 というのは、一つ、すり合わせれば次々と整合性を失くしていって、ついには日の丸・君が代、自衛隊まで認めざるをえなくなってしまった、あの村山政権の例もあります。
 折しも本日の朝日新聞「川野洋平の感慨④」では村山政権の歴史的意味に言及していました。あまり馴染みのない副議長で、読むのもこの回が初めてなんですけれど、しごく妥当な見解にこのような見識のある政治家が、政界から去るのは寂しい感じです。前のシリーズも読んでみようかなと思います。

 その部分を引いてみます。
【2009年7月29日(水)  朝日新聞4面 政治欄】 


「河野洋平の感慨④」
《「村山談話」はよかったが》 


     --略ーーー
ーーいま振り返って (村山政権の)歴史的な意味は何だったと。
   僕には二つの思いがあります。一つは村山・河野・武村(さきがけ代表)の3者が手を握り、戦後50年の村山首相談話を作ったこと。戦争への反省、アジアへの謝罪を明確にしたのは日本にも国際社会にとっても極めて重要で、村山政権でなければできなかった。もう一つは、あの政権を作ったことで平和主義を掲げた社会党を結局つぶしてしまったこと。政治のバランスを崩して全体の右傾化を招いたと悔いが残ります。
ーー社民党として続きましたが、今はミニ政党です。
 そもそも社会党は細川政権に参加して小選挙区制を推進したのだから、自分の首を絞めてもいたのです。
ーーアジア外交の基盤になった村山談話は、従軍慰安婦をめぐる宮沢内閣の河野官房長官と同様、右から「国賊もの」と攻撃されます。
 視野の狭い考えですね。あれだけの戦争をして内外の膨大な人命を奪い、植民地支配で屈辱を与えたのだから、けじめをつけてアジアの安心と信頼を得るのは日本の国益にかなうのに……。
ーー議長時代は歴代首相を集め、小泉首相の靖国参拝に物申したことも。
 小泉政権で議長にという要請があったとき、右傾化する政治の中で大事な場面がくるかもしれないし、議長だと政治的に不自由だから断ろうと思ったんです。だけど相談した宮沢喜一さんがぜひ受けなさい、と。それで受けたのですが、何かの時は、という気持はもっていました。
ーー靖国でその時が。
 日中関係が日に日に悪化して05年に中国各地で激しいデモ。欧米の新聞には、日本が靖国神社を重視してサンフランシスコ講和条約をひっくり返そうとしているかのような記事も出始めた。これはいかんと決心し、歴代首相の合意を形成して小泉さんに
伝えることを考えたのです。中曽根元首相は出席してもらえなかったが、考えは間違っていないと言ってくれました。
ーーそれでも小泉さんは聞きませんでした。
 そうだろうとは思ったが、日本の歴代首相が必ずしも参拝に賛成じゃないと内外に伝えることが重要でした。
ーー毎年、戦没者追悼式で戦争の責任に触れましたね。
 それがニュースになるほど全体の流れは違っていたということです。だから年1回、何を言うかを考えていた。
 
   ----以下、略ーーー
 
  


Posted by やんばちゃん at 11:08Comments(0)紹介

2009年07月30日

やっぱり、小寺前知事、現知事にチクリと刺されたよ

 勝つための合従連衡にものいいがつきました、それもチクリと一矢。
 自ら副知事時代に八ッ場ダムを仕上げ、いくつかの調印式に平然と臨み、任期中は問答無用で「推進体制」を貫いた小寺前知事の動向の不可思議さについて、本欄の25日に記しましたが、やはり、自民党筋から皮肉まじりのクレームがつきました。
  28日の定例記者会見で大沢知事は、民主党支援受諾に対して苦言を呈するというか、批判しています。

 また、その大沢知事も「負担金返還は当然」であるとし、「地元の苦労や犠牲に報いるのにはダムの早期完成が必要」とのべた上で、来期は無所属出馬を考える旨を語っています。
 ダムへの認識は相も変わらずながら、「返還は当然」、「知事の無所属出馬」など、群馬の群馬県連で少しづつじんわりと何らかの地殻変動が出始めたのでしょうか。
 それとも、早くも知事の立場としては、政権交代を意識してるのでしょうか? 大沢知事の語り口って、あのようにゆったり感覚なんですけれど、頭脳は案外、世事に敏い方なのかもね。
 それとも、“城を枕に討ち死に”ではないけれどことここにいたって、これまでの強すぎる政治への自己反省にて……

  
////////////////////////////////////////////
① 【2009年7月28日(火)  読売新聞群馬版】http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20090728-OYT8T00107.htm
 大沢知事、「民主党支持」の小寺前知事を批判 
 大沢知事は27日の定例記者会見で、民主党の岡田克也幹事長と会談した小寺弘之前知事が次期衆院選で同党を支持する考えを明らかにしたことについて、「八ッ場ダム計画の推進を強力に言っていただけたのではないか」と、皮肉を込めて痛烈に批判した。
 同党は27日に発表した政権公約に八ッ場ダム中止を掲げている。知事は「小寺さんが誰を応援しようと、とやかく言う立場でない」としながらも、小寺知事時代の1992年に県と長野原町、国の間で締結された基本協定が地元のダム受け入れの契機となったことを挙げ、「(小寺氏自身が協定を結んだことを)頭に置いてほしい」と述べた。
 また、知事は自民・公明両党で過半数の議席を取ったとしても、民主党が第1党になったら自民党は下野すべきかとの質問に、「潔く(下野すべき)と思う」と述べた。

//////////////////////////////////
② 【2009年7月28日(火)  東京新聞群馬版】http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20090728/CK2009072802000161.html

「負担金返還は当然」 八ッ場ダムの民主「中止」公約 知事「理解してるか疑問」
 大沢正明知事は二十七日の定例会見で、国が長野原町で進める八ッ場ダム建設事業について民主党が「中止」を明言していることに触れ、「ダムが予定通り建設されなかった場合は、国が下流都県の負担金を返還するのは当然だ」との考えを示した。

 同ダムについて、大沢知事は「半世紀もの時間をかけて、地元住民が建設を受け入れている。建設中止は、地元の苦労や犠牲を本当に理解しての判断かどうか疑問だ」と述べ、衆院選後に民主党中心の政権が誕生した場合でも、建設継続を強く求めるとした。
 一方、二〇〇七年七月の知事就任から二年が経過した県政運営については、二年間でマニフェストに盛り込んだ八十五項目の目標のうち八十三項目に着手したと説明。「中学三年生までの医療費無料化やドクターヘリの運航開始など、県民生活の質の向上につながる施策を実現できた」と強調した。
 次期知事選には「直前の状況にもよるが、特定政党の公認を得ないで立候補するという選択肢はある」と述べた。(中根政人)


///////////////////////////////////
③ 【2009年7月29日(水)  朝日新聞群馬版】http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000180907290001

「今回は自民を」知事が支援言明
 大沢正明知事は27日、総選挙の対応を定例記者会見で問われ、「自民の公認候補として知事になった。今回は自民を支援したい」と言明した。
 小寺弘之前知事と高木政夫前橋市長が民主支持を表明したことについては「個人が応援することに私が口を挟むことではない」としながら、小寺氏に関しては「92年に八ツ場ダムの建設事業の基本協定を締結した本人。これで事業が大きく前進し、後任の私も推進に全力を傾けている。民主は建設に反対しているが、小寺さんも八ツ場ダムを念頭に置いて頂ければありがたい」とけんせいした。
 また、大沢知事は次の知事選に立候補する場合、政党の公認を得ないで無所属で立つ考えがあることを明らかにした。「政党の公認をもらわないつもりか」との質問に対し、「そういう思いもある」と述べた。
 07年の知事選で現職の小寺氏を破って初当選した際には自民党公認だった。かつて知事を務めた清水一郎氏も、1期目は自民公認で、2期目からは無所属で立候補した。党県連幹部は「知事は支持基盤を県民全体に広げようという気持ちを持つも
の。驚きはない。総選挙の情勢とは関係ないと思う」と話した。



  


Posted by やんばちゃん at 22:23Comments(0)紹介

2009年07月29日

ぐんま4区民主党、対立の火種抱えてか

 前々より、民主群馬県連の確執の根深さをお伝えして参りました。
 でも、目下の「八ッ場ダムストップ」への最短距離は、マニフェストに「中止」を掲げた民主党や社民党による政権交代。
 その群馬での民主党の躍進にかかっていることは衆目一致するところです。なおかつ、その成否のカギは、反目しあってきた保守と労組系の同党内部の一致団結にかかっています。
 おかげさまでようやく、勝利」を目前にした昨今、中央の大物じきじきの仲介によって、雪解け模様になりつつあるようですなのですが……

 特に前総理・福田さんの地元、群馬4区では中島さんと労組系民主の対立は深かったのです。
 「角田参議院副議長おろし」に至る、この亀裂の最初の頃に、熱に燃えていた若手の首脳部の方に、再三、「その一途な正義感はわかるけれど、世の中のこと、特にこういうイデオロギー関係のことはある程度のところで止めておかないと全てがぶち壊しになった上に、しかも後々まで、尾をひくわよ」と伝えたことがありました。
 これは、(未だ後悔はしていないけれど今に至るまで浮上しては苦しめられている)自分自身の若い日の経験に基づいて出たオバさんの、珍しい示唆ごとでした。往々にして若い目には、己が信じる筋道に合わないことに、目をつぶりきれず猪突猛進するものです。

 八ッ場ダム問題でも、例えば、先の鳩山・八ッ場入りの一件について、中島氏が「自分がやった」旨を誇らしげにと記すと、それを読んだ労組系の反発がまたも高まるなど、さらに執拗な対立の構造に陥ってしまう有様でした。
 ために労組系は「坊主憎ければ、袈裟まで憎い」式に、八ッ場ダム問題には、理解はあっても何となく距離を置いている感のこの間の対応でした。
 けれども、かつてはこの労組系の面々が旧社会党の勇士として、現地の団結小屋に寝泊まりするなど、運動の最前線にたってきたのです。 (旧社会党から流れた労組系民主党筋の方々とは、元は親戚同士の親しみもあってか、急進出の若手民主党のスマートさへの感情のウネリ過程が、ちっょぴり理解できるような心情もあります)
   
 ともかく、「対立の構造」とは、親しければ親しいほど、目的が一致すればするほど、みにくくなるもののようですね。

 そして、最も憂えるのは、この八ッ場現地との「対立の構造」は、過日のテレビの中で示されたように(※後述の予定)、もっと執拗で、根強くかなりの時間がかかるやも知れないことです。
 政権交代しても、現地の推進派は、アッサリスッキリと「中止」に応じられる状況にないことは、はた目にも明らかです。
 
  長くなりましたが、最後に、その対立関係を伝える新聞記事を。
 民主党県連の、雪解け現象の兆しについて、連日、4区の中島さんの去就、新たに福田前総理と戦う、新人女性候補・三宅氏の出馬表明と併せて、この保守と労組系の正常化に向けての一連の報道記事が、紙面をにぎわわせています。
 その中から、それでも簡単には解消しそうもない民主党内部の確執を浮き彫りにした、朝日新聞群馬版記事を掲げさせていただきます。まさに、「火種かかえて」の模様です。近親憎悪というのは、とりわけ始末が悪いもののようですね。

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 【2009年07月28日 朝日新聞群馬版 トップ扱い 写真】http://www.asahi.com/politics/update/0727/TKY200907270285.html

  民主、4区に三宅氏擁立
     福田氏を意識し 小沢氏「重点区」

【キャプション】:群馬4区から立候補する三宅雪子氏と擁立を発表した小沢一郎代表代行=高崎市柳川町の高崎ビューホテル


 公認問題でもめていた民主党の群馬4区の候補者がようやく決まった。27日、高崎市内のホテルで小沢一郎代表代行とともに会見したフジテレビ社員(休職中)の三宅雪子氏(44)=東京都港区=は「政権交代の節目となる選挙で力になりたい」と抱負を語った。この日は、分裂状態にあった党県連の新たな体制も決まったが、会見後、今後の取り組みなどをめぐって、保守系と労組系の県連関係者が言い争う場面も見られ、前途多難な再スタートとなった。
 三宅氏は、秋田の自民党衆院議員で6度労相を務めた故・石田博英氏の孫。共立女子大卒業後フジテレビに入り、経済部の記者を経て最近まで映像企画部副部長を務めた。
 三宅氏は「若いエネルギーが満ちあふれており、元気がなくなっている日本を変えるには民主しかないと感じた。弟に知的障害があるので、障害者の問題などに取り組みたい」と話した。福田康夫前首相(自民)と戦うことについては「福田氏は大変立派な人。厳しい選挙になるが、自分らしい、さわやかな選挙をやりたい」と決意を述べた。
 同席した小沢氏は「女性の国会議員が少ないので、優秀な女性候補がいればという思いでいた。(4区は)長年自民の強い地域だったが、今もそうだとは思わない。群馬県民も大多数が政権を代えなくてはと思っていると確信している」と説明し、重点選挙区にする考えを示した。

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 ▼党県連も新体制に   火種抱えて再出発
 会見では、労組系の富岡由紀夫参院議員を会長に、保守系の中島政希・前衆院議員秘書を会長代行とする党県連の新体制も発表された。
 中島氏は鳩山由紀夫氏と交流が深く、群馬に民主党を旗揚げした中心人物で、そこに角田義一元参院副議長らが社民党から分かれて合流した経緯がある。角田・県連代表と中島・代表代行という二頭立ての体制だ。
 ところが、06年に県連の不正経理問題をめぐって両者は決裂。県連組織は機能不全に陥った。4区の候補者選定を巡っても中島氏の公認に労組系が反発、角田氏が鳩山氏に「鳩山さんの名代(落下傘候補)を江戸から連れてきてほしい」と直談判するなど、両者の綱引きが続いていた。
 小沢氏が仲介に乗り出し、保守系も労組系も推せる候補の人選と、角田氏の「直系」の富岡氏と中島氏という二頭立て体制の再現を思わせる新体制を提示。中島氏も比例北関東ブロックへの転出を容認し、県連は3年ぶりの正常化に向けようやく一歩を踏み出した。
 小沢氏は会見で「私が話し合いに入って今日を迎えた。それぞれのいきさつや感情を乗り越え、政権交代を目指す選挙に向けて新体制をつくることができたのは大きな成果」と強調した。
 会見には、1~4区の立候補予定者らのほか、保守系、労組系それぞれの県議も同席し、県連の再スタートを印象付ける狙いだった。
 ところが、会見の後、記者団に囲まれた富岡氏が「党本部に迷惑をかけたが、県連の再建ができた」と取材に答えた矢先に、すぐ横で、保守系と労組系が4区の選挙対策本部の構成などをめぐって言い争いを始めた。
 「とにかく話し合おう」と、会合の日時を決めて収まったが、記者団の面前で、感情を爆発させるほど、両者の対立が根深いことが露呈した。
 分裂の大きな要因となった県連の不正経理問題についても、富岡氏が「小沢氏との話で、政治決着したものと受け止めている」と語ったのに対し、中島氏は「決着とは言えないが、とやかく言うことはない。今は選挙のために一致団結する」と話し、微妙な温度差を見せた。
 火種を抱えたままの船出となった民主党県連。両者の対立が再燃するのか、共闘がかなって雪解けが進むのか。今後の成り行きが選挙戦も左右しそうだ。



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Posted by やんばちゃん at 11:22Comments(0)紹介

2009年07月25日

あら、小寺前知事、八ッ場ダム反対派に?

 政治の世界は、如何なる風にも変転自在極まりなく迷走するものであるということを実証してくれることが、ここ数日起きてます。
 一昨日の23日、群馬県入りし、「八ッ場ダム中止」を掲げる民主党・岡田幹事長が前橋市内で、なんと小寺弘之前知事と会談。今回の選挙で民主党支持を働きかけ、ほぼその提案を受け入れる模様との報道がなされています。
 
 ご存じのように小寺前知事は、旧自治省時代に中曽根派が群馬県庁入りさせ、企画課長を振り出しにその副知事時代に八ッ場ダムを仕上げた帳本人なのです。
 そして、かの萩原昭朗補償交渉委員長やダム推進派要職との癒着ぶりのひどさでは知られている人物です。
 ついこの間まで、知事として強力なダム推進を県議会の場で公言してきた、そのヒトではありませんか。
 しかも、地元では、知事選出馬に至るまでには、推進派に“弱みと借り”があると、公然の秘密としてささやかれているのです。
 
 こうなると、果たしてわが八ッ場は、本当に民主党のマニフェスト通りにストップを完遂できるものか、いぶかしくなってきませんか?
 だって、政治の世界の一歩前は闇なのですから…… 
 勝つためになりふり構わず一時的な妥協。結果的にそのつじつま合わせの調整とやらが恐ろしくなってきます。

...............................................
 なお、本日25日の報道では、福田康夫前総理の選挙区・群馬4区に民主党新人候補として、元女性記者で、石田元労相の孫の、三宅雪子さん(44)の立候補が確定が報じられています。
 これは、割れに割れて今選挙選の闘いにまで多大な影響が取りざたされていた民主党群馬県連のお家騒動の緩和策として
小沢一郎代表代行が浮上させた案です。
 断固として出馬すると言ってきた、中島政希さんは、比例区に転出。なお、中島さんはかつて、石田元労相の秘書だったので「お孫さんなら」と納得。
 でも、これも、“一種の世襲制”を帯びてますよねぇ。
   


Posted by やんばちゃん at 08:09Comments(2)紹介

2009年07月19日

国有資産等所在市町村交付金への夢、潰えるか

 一連の還付金問題に、(市民運動も)踊らされたしまった感のある、数日間でした。

 八ッ場ダム57年間の歴史には、今般の例のように、水没地の民意を「ダム建設」に収斂させるために、このような誤認が多々あったことでしよう。
 外部への支援を頼まず情報公開のなかった現地では、往々にして、お上=自民党→町の要職や実力者によって、建設に都合の良い情報のみ、流されてきたように感じられます。
 従って、ダム建設は“意図的に作られた民意”と呼べましょう。
 
 この意味で私たちは、本年一月、(「市民運動の連中は一方的な聴きがきばかりしねぇで、町の代表の議会関係と話し合え」のご意見に素直?に従って)、長野原町との話し合いに臨みました。
 そして、その際に強調したことに、「現実に反故にされてしまったことが多いじゃないですが。もっと怒るべきであり、事実を確認すべきですよ。例えば完成後に入るという《国有資産等所在市町村交付金》でさえも」と、この《国有資産等所在市町村交付金》の試算を示し、夢見ている額よりも少ないことを伝えました。
 国は先々のきちんとしたことは伝えたがらないので、「早目の確認」によって、その過程で、国のインチキが浮かびあがり、推進の歯止めの一助になるものと考えたからでした(※なお、当方は最良と信じての言動ではあったが、独立した自治体の長野原町さんにとって、ある意味では「大きなお世話」的越権行為と受け止められかねなくもなかったことでしょう)。
  
 しかし、早くも半年後には、今度は私たちの願い通り、「中止」の色が濃くなりつつあります。
 けれど、総選挙まで一か月余もあり。権謀術策にたけた保守政権のなりふり構わぬ巻き返しも予想されるので、まだ決定したわけでなく、楽観視は許されません。

 今朝も水没地の方と話ました。
 問題は「どこで線を引くか」ということに尽きるようです。
 この方は残留組のおひとり。
 「移転済み」の方たちは、もはや「完結」とみなすしかなし。問題は残留組の自分たちの今後の措置に尽きるとのことに話は落ち着きました。
 虫くいだらけの道路・施設。その道路や明地にはびこる雑草の草刈り処理ひとつでさえに困惑してしまうそうです。
 
 仮に、政権交替になれば「何でもかんでも色よくやってくれる」はずの頼みの綱の口約束は、今度は決定的に反故同然となることになってしまいます。
 ダム完成の暁には、《国有資産等所在市町村交付金》によって莫大な交付金が入ると説得。昨今は、破たんしかけている町財政がまもなく潤うと、町民の皆さんに夢見させ来続けてきた、ダム推進派幹部の責任問題もまた、何事もなくこのまま霧散してしまってよいものでしょうか? 
 そして、この方たちはいち早く“取得できるものはくまなく皆もらって”安全圏でいることが口惜しいのは、私一人だけでしょうか。

  


Posted by やんばちゃん at 12:13Comments(0)八ッ場だより

2009年07月19日

還付金問題、ホラやっぱりね。

……踊らさせられてしまった「負担金の還付金問題」に一程度の終止符を打つ、
見解を示す、民主党談話が出ました。以下に転載を。
 
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【2009年7月17日(金) 上毛新聞一面中段】 
八ッ場ダム 中止でも支出増なし
   民主党が談話発表
 
 国が長野原町で進める八ッ場ダム建設事業の政権獲得後の中止をかかげる民主
党は16日、本県を含む5都県など利水者が昨年度までに負担してきた利水関連事
業費1460億円を全額還付しても「事業を継続した場合の事業費を上回ることはない」
との談話を発表した。
 談話によると、同党「次の内閣」国土交通部門・公共事業検討小委員会が15日、国
土交通省の担当者から「国が事業計画をやめるときは全額還付が当たり前」「還付金は
新たに支出が増えるという話ではない」との説明を受けたという。
 このため、同党は1460億円の全額還付は利水関連事業費の負担者が利水者か
ら国に変わる「公会計内での負担者の変更にほかならない」と強調。新たな支出増に
は当たらないとの見解を示した。


  


Posted by やんばちゃん at 12:05Comments(1)報告

2009年07月17日

フジテレビの「ダムに沈む」観ましたか?

 15日の朝日新聞全国版社会(第三社会面といったらよいのでしょうか)37面の「もっと知りたい」の欄で、ほぼ四分の一のスペースを割いて、八ッ場ダム問題が掲載されています。
 内容は目新しいことはなく総集編的に、下流に移転した度々マスコミに登場するおなじみの水没者の方の感慨を通して、これまでの歴程を記した後に、昨今の現地の様子を記述し、最後の方で「政治にもみくちゃにされる八ッ場ダム」としめくくってます。

 全国版(13版)ですので、(皆さまご覧になれるとおもいますので)記事は省略させて戴き、見出しのみを。
  
  【2009年7月16日(木) 朝日新聞 13版 社会37面】  
見出し: 八ッ場ダムに疲れた地元  今さら中止と言われても

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      7/11 午前3時20分~のフジテレビ、観ましたか?
 ところで、去る10日の晩というより、翌11日の3時20分~4時15分 フジテレビ放映の1時間番組「ダムに沈む」をご覧になった方はいらっしゃいますか?
 私は10日早朝~数日間 イベントで出かけていたのですが、午後、同局ディレクターから携帯にルス電があり、番号に電話するとフジテレビなのでした。
 ただし、この段階で彼の言うのは「午前3時~」なのでした。
 「再放送の予定は」と問うと、「不明」とのことでした。
 持参していた朝刊のテレビ欄を観て、正しい時間と題名を知った次第。
 
 この方はここ二~三年、川原湯を中心に撮り続けてました。
 長野原町内外のいろんなイベントで、度々お会いしていたので、顔みしりになり、辛口をたたくこのオバさんにも、最後に思いついて知らせてくれたのだと思います。彼もたぶん、一人でも多くの者に観てほしかったのでしょうね。
 ダム問題に対するスタンスは多少異なりますが、気持ちは良く解りますので、おそらく登場するだろうと踏んだ方たちを除き、長野原町のお知り合いなどに出来るだけ電話をしました。ご年配でビデオの操作は苦手な方たちばかりなので、窮余の策
として役場にかけて撮っておいて貰おうかなとまで考えたものでした。ですが、なじみのある職員たちが留守ばかりで…… 
 本日、八ツ場のおトモダチ的な皆さんに伺いますと、やはり時間が時間だけに誰も観ておらずでした。
 あれだけ、丹念に撮りダメしてきたのに、急遽、しかもこの時間帯に放映とは、テレビ局の意図は何なのだろうと思えます。

 なお、反骨精神に充ちたある水没地の方は、「国交省の金で撮るんだら、断る」とそれまで、格好の被写体として数回、撮影させた某テレビ局のスタッフたちを追い返してしまったものでした。

 この方が断った背景には、拙著「八ッ場ダムー足で歩いた現地ルポ」の中で記してありますが、移転する前の第一小学校の子供たちを描いた「八ッ場のこどもたち」の制作にあたって、TBSビジョンと国交省の間の契約金は五千万円だったのです。
 当時、各分野ごとに多くの業種がむらがってました。お金のことは記すものではないとの示唆も受けましたが、私は八ッ場ダム工事事務所の閲覧室に通って、不慣れな契約書類をメモし、追跡調査をしたものでした。
 そのことを水発関係者の皆さんに伝えますと、「自分たちの生活再建は疎かなのに、そんなとこにも大金が使われていたのか」と地域に衝撃がはしったものでした。
 この作品はTBSはもちろんBSi、地元や他県のテレビ局で次々と、放映宣伝されたものでした。
 
 ですので、気骨のあるこの方は、潔しとせず、訪れるたびにスタッフに苦言を呈したようでした。
 でも、本当にこの方はとっても絵になるキャラクターなのです。
 そして内心、元気な農作業姿を映像にとどめておかせたい気持ちもあって、いささか惜しまれるものも走ります。
 
 私自身,まだ観てないので作品の質には言及できないのですが、ある時ある場所で遭遇した時、「あれ、出来すぎているよね」と申しますと、彼も目もとでうなづき「そりゃ、入ってますよ」と若者の張りのある声で応えてくれたことがありました。
 創造力の分野では特に、ヤラセや作為的なのは良くないことが基本感覚の私は、行政やマスコミ(昨今は市民運動までも)の“川原湯中心主義”にはなじめないけれど、この一点で、彼はやはりものを生み出す根本はおさえていると感じられ、一脈の心の響きあいを覚えました。で、この時「連絡先を」と問われた際には、しばし迷いはしましたが、素直に応じたものでした。
 そんなわけで、作品に接してみたいものです。

  


Posted by やんばちゃん at 00:25Comments(0)八ッ場だより

2009年07月15日

踊らされまい! 還付金問題に

 都議選の勝利、痛快でしたね。
 民衆はいつまでも愚かではない。革命の原動力はいつの世も“民の怒り・力の結集”であることを実証してくれました。

 数日間、「メール環境」から離れている間に、7/9付(※8日深夜、0時を回って翌9日に)でアップした8日の地元紙・上毛新聞にセンセーショナルに報道された「還付金」問題について(※同日、読売新聞群馬版にもあり。翌9日には朝日が800億円報道)、公開質問書などの動きがありました。
 これは、7日開催の自民・公明の推進派県議の会合の席で、国土交通省関東地方整備局の幹部の建設負担金についての発言。ストップすれば、「法の規定で全額の1460億円の還付が必要」と語ったことに端を発しているわけです。が、

 そもそも間違えてならないのは、
一、 還付金は別問題。また、総事業費の枠にいれて語るのは、そもそも間違い
   中止になれば「総事業費は確実に減る」ということです。
二、また、負担金問題は「ストップの暁」に考えれば、良いことではないでしょうか。
   まず、ストップです。
   施策はその時々の力関係・熱のある民意で決着するものではないでしょうか。最初から法律を作って進むものでもなく、その時点の民意に基づく政治力が突き動かすものです。
 
 《総事業費4600億円》のうち、 (08年度までに支出した) 《3210億円》を引けば、確かに《1390億円》しか残らず、国側が勝手に「全額返還しなければならない」と主張する還付金の《1490億円》の方が、額が大きいのです。が、明らかにこの幹部発言は混乱しています。それを得意げに大本営発表する推進議連。報道するマスコミもまた迷走状態です。ですので、思わず私は前回「焦ってませんか、自民党さん」と揶揄してしまった次第なのです。
 しかも、
① 進捗率から考えても、完成時までに残金の1390億円だけで完成できるはずもありません(できるなら、公言通り、やってみてほしいものです)。

 以下、三点は我流のいささか極論じみた私見ですが、
② 次に、4600億円→8800億円にも達する想定金額を私たちは試算してます(※ここには水特法・基金事業並びに起債の 利息など含む)。私も拙著の巻末に値上げ後の試算表を添付しましたが、これなどは関東地方整備局の職員から計算方法を懇切に教えてもらいながら行ったものでした。
  (絶対にダムを完成させたくはないけれど、仮に完成した場合)、私たちの試算通りで考えてみると、今、3210億円の段階  で ストップすれば、単純計算でなんと3分の1の費用で、ピリオドを打てるのです。
③ しかも、一都五県の首長にとっては、裁判に勝利して、首長自身のポケットマネーで多額の賠償金を払わなくても済みまし  た。そこへもしかしたら国からなんと予期せぬ負担金返還がもたらされるのですから?、ダム中止に異論はないのでは?
  ムダさ加減を最も熟知しているのは、行政職。 保守政権の「鉄の結束」から離脱できない締め付けに縛られているだけだと  思えます。
④ とはいっても、1460億円でも800億円でも、私たちの血税の公金には間違いなく、おろそかにはできません。
  ただし考えれば、私たちの知らない処で腹だたしいほどの巨額のムダな投資が行われているのです。
  八ッ場ダム事業の愚策がひろまって「無意味な公共事業」の宣伝費と考えれば、今後の世相への啓発効果が大きいのでは ないでしょうか?  
   
 今般の報道には“まやかし”があり、論旨の誤りを指摘することは必要です。
 が、結論として、事業費とストップ後の還付金問題は別問題なのですから、踊らされてはなりません。 
 中止を想定し、かの党独特の筋違いの、「中止にすればもっと支出が増えるぞ~」式のおどかしキャンペーンで惑わそうとする相手の土俵にまともにのっかって深追いしすぎると、巻き込まれて「木を見て森を見ず」の構図に陥いってしまいそうで、先々妙なことになりそうな危惧があります。
 ともかく私たちは、市民運動の本道を貫き、あくまで地道に一歩づつ歩み通すまでではないでしょうか。
 
 実はかつて、ある極めて聡明な水没地の方から、「気持は分かるけれど、間違っても市民運動の皆さんは、〈「工事が遅い〉とか〈代替地を早く造れ〉とかは言わない方が良いですよ。それは天皇家が三種の神器をくれてしまうようなものと同じですから」との示唆を戴いたことがあります。

 なお、地元民は妙におちついていて、「こちら側=ダム反対派」と信頼していた○○さんにまで「民主党が勝つときまったわけじゃねぇ」と不気味な発言を繰り出されてしまいました。確かにそうです。
 しかも、数か月前の現地情報には、現地の推進派のうろたえ声に、さる筋?から「民主党は仮にやっても一期。また自民党に戻るから、ダムのことは安心しろ」の言葉もあると伝わってます。
 ① ともかく選挙は魔物。自民党群馬県連の“鬼の強さ。その団結力”はすさまじいものです。地元推進派を束ねる自民党関   係者、の落ち着きはらった見通しの裏にはどんな手段があるのか怖いです。
 ② 望み通り民主党が勝っても、「連立政権」がさやかれている昨今です。
   その場合は政治家お得意の“政治的取引”にて、もしかしたら「八ッ場中止」などのマニュフェストでさえも、吹き飛んで反故   になってしまうかもしれません。もともと民主党の半数は保守系。
                                               以上

 ..........................................................
 
 さて、一連の「負担金増」問題の余波の動きを、9日以降の県内報道面から整理しますと、
 ①【2009年7月10日(金) 上毛新聞一面下段】
   http://www.jomo-news.co.jp/news/a/10/news03.htm
   八ッ場ダム 国交省に公開質問書   反対派 中止時の負担金還付で
   【2009年7月10日(金) 読売新聞群馬版】
   八ッ場反対派が 国に公開質問書   建設中止の費用巡り
   【2009年7月11日(土) 朝日新聞群馬版】
    http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000580907110001
   国交省に質問書  八ッ場ダム中止「800億円負担増」で県議の会

② 【2009年7月11日(土) 上毛新聞一面 2面にも関連記事】
    鳩山氏「八ッ場は中止」 会見で明言  衆院選の争点に  

 これらを受けて、以下に転載する、都議選の民主党躍進の翌朝の上毛新聞には、8日の記事とほぼ同一内容を一面トップの扱いでまたも掲載。くどいまでに大きな記事がかえって、前述の私見を裏付けて違和感を感じさせませんか。

/////////////////////////////////////////
【2009年7月13日(月) 上毛新聞一面トップ カラー写真 図表付き】
  国交省 自民:中止で還付、支出増 
  反対派 民主:拡大解釈、必要なし
「八ッ場」負担 1460億円争点に   《選択》 迫る衆院選’09 

 【写真キャプション】ー水没住民が移転予定の川原畑地区代替地。急ピッチで工事
              進む。奥の対岸に見えるのが川原湯地区代替地
【図表】
 八ッ場ダム建設事業費のイメージ図
  ....................................................
                   ーー《総事業費4600億円》ーーー
            (08年度までに支出した)        / (08年以降に支出予定)
               3210億円             /    1390億円
...................................................
  治水面   (国費と群馬など1都5県の直轄負担金)  / (生活再建関連)
  54、6%        1750億円             /   770億円
  ................................./ (ダム本体工事関連) 
  利水面   (利水者が負担する。群馬・東京・埼玉等) /    620億円
  45、4%       1460億円(※国の負担金含む) /   ※ともに概算額 
................................................... 
  
 国が長野原町で進める八ッ場ダム建設事業の是非が、事業を推進している自民党、中止を主張する民主党などの間で次期衆院選の争点となることが確実となる中、中止した場合の支出の問題がにわかにクローズアップされている。国土交通省関東
地方整備局の幹部は自民・公明の推進派県議の会合で、本県などが支払った建設負担金について「法の規定で1460億円の還付が必要」との見解を示し、中止した場合、継続する以上の支出を伴う可能性を指摘。これに対し、県内のダム反対派や民
主党関係者らは「法の拡大解釈。還付の必要性はない」と反論する。

  「政権選択」の行方 本体着工を左右も
 同事業は事業費4600億円のうち3210億円を水没地域の代替地や道路整備などで昨年度までに支出済み。このうち同ダムの利水面の利用予定者(利水者)である群馬、茨城、千葉、埼玉、東京の5都県などが、ダム利用を前提に1460億円を
支払ってきた。

    国交省が見解
 同ダム建設は特定多目的ダム法に基づく事業。同法12条は利水者のダム使用権設定の申請が「却下され、または取り下げられた時」に納付済みの負担金を還付するように定めている。
 同整備局河川計画課によると、国の政策判断などでダム建設事業を中止する場合は「やむを得ず利用予定者の申請を却下」という形で12条に該当する。さらに同法施行令14条の規定により、還付額は「利用予定者の撤退による事業縮小、中止以
外は納付済みの全額」になるという。
 この法解釈を背景に、同整備局の金尾健司河川部長が7日、県庁で開かれた推進派県議の会議で「利水者がダムに賛成した状況での中止だと、一般論としては1460億円の還付が必要」と説明。地元の生活再建事業費として想定する770億円も加えると、このまま事業を継続した場合の1390億円を上回るとの見解を示した。

     国民の意思を
 これに対し、反対派の市民グループ「八ッ場あしたの会」などは同法が「ダム使用権設定を希望する自治体が多かった時期につくられた」などを理由に、同法12条の”却下”は「ダム使用権設定者が多すぎる場合に申請を退けるケース」と主張。「事業者(国)の判断のみで中止する場合は同法で想定されておらず、”却下”とは別のケースだ。法律を拡大解釈している」と真っ向から否定する。
 次期衆院選の県版マニフェストで同ダム中止を掲げる民主党県衆院選対策本部も同じ理由で国交省の金尾部長の見解を否定した。「ダムに反対すると、推進派から必ず出てくる財源比較論だ。巻き込まれるとダムの必要性という問題の本質が見えなくなる。選挙で国民の意思として中止を決めてもらう」(中島政希群馬4区総支部代表)と強調する。

    県版公約明記
  水資源機構が片品村で進めていた戸倉ダム建設事業。2003年度の中止時、八ッ場ダム同様にダム本体には着工しておらず、道路の付け替え工事などを進めていた。総事業費1230億円のうち334億円が投入されていた。
 八ッ場ダムと違い水資源機構法に基づく事業だが、支出済みの334億円のうち埼玉県、東京都など利水者の利水負担分111億円は、そのまま各利水者が負担した。 ただ、戸倉ダムの場合は利水者が自ら撤退を決めた場合なので、金尾部長が
仮定した「利水者がダムに賛成した状況」とは異なるとみられる。
 衆院議員の任期満了まで2ヶ月を切り、自民党県連は同事業促進を県版マニフェストに盛り込むことを検討。民主党は県版マニフェストに加え、鳩山由紀夫代表が政権獲得後の八ッ場ダム建設事業中止を明言するなど同ダムをめぐる姿勢は一層、明確化してきた。
 次期衆院選は同ダム本体着工前の最後の国政選挙。結果次第では中止の可能性もあるだけに、選挙戦に向けて負担金をめぐる議論がさらに活発化しそうだ。 (報道部 西山健太郎)



  


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2009年07月10日

今度は負担額800億円に?

 八ッ場ダム中止の場合の負担額について、昨日7/9の読売新聞の記事です。
 7/8の読売新聞には、上毛新聞ほどのセンセーショナルな記事ではありませんでしたが、②の記事が小さく載ってました。従って、それに対する修正を兼ねた訂正記事のようです。
 詳しく背景や解説めくことなども記したいのですが、この後ちょっとの間、メール環境から離れます。出掛前の時間に急かれて心ならずも、記事のみアップ。

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① 【2009年7月9日(木) 読売新聞群馬版】
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000580907090001

「建設中止なら800億円負担増」国側説明
 民主党が総選挙のマニフェストで中止方針を示す国営八ツ場ダム(長野原町)について、現時点で事業を中止した場合には、国が下流の5都県にこれまでの負担金1460億円を還付する必要が生じる可能性があることを国が明らかにした。民主党の主張通りダムを中止して生活再建を続けた場合、現行の残る事業を続けるよりも約800億円多くかかるという。自民党県議らの八ツ場ダム推進議員連盟の会合で7日、国土交通省関東地方整備局が説明した。
 特定多目的ダム法(特ダム法)は、利水者のダム使用権設定の申請が却下または取り下げられたときは、利水者がすでに納付した負担金を還付するよう定めている。
 同局によると、ダム建設事業費4600億円のうち、09年3月末までに3210億円を使っている。うち利水者の5都県が負担している全額1460億円が中止した場合の還付対象になるという。
 国交省治水課の説明では、特ダム法施行令は、利水者が事業から撤退した場合などを除き、中止までの負担額を還付するよう規定している。過去に還付した事例については把握していないという。
 同局の金尾健司河川部長は「お話ししたのは一般論で、現段階で中止はまったく想定していない」とした。
 八ツ場ダムをストップさせる市民連絡会の嶋津暉之代表は「ダム事業者の判断のみで中止する場合は特ダム法で想定されておらず、拡大解釈して全額返還が必要だと言っているのではないか。実際には、利水予定者の合意を得た上で中止されるので、還付額はゼロになるはずだ」と話している。

② 【2009年7月8日(水) 読売新聞群馬版】 
 「中止」は継続より支出増の可能性」  国交省指摘

  ----省略ーーー


  


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2009年07月09日

ストップして、国から還付金もらっちゃおう!!

 本日8日のおもしろい記事を送ります。
 それは、たぶんに眉唾的な、自民党県議団・推進議連による、まったくの“大本営発表型”の上毛新聞一面の記事。
 「ダム中止の場合には、5都県に還付金を返すことになるぞゥ!」といういかにも保守王国・自民党群馬県連がくりだしそうな恫喝的な内容です。
 ?……でも、仮に真実ならば、この財政厳しい昨今、予期せぬ還付金が国から戴けるとなれば、案外、喜んで一都五県の都県民のみならず、知事さんたちまで、(裁判に勝ったばかりなのに)「八ッ場ダム中止」に賛同することにつながるのじゃないでしょうか。(どっちにしても、国はムダ使いばかりなのですから)。
 「自民党さん、焦ってますねぇ。これじゃ、意図に反して、逆効果になりませんか?」と申し上げたい。
 それにしても、大本営発表的ニュアンスを見破ることも出来ずに、垂れ流す地方新聞社の記者も記者。真実を掘り下げる記者魂はどこへ行った。

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【2009年7月8日(水) 上毛新聞一面 中段】 
 http://www.jomo-news.co.jp/news/a/08/news02.htm
 
 八ツ場ダム中止でも多額支出  
   国交省整備局幹部が見解  5都県などに「1460億還付」


 国が長野原町で進める八ツ場ダム建設事業の推進を目指す県議らでつくる推進議員連盟の会議が7日、県議会庁舎で開かれた。民主党が次期衆院選のマニフェストに同事業の中止を盛り込む方針を示していることから、中止した場合の影響について国土交通省関東地方整備局の金尾健司河川部長に説明を求めた。金尾部長は本県を含む5都県などが負担した1460億円の還付が必要になるとの見方を示した。
 金尾部長によると、八ツ場ダム建設事業費4600億円のうち3210億円が昨年度までに支出済み。このうち1460億円は完成後に水道用水や工業用水など利水面でダムを利用する予定の5都県などが負担しており、事業を中止した場合、特定多目的ダム法の規定によって全額を還付する必要があるという。
 また、残りの事業費1390億円のうち770億円は国道やJR吾妻線の付け替え工事や代替地造成などダム建設に伴う地元の生活再建関連事業に使う計画。金尾部長は「ダム中止後も生活再建を継続した場合、還付金と合わせて2230億円が必要。ダム事業を継続した場合の1390億円を上回る」と説明した。
 これに対し次期衆院選の県版マニフェストに同ダムの建設中止を盛り込んだ民主党県衆院選対策本部は「(国の説明は)あくまで既存の枠組みで判断したもの。国はこれほど大きな公共事業を中止した経験がない。中止した場合は法改正も視野に、新しい枠組みをつくって取り組むことになる」と反論している。
 会議には自民・公明の県議25人が参加した。
  


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2009年07月08日

小渕優子さんに八ッ場から辛口批判出た!

 同じく、去る3日の朝日新聞の二つのちょっと面白い記事の転載を。

 最初は、この間、地元住民の間では、周知の認識であった以下の土地問題が記されています。
 なお、現地の土地事情などには、個人名が特定されてしまうので記せませんが、まだまだこの種の、知られざる内情があります。
 上記の記事は群馬版ですが、同日、全国版4面「政権選択・世襲」の項で、小渕優子さんが群馬5区・八ッ場ダム予定地の地図とともに登場。
 なんと、見出しは「威光に陰り 地元に不満ー群馬5区の小渕優子少子化相」。
 テーマは世襲議員への論評ですが、去る一月、私達が長野原町行政と話し合った前日の急な八ッ場入りの背景も記されていました。。
 全ては周りがガードしているらしく、当初は、平板過ぎる紋切型あいさつ語の羅列ばかりのあいさつ。聞いていると「少しは本質にふれた発言してよ」とうんざりした“お嬢さん政治家”だった小渕さんに対し、このような辛口の記事が出るのは珍しいのではないでしょうか。
 ……批判が出るのは、大人のほんものの政治家になった証拠?  ご一読を。

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① 【2009年7月3日(金) 朝日新聞群馬版トップ 写真】http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000580907030001
  予定地に共有地8カ所
 【写真 キャプション】ーー八ツ場ダム建設に伴い、水没する川原湯温泉街=長野原町の川原湯地区

 国土交通省が15年度の完成を目指している八ツ場ダムで、用地買収が遅れる可能性があることがわかった。長野原町川原湯地区の水没予定地には8カ所の共有地があり、295人の相続人がいるが、所在がつかめなかったりダムに反対の立場だったりする人も含まれているとされるからだ。国交省は「交渉を急いでいる」としているが、3度目の工期延長にもつながりかねない。(菅野雄介)

 地元関係者によると、共有地は、川原湯温泉の共同浴場「王湯」周辺や神社、橋周辺、墓地など。8カ所で計約5500平方メートルある。
 登記簿では、王湯付近の土地は366平方メートルあり、1919(大正8)年の売買で32人の共有名義になった。その後、40(昭和15)年に相続で16人分が、04年1人分の名義が変更されただけで、残りは大正時代の名義のままだ。
 41(昭和16)年に43人の共有名義で登記され、04年に1人分だけ名義変更された土地や、21(大正10)年に登記されたままの共有地もある。
 当時の制度上、土地を購入した行政区「川原湯区」が、行政区名義では登記できず、住民の名前を借用したとみられている。
 国交省八ツ場ダム工事事務所によると、共有地は名義人から子や孫に代替わりし、現在295人が法定相続人となっている。用地買収は住民らの移転代替地、JR吾妻線や国道145号の付け替え工事などにかかわる土地を優先していたため、約2年前、水没予定地の共有地の存在に気づいたという。
 法務省民事局によれば、基本的に相続人の同意なしに名義変更や譲渡などの処分はできない。このため同事務所は、相続人に依頼文書を送って理解を得て、川原湯区へ名義を変更した上で買収する方針。
 だが、相続人は移転するなどして全員の所在確認は簡単にはいかない。また地元関係者は「名義人の中には(ダム反対の)共産党の支持者もいる。交渉は簡単ではない」と話す。
 本体工事などの関係上、用地買収は12年度に完了させることになっており、同事務所では「所在確認を急ぐ。早く理解を得るよう死に物狂いで努力するしかない」と取材に説明した。
 「地元の理解を得られない」として、土地収用法に基づく強制執行手続きは取らない方針だ。
 ダム計画がスタートしてから57年もの時間の経過が権利関係を複雑にした格好。
 八ツ場ダムはこれまで2度、工期を延長してきただけに、地元では「また先延ばしか」 との声も漏れている。


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② 【2009年7月3日(金) 朝日新聞4面 「政権選択・世襲」】
 民主党の鳩山代表が「コンクリートの方が大事で、人の命を粗末にする政治」の例に挙げ、同党のマニフェストで中止がうたわれることになった八ッ場ダム。その建設予定地は、自民党の小渕優子少子化担当相(35)の地元・衆院群馬5区にある。
 小渕氏は父の故・恵三元首相から地盤(後援会)、看板(知名度)、カバン(資金)を継ぎ、00年総選挙で初当選した。父が企業・団体献金の受け皿とした「党群馬県ふるさと振興支部」も継承、父が竹下登元首相の下で築いた「さい銭方式」と呼ばれる小口献金の収集方式も踏襲した。
 祖父の光平・元衆院議員から3代目になる世襲議員の典型。そんな小渕氏の足元にも「政権交代」の波は迫る。
 「地元の国会議員なのに何もしないのはまずい」
 「ダムを通過するだけで視察したことがない」
 ダム湖に水没する長野原町の川原湯温泉で、小渕氏への不満が町議らから沸き起こったのは昨年8月、鳩山氏が視察し「中止宣告」をしたのがきっかけだった。
 隣の草津温泉より酸性の弱い「草津の上がり湯」として知られるが、ダム建設に伴う補償を待ち望む旅館経営者は少なくない。民主党が政権を取ればダムは白紙になるーそんな不安から、小渕氏への不満を募らせた町議らに押される形で、自らも旅館を閉じた高山欣也町長が1月に集会を開き、小渕氏を呼び寄せた。
 6月26日に議員生活10年目に入った小渕氏は「世襲だから駄目だと言われないよう、初当選時から一生懸命頑張ってきた」。だが、党県連関係者は「優子氏はアイドル。仕事は周りがする」。初当選から陳情のほとんどは父の時代からの秘書がさばいてきた。南波和憲県連幹事長は「3回目までは親の選挙、4回目の次が初めての自分の選挙」。そろそろ独り立ちしなければ有権者が離反しかねない、との危機感がのぞく。
 「最年少閣僚」「閣僚初の妊娠」で話題を呼び、磐石に見える小渕氏だが、前回総選挙は「小泉旋風」が吹き荒れる中、初当選時より2万票近く減らした。04年には伯父の光平中之条町長(故人)が町長選でマニフェスト選挙を展開した新顔に大敗。後援会トップの柳沢本次元県議は「小渕家が国政も町政も長年独占してきたのは許されないとの批判が出てきた」と分析する。
 「選挙がいつあるのか本当に心配。臨月になって遊説車の窓から顔出したら怒られるかな」。小渕氏は同21日、地元での講演で苦笑した。懐妊を発表した2月には後援会幹部に「2人目(の妊娠)が始まっちゃったの。選挙前で大臣で忙しいのに、しかられちゃうわよね」と漏らした。
 ただ、民主党にとって、「世襲」の壁はなお高い。「八ッ場ダム中止」を打ち出しながら対抗馬を擁立しない。表向きは社民党候補への支援を理由にしているが、本音は「世襲に挑戦するのは大変」(党関係者)。
 小渕氏は26日の記者会見でこう語った。「げたを履かせていただいている。他にやりたい若手がいても出られない環境にある。新たなルール作りをしていただく必要がある」  (鶴岡正寛)
  


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2009年07月08日

民主 八ッ場廃止事業に

 同じく、遅ればせながら、去る7/2(木)の朝日新聞一面の以下の記事を転載させて頂きます。
 新聞の折り目の上に 「八ッ場ダム・アニメの殿堂」の見出しが来て、それは目を引きました。
 「ダム中止」が現実味を帯びだし、地元はやはりショックを隠せず、より強気になっているようです。
 また、自民党さんが、対策として“次の一手”を繰り出すことでしょう。どんな妙策かしら……ね。

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 【2009年7月2日(木) 朝日新聞全国版一面  中段】  
http://www.asahi.com/special/08014/TKY200907010413.html
民主、「無駄削減」を例示、八ッ場ダム・アニメの殿堂 
 
 民主党は1日、衆院選マニフェスト(政権公約)で打ち出す廃止事業を固めた。政権に就いた後の4年間で、川辺川(熊本県)、八ツ場(やんば)(群馬県)の両ダム建設を中止し、国直轄事業を半減する。政府の09年度補正予算に計上された「アニメの殿堂」は執行を凍結。補助金改革や天下り先法人改革などを合わせた「無駄づかい削減」により、9.1兆円の財源確保をめざす。
 同党の原案では、政権交代した後、すぐに「アニメの殿堂」や官公庁の施設整備費を盛り込んだ09年度補正予算の執行を凍結する。
 また10年度以降4年間で直轄事業を半減するなど、公共事業のうち1.3兆円を節約。公務員給与の削減など人件費を見直して、1.1兆円を生み出す。
 さらに、国家公務員の天下り先の独立行政法人・公益法人などへの国の支出や随意契約を見直し、不要な法人を廃止する。補助金改革も含め6.1兆円節約できるとしており、全体で9.1兆円の「無駄」を削るという計画だ。
 川辺川ダムは菅直人代表代行が代表時代に中止を掲げ、八ツ場ダムは昨年8月、幹事長だった鳩山代表が現地を視察して「無駄な公共事業は中止する」と明言。他のダム事業も見直し、01年に国会に出したことがある「緑のダム法案」を成立させ、人口増など水需要増大を前提とした建設事業を順次凍結する。
 今回の原案は、今年4~6月に09年度当初予算の事業を検証した「事業仕分け」作業をもとにマニフェスト準備検討委員会で固めた。09年度予算の2767事業から抽出した100事業・計9452億円について検証。「改善可能額」は全体の24.3%にあたる、計2295億円に上るとしている。
 民主党が主張する「無駄削減」に対し、与党は「現実的でない」などと疑問視する。このため民主党は廃止事業の具体例を示すことで、批判をかわしたい考えだ。
 また10年度予算編成では、子ども手当創設や高速道路無料化、ガソリン税などの暫定税率廃止といった目玉政策を優先的に計上し、各省への内示は最終予算額の9割程度にとどめる方針だ。(北沢卓也、松田京平)

  


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2009年07月08日

水戸地裁 敗訴の報告

 前橋の負けいくさの後、水戸地裁まで行ってきました。
 ご承知のように、これで三連敗。
 東京・本県と三度目の今回の判決を間のあたりにして、覚悟はしていても、あんな、 国におもねた追従機関的な司法界ならダムと同じく不要・無用な存在。議員よりも税金のムダづかいだとしみじみ実感。
 本当に「司法の改革」が求められてなりません。 
 
 積もる雑用に、当日朝まで迷いましたが、、(幾つかの関係イベント中から)、枯木も山の賑わいなれど、何は置いても、やはり「裁判傍聴」に駆けつけるのが、八ッ場に連なる者の使命感に基づく仁義? とばかり、急ぎ身度。
 それにしても、往復360㌔の距離は、ここの処の強行日程にゲンナリの身体には応えました。帰途は、まさに新聞記事の見出しのごとく、「3連敗」のさまざまな落胆度も加わって、よりきつかったです。
 現地の当事者の皆様の心身ともの疲労度は、いかばかりだったでしょう。
 判決後の集会は密度濃く、伝え聞いてきたスタッフの皆様の取組みの高さを垣間見せさせていただけました。

 遅ればせながら、報告に代えて、6/30の水戸地裁の判決を伝える、群馬版記事を。
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 【2009年7月1日(水) 読売新聞群馬版】
   http://www.yomiuri.co.jp/e-japa
 八ッ場3連敗市民団体落胆  水戸地裁もダム容認

 国が長野原町で進める八ッ場ダム建設に、茨城県が負担金を支出するのは違法として、市民団体「八ッ場ダムをストップさせる茨城の会」のメンバーが、同県の橋本昌知事らを相手取って、支出差し止めなどを求めた訴訟で、水戸地裁は30日、「支出は違法とは言えない」などとして、訴えを退けた。ダムに支出する6都県で同時に起こされた訴訟は、東京、前橋の両地裁に続き、原告の全面敗訴となった。
 原告は、いずれの訴訟でも、利水と治水の両面でダムが不要と主張したが、水戸地裁の判決は「水道事業者は、ある程度余裕をもって水源確保を行うことも、裁量の範囲として許される」「ダムは利根川の治水上一定の役割を果たし得る」などとして、県側の主張を認めた。
 前橋で訴訟を起こしていた「八ッ場ダムをストップさせる群馬の会」の浦野稔代表は、判決について、「少しでも住民の意見をくんだ判決が出ればと期待していたので、非常に残念。今後は、東京都議選や次期衆院選が焦点になる」と話した。

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② 【2009年7月1日(水) 上毛新聞 第二社会面】
   茨城も住民側敗訴  八ッ場ダム訴訟 3件目、水戸地裁で
 国が長野原町で建設を進めている八ッ場ダムの事業費を負担するのは違法として、茨城県の住民約20人が県に支出差し止めを求めた訴訟の判決で、水戸地裁の坂口公一裁判長(異動のため窪木稔裁判長代読)は30日、住民側の訴えを退けた。
 判決は「ダムの治水効果が見込めないことが明らか、といった特段の事情は認められない」とした。
 事業費を負担する6都県の住民189人が各地裁に一斉提訴した訴訟で3件目の判決。5月11日の東京地裁、6月26日の前橋地裁はいずれも住民側の訴えを退けた。
 原告は①首都圏は水余り状態で、人口減少でさらに顕著になる②現地の地盤はもろく、ダム建設で地滑りの危険性が増す③ダムの治水効果はないーなどの理由から「ダムは不要」と主張。県は「現在確保している水源では不足が見込まれるため、ダムは必要不可欠」と反論している。
  


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2009年07月07日

前橋地裁判決 報道記事③

三回目、その③です。
残りの東京・産経二紙です。
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⑤ 【2009年6月27日(土) 東京新聞群馬版 写真】http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20090627/CK2009062702000122.html  
    八ッ場ダム訴訟 地元でも原告敗訴  「当然の結果」/「納得できぬ」  判決に複雑な反応 
  【写真キャプション】  判決への不満や手応えを話す原告団や弁護士ら=前橋市 の群馬弁護士会館で  

 地元裁判所の結論も「必要」だった-。国の八ッ場(やんば)ダム(長野原町)建設事業の是非をめぐる訴訟は、五月の東京地裁に続き、前橋地裁も原告敗訴の判決を下した。被告の県やダム建設を受け入れた予定地の住民は“連勝”を「当然の結果」と冷静に受け止めた一方、原告側は「残念だが、一部の主張には理解を示してくれた」と不満と評価が入り交じる複雑な反応を見せた。(山岸隆、中根政人、加藤益丈、神野光伸、菅原洋)  

 「東京地裁は木で鼻をくくった印象の判決だった。前橋地裁は個別の論点で丁寧に判断してくれた。人間味を感じた」 判決後に地裁近くの群馬弁護士会館であった原告・弁護団の会見。訴えそのものは全面的に退けられたことから全体弁護団長の高橋利明弁護士は「法的評価は変わらない」と厳しい表情を崩さなかったが、一歩前進むという手応えをにじませた。
 前橋地裁判決は、県の水需要は減少傾向にあり、ダムを建設せずに水を供給することが「おおむね可能との見解にも理由がある」と指摘し、原告の主張に寄り添った。 しかし、八ッ場ダムの水源確保が必要とする県の主張は「著しく合理性を欠くとは言え ず違法ではない」と結論付けた。 
 原告の一人で「八ッ場ダムをストップさせる群馬の会」の浦野稔代表は「不要で危険で無駄な公共事業だと立証してきたが、司法は行政の主張を認め、住民の主張を認めない。到底納得できない」と怒りの声を上げた。   
          ■   ■  
 これに対し、激しい反対闘争の末に集落ごとダム湖畔へ移転する生活再建案を受け入れた地元住民は一様に安心した様子。長野原町の高山欣也町長は「予想通りの判決。一日も早い住民の生活再建に向け全力で取り組みたい」と語った。
 ダムで水没する川原湯温泉街も周辺の代替地に移転する。同温泉旅館組合の豊田明美組合長は「ほっとした。妥当な判決だ」と評価。八ッ場ダム水没関係五地区連合対策委員会の萩原昭朗委員長も「当然の結果で喜んでいる。一番の心配は(八ッ場ダム建設中止を訴える)民主党が政権を取った場合。これ以上、地元を混乱させないでほしい」と訴えた。
 また、大沢正明知事は「妥当な判決。ダムの必要性が認められ、評価している。この問題で地元の人々が長い間苦しんできた。一日も早く完成させ、地域の生活再建にしっかりと取り組みたい」と語った。 

 ーーー【解説】ーーー 
 国が進める八ッ場ダム建設事業の是非が争点となった訴訟。原告の訴えを完全に退けた五月の東京地裁判決に続き、前橋地裁も県の建設負担金支出を認める判決を出したことで、ダム建設を支持する司法の姿勢が一層鮮明になったといえる。
 訴訟で原告は「国がダム建設の根拠としている水害や水需要の予測には現実性がない」と強く批判してきた。判決は「原告の主張は、建設計画の誤りや違法性につながる理由とはならない」としたものの、ダム建設の正当性を積極的に認める根拠は示さなかった。
 八ッ場ダムは、無駄な公共事業の一つとしてやり玉に挙げられてきた一方で、地元が長年の反対闘争の末に建設を受け入れた歴史的経緯もある。水没予定地区の住民の移転計画も並行して進む中、無責任な議論はすでに許されない段階にある。
 判決は、八ッ場ダムが抱えるこうした複雑な事情にも触れておらず、ダム建設への疑問を完全に解消した内容とは言い難い。計画では、ダムの完成まであと六年。国や県には、ダム建設の正当性を証明するための客観的な情報を示す責任がある。
(中根政人)

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⑥ 【2009年6月27日(土) 産経新聞群馬版】http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/gunma/090626/gnm0906261133003-n1.htm                 
   八ツ場ダム訴訟住民敗訴 前橋地裁  

 国が建設を進める八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の事業費を群馬県が負担するのは違法だとして、住民19人が県知事らに支出差し止めを求めた訴訟で、前橋地裁(松丸伸一郎裁判長)は26日、住民の訴えを退ける判決を言い渡した。
 事業費を負担する6都県の住民計189人が各地裁に一斉提訴した訴訟で、判決は5月の東京地裁に続き2件目。ともに住民敗訴となった。
 原告は(1)首都圏は水余り状態で、人口減少でさらに顕著になる(2)想定する洪水規模が非現実的に大きい(3)現地の地盤はもろく、ダム建設で地滑りの危険性が増す-などの理由から「ダムは不要」と主張。県は「ダムがなければ将来の水需要は賄えない」と請求の棄却を求めた。
 5月11日の東京地裁判決は「東京都の将来の水道需要予測に不合理な点は認められない」として住民側の訴えを退けた。


  


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2009年07月05日

前橋地裁判決 報道記事②

 二回目、その2です。
 朝日、読売新聞群馬版の記事を送ります。

 ところで、一回目にご紹介したTBSテレビの放映は、7/3までの1週間限りでしたね。
 多忙にまぎれて再度観られずにきたのですが、気がついたのが、本ブログにアップが終わった、7/4の午前1時半ころ。たった2時間前まで観られたのにと、とっても残念でした。とっても良くまとまっていた上に。自分も映っていたので、残念さが増すのです。
 ところで、下記のFNNテレビはまだ、観られるのです。が、ここも時間の問題だと思います。しかし、保存方法が分からないのです。
  【FNNテレビ】http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00157943.htm

 そこで、皆様に保存技術教えて戴きたいと思います。よろしくお願いいたします。
① このようなメディアのサービスをパソコンから、技術的に、バソコンもしくはコンパクトフラッシュなどに保存が可能なのでしょうか。
② また、それは?許される行為なのでしょうか。(もちろん、本人が映っていたり、会の記録として必要な場合にです)
③ どなたか、前橋判決の報道を録画された方が、いらっしゃいますでしょうか?
   当日は、マスコミはほぼ全社見えてました。
   私は、NHKと群馬テレビは、録画してあります。

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③ 【2009年6月27日(土) 朝日新聞群馬版 写真二葉】 http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000000906270002 

 八ツ場ダム前橋訴訟 住民側敗訴   地裁「県の裁量範囲」 原告側、控訴の方針   

 【写真①キャプション】 閉廷後の記者会見で、前橋訴訟の判決内容を説明する原告側弁護団=前橋市大手町3丁目の群馬弁護士会館 
 【写真②キャプション】  国道145号の新ルートとなる湖面3号橋。手前の林地区と対岸の横壁地区を結ぶ。後方中央の山は丸岩=長野原町林 

 国が長野原町で計画中の八ツ場ダムに、県が建設費負担金を支出するのは違法だとして、市民団体が知事らに支出差し止めなどを求めた住民訴訟で、前橋地裁(松丸
伸一郎裁判長)は26日、「行政の裁量の範囲だ」として原告側の主張を退ける判決を言い渡した。同様の訴えは関東の他の5都県でも起きているが、東京訴訟の判決と同じ結論だった。原告側は控訴する方針。
 前橋訴訟は、将来の水需要▽治水上の必要性▽建設予定地の地盤▽地滑りの危険性――などの観点から、負担金の支出が適当だったかが争われてきた。
 判決は、市民団体の主張に理解は示したが、いずれの争点についても「県側の判断は合理的で違法性はない」と断定した。
 例えば水需要。市民団体は県の1日の最大給水量は、97年度の111万トンを境に06年度は93万トンにまで落ち込んでいると指摘。新たな水源は不要だと訴えてきた。
 判決は「水需要の減少傾向がうかがえる」と原告側の主張に同意したが、「水源確保が必要との県の主張は裁量の範囲を逸脱していない」と結論づけた。「都の水需要予
測に不合理な点はない」と認定した東京訴訟と同じだった。
 治水上の必要性については、東京訴訟が「八ツ場ダムの治水効果が乏しいとはいえない」として必要性を肯定したのと同じく、前橋訴訟でも「吾妻川流域で唯一の洪水調整ダムとして、群馬県を含めて下流域での水害防止には必要だ」と断じた。
 建設予定地の地盤については、「地盤が脆弱(ぜい・じゃく)だと認められない」、地滑りの恐れについても「国は地滑りが発生する可能性の高い場所への対策を講じている」として県の違法性を認めなかった。
 八ツ場ダムは1952年に計画された。首都圏の将来の水源確保と洪水調整などが目的。総事業費は4600億円(群馬県負担は216億円)で、今年3月末までに3215億円を使った。本体工事は今年秋に着工予定で、2015年度に完成予定。 

           結局はダムありき■関心ない 
  前橋訴訟の判決について、大沢正明知事は「八ツ場ダムの必要性を認めた妥当な判決だ」と記者団に話した。
 国土交通省も「群馬県にとって治水、利水の上でダムが必要だと認められたと考えている。15年度の完成に向けて着実に事業を進めていきたい」としている。
 一方で、原告側の市民団体「八ツ場ダムをストップさせる群馬の会」は閉廷後、前橋市内で記者会見し、判決を不満として控訴する意向を明らかにした。
 高橋利明弁護士は「前橋での判決は、東京訴訟の判決の焼き直しというかコピーというか。何とも残念だ」「各争点について検討した結果を丁寧に説明してはいるが、結局はダムありきで判決が構成されている」とまくし立てた。同席した広田次男弁護士も「判決は到底納得できない」と言った。
 八ツ場ダムをめぐる訴訟は04年11月、「八ツ場ダムをストップさせる市民連絡会」が、関東6都県で一斉に訴えを起こした。今月30日には茨城が、12月22日には千葉がそれぞれ判決を迎える。「いずれか一カ所の地裁でも勝訴できれば、ダム建設は止められる」としている。 
 熱を帯びた市民団体とは正反対に、ダムの建設予定地の住民の反応は冷たい。
 川原湯温泉観光協会長の樋田省三さん(44)は判決を聞いても、「(仮に原告勝訴でも)すぐ地元住民に影響がある話ではないので、何と言っていいのか分からないけど関心がない」と冷めた口ぶり。
 川原湯温泉で飲食店を経営する男性(55)は「控訴するなんて迷惑。やっと地元は生活再建の方向で建設を受け入れたのに、建設が止まったら、またおれたちは見捨てられるのか」と漏らした。 

        不要性の立証責任 住民側に課すは酷 
 五十嵐敬喜・法政大教授(公共事業論)の話 行政権の裁量の範囲を過分に認めた判決。将来的な水の需要や洪水の発生具合は正確に算出できず、住民側に不要性の立証責任を課すのは酷だ。なぜ必要かを立証すべきなのは行政側ではないか。
 ダム事業はあまりにも時間がかかりすぎ、地元住民は「いまさらやめても困る」と言っているのは悲劇だ。既成事実の積み重ねで、今さら止めてもしょうがないという心証を裁判官に与えてしまっているかもしれない。八ッ場ダムが不要の長物になることはほぼ確実だが、裁判官はどう責任を取るのか。

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④ 【2009年6月27日(土) 読売新聞群馬版 ※紙面半分を記事と判決要旨に】 
※読売新聞は第二社会面にも「八ッ場ダム訴訟 群馬も住民敗訴」の記事あり
  http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20090626-OYT8T01158.htm  

 ダムの必要性認定  八ッ場訴訟 原告敗訴  「東京判決の焼き直し」 控訴の方針   抗議声明を発表  
 【写真キャプション】  「不当判決」と書かれた紙を掲げ、判決に抗議する原告側弁護士ら(26日、前橋地裁前で)  

 国土交通省が長野原町で進める八ッ場ダム建設事業への県の負担金支出について、市民団体のメンバーら19人が前橋地裁に支出差し止めなどを求めていた住民訴訟は、26日、原告の訴えを退ける判決が下された。利水・治水の両面でダム建設は不要として6都県で同時に起こされた住民訴訟は、5月の東京地裁判決に続き、原告の全面敗訴となった。原告は「不当判決」として控訴する方針を明らかにしたが、計画浮上から半世紀以上の月日が経過し、早期推進を求める地元住民からは安堵(あんど)の声が聞かれた。
 5年近くにわたった裁判で、原告側は、ダムが利水、治水両面で不要な上、ダムサイ ト予定地の岩盤が脆弱(ぜいじゃく)な恐れや、周辺の地滑りの可能性などから安全上の問題もあると主張してきた。
 特に利水面では、県が県全体の長期的な水需要計画を策定していないにもかかわらず、ダムに参画することを違法と主張した。判決では、「県における全体的な水需要予測が不要とは言えない」「現時点で水需要が減少傾向にあり、新たにダムを建設せずに必要な水を供給することは可能との見解にも理由があるとは思われる」などと原告の主張にも一定の理解を示したものの、県が企業誘致を重要方針としていて工業団地への新たな配水が見込まれることや、地下水から川の水への水源の転換が必要であること、渇水に慎重に備える必要があることなどについて県の主張を認め、「ダムによる水源確保が必要とする県の主張は違法ということはできない」と結論付けた。
 また、治水面で判決は、洪水予測が過大などとした原告の主張を、「県として起こり得る大規模洪水に万全の備えをするという判断を、著しく不合理で違法とは言えない」と
退け、安全性については、原告の主張は「せいぜいあり得る危険性を指摘するにとどまる」とした。
 判決を受け、原告の市民団体「八ッ場ダムをストップさせる群馬の会」のメンバーや弁護団は前橋市内で記者会見し、控訴する方針を明らかにするとともに、「判決は無駄な公共事業を積極的に奨励するものにほかならない」との抗議声明を発表した。
 弁護団の高橋利明弁護士は、「東京地裁判決の焼き直しと思えるほど表現が酷似していた。地盤や地滑りの危険性は若干丁寧に説明されていたが、基本的に東京判決と構造は同じ」と批判。6都県で訴訟を起こした市民団体連絡会の島津暉之代表は、「残念な結果」としつつ、判決が利水面でダムが不要との見解を一定評価したことを挙げ、 「我々の主張も一定程度認めざるを得なかったということだ」と述べた。

               知事「妥当な判決」 
 判決を受けて大沢知事は記者会見で、「ダムの必要性が認められた妥当な判決。1日も早いダム完成と地域の生活再建に向けてしっかりと取り組んでいきたい」と述べた。
 八ッ場ダムの事業費は4600億円で、このうち利水や治水で恩恵を受ける1都5県が10~952億円を負担、群馬県は約216億円を負担することになっている。
 地元長野原町では関係者から安堵の声が聞こえた。 高山欣也町長は「ほっとしている。すでに東京地裁の判決もあり、予想通りの結果だが、地元での判決だけに重みがある」と語った。町内では人口流出が進んでおり、「ダムを造らないと町はもう立ち行かない。国には早く事業を進めてもらいたい」とした。 
 水没地区にある川原湯温泉街でも、ダム事業による生活再建を待ち望む声は大きい。樋田洋二・川原湯地区ダム対策委員長(62)は、「負担金を差し止められれば、我々は生活できなくなる。判決は当然の結果だ」と喜んだ。水没地区住民の代替地への移転も始まっており、「長い年月を経て、新生活がようやく現実になりつつある。ここでダムを止めるなんて論外」と反対運動への反発も漏らした。

        判決要旨 ーー略ーーー  


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2009年07月04日

前橋地裁判決 報道記事①

去る6/30 の前橋地裁の判決記事を転載します。
実は全記事一覧を、水源連メールに入れた処、ひどい「文字化け」となってしまってました。
また長すぎると読みにくいこともあり、苦肉の策的措置として分割していれてみます。
第一回は映像と地元紙・上毛新聞の記事を。
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【TBSテレビ】http://news.tbs.co.jp/20090626/newseye/tbs_newseye4168258.html
   【FNNニュース】http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00157943.htm
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 【2009年6月27日(土) 上毛新聞 1面・関連記事21面】
  八ツ場ダム訴訟    原告、前橋でも敗訴
     地裁判決 負担金「違法ではない」
 
 国が建設を進める八ツ場ダム建設事業費に県が負担金を支出するのは違法として、建設反対派の市民グループが大沢正明知事らを相手どって支出差し止めなどを求めた住民訴訟の判決公判が、26日、前橋地裁であり、松丸伸一郎裁判長は「支出が合理性を欠く違法なものとはいえない」として、原告側の訴えを退けた。原告側は控訴す る方針。 事業費を一部負担する6都県を訴えた各住民訴訟の判決は5月の東京地裁に続く2件目で、ともに原告側の敗訴となった。※【関連記事21面】
 松丸裁判長は判決理由で、同ダムの利水上の必要性について、「本県の水需要は減少傾向でダム以外の手段でも水の供給が可能」とする原告側の主張に一定の理解を示しつつも、「県が事業に参画して安定的な水源を確保する必要性は否定し難い。将来起こり得る渇水への対策の必要性もある」と県側の主張を認めた。
 治水面でも「1947年のカスリーン台風で大きな損害を受けた県として、大規模な洪水に万全の備えをする判断もあり得る」と指摘した。原告側が主張したダム周辺の地滑りの危険性については「対策が不十分または不可能な事情はない」として退けた。
 住民訴訟は2004年11月、不必要なダムへの負担金支出は違法として群馬、埼玉、東京、千葉、茨城、栃木6都県を相手に各地域で一斉に始まった。
 原告側の「八ッ場ダムをストップさせる群馬の会」の浦野稔代表は判決後の会見で「到底納得できない。今後も裁判を戦っていきたい」と強調。大沢知事は「ダムの必要性が認められた妥当な判決。一日も早いダム完成と地元住民の生活再建に取り組みたい」と述べた。
   ※【関連記事・21面】
 八ツ場ダム訴訟    原告側「最高裁まで」
        地元住民 冷ややかな見方も
  
 「不当判決だ」ー。国が長野原町で進める八ッ場ダム建設事業に反対する市民グループの訴えを退けた26日の前橋地裁判決。東京地裁に続く原告側の全面敗訴に、原告や支持者から落胆と憤りの声が上がった。一方、ダム完成後の生活再建を見据え地元住民の間では訴訟に対する冷やかな見方もあった。
 原告の「八ッ場ダムをストップさせる群馬の会」は判決後、地裁前で「不当判決」と書かれた紙を大きく掲げ、口々に判決を批判。同会の鈴木庸事務局長は「地元のことを考慮していない事実上の門前払い。最高裁まで闘う。6都県の訴訟のうち1カ所でも勝てれば良い」と力を込めた。
 判決後の記者会見では6都県の住民訴訟の統一原告団・弁護団士のメンバーらが「残念だ。東京地裁判決の焼き直しにすぎない」 「次期衆院選で野党が勝ち、ダム事業をストップすることも期待したい」と語気を強めた。
 一方、激しい反対闘争などを経てダム建設を受け入れた長野原町は複雑な思いで訴訟を見つめている。川原湯温泉観光協会長の樋田省三会長は「住民訴訟というが、原告に水没地区の住民は一人もいない。自分たちは早く代替地で新しい生活を始めることを望んでいる」と強調。高山欣也町長は「予想通りの判決でほっとした。国は自信をもって工事を進めてほしい」と歓迎した。

  


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