2009年07月19日

国有資産等所在市町村交付金への夢、潰えるか

 一連の還付金問題に、(市民運動も)踊らされたしまった感のある、数日間でした。

 八ッ場ダム57年間の歴史には、今般の例のように、水没地の民意を「ダム建設」に収斂させるために、このような誤認が多々あったことでしよう。
 外部への支援を頼まず情報公開のなかった現地では、往々にして、お上=自民党→町の要職や実力者によって、建設に都合の良い情報のみ、流されてきたように感じられます。
 従って、ダム建設は“意図的に作られた民意”と呼べましょう。
 
 この意味で私たちは、本年一月、(「市民運動の連中は一方的な聴きがきばかりしねぇで、町の代表の議会関係と話し合え」のご意見に素直?に従って)、長野原町との話し合いに臨みました。
 そして、その際に強調したことに、「現実に反故にされてしまったことが多いじゃないですが。もっと怒るべきであり、事実を確認すべきですよ。例えば完成後に入るという《国有資産等所在市町村交付金》でさえも」と、この《国有資産等所在市町村交付金》の試算を示し、夢見ている額よりも少ないことを伝えました。
 国は先々のきちんとしたことは伝えたがらないので、「早目の確認」によって、その過程で、国のインチキが浮かびあがり、推進の歯止めの一助になるものと考えたからでした(※なお、当方は最良と信じての言動ではあったが、独立した自治体の長野原町さんにとって、ある意味では「大きなお世話」的越権行為と受け止められかねなくもなかったことでしょう)。
  
 しかし、早くも半年後には、今度は私たちの願い通り、「中止」の色が濃くなりつつあります。
 けれど、総選挙まで一か月余もあり。権謀術策にたけた保守政権のなりふり構わぬ巻き返しも予想されるので、まだ決定したわけでなく、楽観視は許されません。

 今朝も水没地の方と話ました。
 問題は「どこで線を引くか」ということに尽きるようです。
 この方は残留組のおひとり。
 「移転済み」の方たちは、もはや「完結」とみなすしかなし。問題は残留組の自分たちの今後の措置に尽きるとのことに話は落ち着きました。
 虫くいだらけの道路・施設。その道路や明地にはびこる雑草の草刈り処理ひとつでさえに困惑してしまうそうです。
 
 仮に、政権交替になれば「何でもかんでも色よくやってくれる」はずの頼みの綱の口約束は、今度は決定的に反故同然となることになってしまいます。
 ダム完成の暁には、《国有資産等所在市町村交付金》によって莫大な交付金が入ると説得。昨今は、破たんしかけている町財政がまもなく潤うと、町民の皆さんに夢見させ来続けてきた、ダム推進派幹部の責任問題もまた、何事もなくこのまま霧散してしまってよいものでしょうか? 
 そして、この方たちはいち早く“取得できるものはくまなく皆もらって”安全圏でいることが口惜しいのは、私一人だけでしょうか。



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Posted by やんばちゃん at 12:13│Comments(0)八ッ場だより
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