2010年12月21日

八っ場ダムは自民党復権の“錦の御旗”なり

 小寺前知事が亡くなられたようです。
 まず冒頭に、本日13時半に雨宮隆児さんによって、もたらされた以下の速報を。
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 八ッ場ダム問題にも因縁浅からぬ小寺前群馬県知事が逝去されました。
 県職時代から建設省と地元との間にあって様々な動きをされていたとの伝聞から八ッ場を知る生き証人の一人だっただけに残念な急逝です。謹んでお悔やみ申し上げます。
◆小寺弘之氏死去 前群馬県知事(共同2010/12/21 12:06)
http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010122101000256.html
 小寺 弘之氏(こでら・ひろゆき=前群馬県知事)21日未明、東京都文京区の病院で死去、70歳。自宅は前橋市大手町3の12の18。葬儀・告別式は未定。
 旧自治省出身。群馬県副知事などを歴任後、91年の知事選で初当選し4期務めた。10年の参院選には民主党から比例代表で立候補、落選した。

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 さて、開通式と同じ19日、やんば館で以下の「八ツ場ダム推進議連1都5県の会」が開催されていました。
 各マスコミには開通式と併記さりれています。
 16時半、ちょっと前、やんば館に寄ろうとしたら、何やらものものしい雰囲気。
 「申し訳ありません。ここは4時半までなんです」と切れ味のよさそうな若手の男性3人ほどに阻止された。さほど急を要さなかったがあえて、「トイレだけですけれど」と添えると、一瞬、余地有り的な態度になり、それとなしの表情を浮かせた。
 で、「いいですよ。こんな物々しい雰囲気の処にはおじけづきますもの」とUターンしつつ、「何か今日、あるんですか?」と問う。「会議が開かれているんです」。
 (この時、あの来賓たちはどこで食事をとリ休憩したのだろうとまだいぶかしく思っていたから)、「今日の祝賀会関連のものですか?」と重ねて問う。「いいえ、そうではなく別のです」とのこと。
  村の寄り合い的な会でも? でも、その手の会合にはまだ、ここは貸さないはず。それにロビーにいる方たちの雰囲気も違う。確かに16時半なのだから、会議があったとしても終了のハズだが、二階からは、終了間際のそんな気配は感じられなかった。
 後で聞くと15時~開催された由。報道によれば、自民党関係者に加え、大澤知事はじめ、祝賀会参加のメンバーも参加したらしく、「打倒、民主党!!」で熱気にあふれていたとのこと。
 おっしゃる通り、ここの閉館時間が16時半なのだから、会議も定刻で終了だったのでしょうね? でも、聞くところによれば、出席した地元町議や有力者の殆どが熱烈な発言をしたそうですので、時間的にどうだったのでしょうか? 
 
 これってレキッとした政党関連の会ですよね。やんば館を使用する際の規定には、確かいろいろあったはずだけれど、これで「政党」関係にも貸すという、既成事実が堂々とできたのですから、今後の会場探しは楽になろうというもの。
 それにしてもです。国交省は、やはり前政権=自民党のものということが如実に浮かび上がってきました。
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【2010年12月20日(月) 朝日新聞群馬版 写真あり】
 http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581012200002
   参院に建設推進決議も
 【キャプション】八ツ場ダム建設へ気勢を上げる自民党の国会議員や地方議員、地元参加者ら=長野原町

 八ツ場ダム(長野原町)の建設推進を掲げる下流都県の都県議24人と、自民党国会議員でつくる「八ツ場ダム推進と利根川水系の治水・利水を考える議員連盟」の10人が19日、住民代表との意見交換会を同町で開いた。菅直人内閣の支持率が低下するなか、民主党政権の「失政」の象徴として八ツ場ダム中止問題を追及する発言が相次いだ。(菅野雄介)

 「東の八ツ場、西の普天間が民主党政権のアキレス腱(けん)だと言ってきたが、最近は南の尖閣、北の北方領土、西には諫早湾と増えてきている」
 会を主催した「八ツ場ダム推進議連1都5県の会」会長の三原将嗣都議が、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題、尖閣諸島の領有権問題、長崎県の諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門問題などを例に挙げ、政権批判の口火を切った。
 隣の草津町が地元の山本一太参院議員は「(与野党の勢力が逆転して)ねじれている参議院が主戦場。民主党の姿勢を追及して、政権交代の流れをつくりたい。政権交代した瞬間に八ツ場ダム建設は再開する」と話した。
 ダム建設を推進してきた旧建設省OBの自民党議員は、「民主党政権をつぶして、我々がダムを造るしかない」(脇雅史参院議員)、「ねじってねじって解散に追い込む」(佐藤信秋参院議員)、「土木屋の一人として、ダム中止は許せない」(福井照衆院議員)と語気を強めた。佐藤氏は年明けの通常国会の参院国土交通委員会でダム推進を決議する見通しを示した。
 地元側からは大沢正明知事や長野原、東吾妻両町の町長や町議、地元ダム対策委員会の役員らが参加した。
 水没関係5地区連合対策委員会の萩原昭朗委員長は「自民党の皆さんが応援してくれているのに(馬淵澄夫国土交通相とは)会えない。大臣と会うかどうかは皆さんの了解を得て進めていかなければならない」と発言した。
 「ダムがなくて(下流に)大きな被害が出た時に、民主党は責任をとれるのか」(星河由紀子・長野原町議)といった政権批判と自民党に期待する声が続いた。

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【2010年12月20日(月) 東京新聞群馬版 写真あり
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20101220/CK2010122002000086.html
八ッ場ダム 推進議連が意見交換会 長野原町で住民と
 【キャプション】地元住民の意見を聞く国会議員ら=長野原町で


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Posted by やんばちゃん at 23:35│Comments(2)八ッ場だより
この記事へのコメント

>国交省は、やはり前政権=自民党のものということが
>如実に浮かび上がってきました。

そうなんでしょうか? 
国交省は確かに今の政権をなめきっています。(なめられるようなことをしまくるから)。

「自民党=ダムを作りたがる」は確かかもしれません。しかし「国交省=ダムを作りたがる」は本当?
 国交省が前の政権と親密だったのは「ダム推進だから」ではなく、深く懐に入り込んでいて操縦術を心得ていたから。
 ときに鬱陶しい(どう考えても不要な)道路造りやダム造り予算について族議員の言い分を聞いたのも、阿吽の呼吸の取引(ここはあんたの顔を立てるから、あとはこっちの考えでやらせてね)があったからだ、ということだろうと思います。

 それに「国交省は、やはり前政権=自民党のもの」という簡単な(マスコミ受けしやすい)フレーズは、あたかも「民主党政権がしっかりすればダムは止められる」と民主党に期待しているかのごとく受け取れないこともない。

 「コンクリートから人へ」というスローガンは悪くなかった。でも民主党政権はこの2年数ヶ月、およそそれらしいことは実行していないではありませんか。呆れるほと断固として行ったのは「新防衛大綱」づくり。自民党時代の専守防衛のタテマエもかなぐり捨てて「行動する防衛力」だって!!!!

 私の見るところ、官僚機構はもう自民党が昔の体質で返り咲くとは思っていない。結構手を焼いているのは地方草の根のちっぽけな利権体質。銀の匙をくわえて生まれてきた2世・3世のお坊ちゃん国会議員とは違う、あしたたかというか、何というか・・・

 まだ私もこの辺りを言語化できません。「都会のインテリ」とは異なる心象、異なる思考回路の「何か」です。
 永田町の民主党vs自民党とは関係ない、霞が関官僚にとってもつかみどころのない「何か」。
 
この得体の知れぬものに、ずっと接近しながら、勘を働かせて情報を拾い上げてきたのが、鈴木郁子さんの優れているところ。

 首都圏の底の浅いマスコミや言論界のモノの見方に絡め取られないで下さいね。期待しています。


 
Posted by 近藤ゆり子 at 2010年12月26日 01:02

近藤様

 いつもながらの鋭く奥深い、それでいて情味あふれるご指摘ありがとうございます。
 ……なるほどと眼を見開かせられました。
 お忙しい中、拙い当方のブログに眼を通してくださいまして、本当に、感動ものです。
 丁寧にご返礼したいのですが、今日は“露天商のオバさん”の日。しかも、人出が少なく、かなり売れのこっちゃって、さきほどまで寒い中、何やかやと後片付け。
 身体がガタガタになってしまいました。
 (家にいられるのなら、残り物も活用できるのだけれど、)明日の早朝~、今度は例の“出稼ぎ労働”に出かけねばならず…… これからその荷造り。
 で、何とも時間に急かれてしまっておりまして、意をつくせず申し訳ありません。
 
Posted by やんばちゃん at 2010年12月26日 21:06
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八っ場ダムは自民党復権の“錦の御旗”なり
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