2010年07月04日

八ッ場育ちの稲、「イワンの馬鹿」的顛末記

八ッ場育ちの稲、「イワンの馬鹿」的顛末記
 去る5/30の、「八ッ場で田植えだよ」のイベントの際、写真の苗を1ケース、もらってきました。稲の種類は、寒さに強い寒冷地用のひとめぼれだったと記憶します。

 素人集団の植え方への不備をみこんで、田の所有者で主催者のHさんは補修用に十二分の苗を用意してくださっていたのでした。加えて、いち早く植え付けの済んだ現地参加組の、極めて親切なIさんも、この朝、農協さんで購入のケースを三つも持参してくださっていたようでした。
 そんな経過で、苗は3ケース以上もあまってました。後々の補修用に、田の端にまとめて取っておきはしますが、そんなに必要なく、その纏めて植えたものは、米には結実しない由。

 で、この欲張りおばさん、「捨てるしかない」と聞くや否や、「じゃあ、貰って行く」と反射的に言ってしまったのでした。
 実はこのオバさん、10年目を迎える、居住地域の耕作放棄地のクリーン作戦の事務局、昨年からは代表なのです。
 小寺知事時代に開始された「道普請型クリーン大作戦」の書類締切前日、地域内を時間ギリギリまでかけずり回って、参加者を募ったものですから、会員数は多いのです。
 まさにロシア民話に出てくる、日没までに歩けるだけ歩いてより多くの土地を手にしたものの、ゴールにたどり着いた途端に絶命した、あの主人公の精神でした。
 が、ほとんど誰も作業に出てくれない現実にさらされています。この10年間、さらに川のクリーン作戦などの各種の事務局として浪費された時間を思うと、私も違わず、命取り的なものとなってしまってます。
 
 ために孤軍奮闘。
 お蔭さまで、昨年の春~夏にかけては幸か不幸か、お金もかけずに5㌔近くも痩せたのでした。
 発足時に、頼んでなってもらった会長も投げたのだから、解散すれば良いのに、猫やイノシシと同じく、走り出したら最後、「退却」の2文字を知らないらしいのです。
 で、その三枚、合計4反の土地の内、もともと水田だった二枚の田には、まだ水口があって、前に町役場に「止めて欲しい」と頼んでも、どういうわけか締め切って貰えずそのままになっていて、田植え時には水がしみ出ているのです。
 なお、この水利権というのは面倒で、組合から抜ける時には、先に10年間分の会費を納めるものとの由。ために、払えていないようで、1年のばしで累積した未納金は莫大な金額になるらしいのです。

 で、閃いたのが、そこに植えれば良い。残りは、水はけの悪い田、もう一枚の田に植えれば良しと。
 昔は「オカボ」と言って、畑で稲を育てたことだってあったじゃないかとの小さい時に親たちが口にしていた言葉を思い出し、強気で貰ってきたのでした。写真の苗は、帰宅後、すぐに作業できず、水につけておいたのでかなり傷んでます。もともとはすばらしく緑つややかな立派な稲苗でした。
 「また、シャイナシなことを始めて」と思っているらしい、近隣の農家の方に問えば、「オカボには、モチ米を蒔いたんだよ」とのこと……

 ところで、往生しました。
 二枚の田に分散して、合計四カ所に植えたのは良いのでしたが、高崎市近郊の地で田植えが本格的に始まるのは、6月半ば近く。隣の田の耕作者は手広くやっていられるので遅いし、近場の大農地は、昨今は麦作のみの営農集団(4町以上にまとまれば、政府からの奨励金の出る耕作者集団の名称、失念)。
 ようやく植え付けた苗は、6月初旬の照りつける陽ざしにチリチリ状態。隣の田の田植えが済んで、その水が土手から流れ込んでくれるまでの、この間の朝晩の水くれに往生。ヘトヘトに。
 よくよく,、こどもの時に読んだ、教訓のつまったあのロシア民話集の中で、唯一題を覚えている「イワンの馬鹿」の“馬鹿さ加減”を、またも味わい尽くしました。

 そんなこんなの日々の最中、八ッ場のHさんから、「植えたかい」の電話あり。
 「ハイ。毎日、水くれに往生していますよ」
 「肥やし、くれなきゃ、米にならねぇよ。用意しておくから、取りに来なよ」との有り難い電話。
 でも、実家の自然食の酒販店に出入りする農業従事者たちの心意気にならって、全て有機栽培。
 考えてみたら、(肥料代に廻す予算もないこともあるのですが)3枚の耕作地に化学肥料はこの10年間つかっていないのです。我が家の庭というか畑は、およそ40年この方、無農薬。
 ご厚意を無にできないけれど、しばし逡巡。
 おそるおそる切りだして問うと、有機に近いと言うので、ひと安心。
 二週間ほど前に、戴いてきました。
 本日の日曜日は、回覧板を廻して予告の作業日。ところが、いつもの通りに人員集まらず。
 まぁ、そろそろ何か、施さないと地がやせてきているのは分りますので、思い切ってくれてみるつもりです。
  
 ダメになるかと思った稲苗は、本職の廻りの田にあまり差がつかず、今の処は育ってくれています。
 この八ッ場育ちの稲、処違えてもスクスクと、果たして本ものの米になってくれるでしょうか?


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Posted by やんばちゃん at 23:57│Comments(0)八ッ場だより
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