2010年04月11日

セリ摘み、真っ盛り。ワサビもたっぷり頂戴

 家の中のことはほったらかしで、今日も、八ッ場へ出かけた。
 電車でみた八ッ場の景色はかなり変わっていて、急いで写真に収めておかなければならないからである。
 それに、実はお米も底をつきかけていた。
 八ッ場のハンデエ米は、下手なコシヒカリに通じる。
 否、それ以上だ。 
 
セリ摘み、真っ盛り。ワサビもたっぷり頂戴


  
 昨日、電車で手掛ける際には、いつも分けてもらうCさん宅にも何とか立ち寄って、お米を持てるだけ、ニ㌔でも3㌔でもいいから、分けて貰って帰ろうくらいに考えていた。
 しかし、昨今の百姓仕事などの強行軍がたたってか、足腰が急激に痛くてならなくなっていた。それでも、川原湯~温泉街~上湯原に抜け、向う見ずに歩きだしてしまった。
 道半ばで、ヘトヘト状態でとてもムリ。
 川原湯温泉駅に戻ろうにも戻るのも大変。考えたら、乗り下り自由の青春18キップではないか、目的地に近い方の駅まで、電車に乗れば良かったのだ。通りゆく、下り列車を見ながら、悔いた。
 今回の初動ミスは、栄橋付近で、このお宅に電話して済ませようとしたら、ルス電にもなっていない。迷いつつ、何回か電話を入れつつ歩を進めてしまっている間に、ここまで歩いてしまったこともあった。
 
 国道の夜道は怖い。
 立ち寄れればいいなと思ったDさんの仕事場も、そういえば、本日は土曜日でもあってか、灯りがなかった。普段は何気なく走っていたが、上湯原橋から、ここまでこんなに距離があるとは思わなかった。
 
 そして、ようやく伝えたい朗報やご相談ごともあったEさんの家近くまで、ようやくたどり着いた。
 幸い、おずおずと戸口に立つと、「さっき、仕事が終わって、帰ったばかりだ」とのこと。
 そういえば、このお宅の畑の脇を通ったら、肥料をこねた跡があって、臭かった。庭の車からも肥料の匂いが漂うっている。
 通常は仕事が終わると、車をきれいに洗われるのだけれど、今日は手間取られたのだろう。それともお年をとられて、昔ほどこなせなくなったのだろうか。
 この間、4キロほどの道のりと伺った。このくらいなら、以前の私なら、平気のへいざものであったのに…… 人並みに同じく老化現象だ。
 火の温もりのある処で休ませてもらって、少し痛みが軽くなったので、辞去しようとしたら、「ホラ、あったけえから喰っていきな」とEさんは大振りのお椀に、モチ入りの雑炊を山盛りよそって出して下さった。
 先ほどから、冷凍庫を空けたり閉めたりして、何やらモチを焼きだしのは、どうやら夕餉の雑炊に急いでモチを入れて、急に舞い込んできて、迷惑な私の食事分として、分量を増やしてくださったらしいのだ。
 有り難かった。 いつも、的確ながらも辛辣なことばかり言われるけれど、本当に心の温かく、その人の置かれている状況を読み取るのが巧みな方なのだ。
 でも、私はどういうわけが、のどを通らなかった。
 車中で姉の作った惣菜ものをパクつき、菓子類も食べ、八ッ場で牛乳二本をのみ、その家で頂いたヨーグルトもたいらげたばかりだったからである。それにこの頃、不思議にも食欲があまりわかないのだ。
 結局、昼間、ご高齢の身で重労働をこなし、家事一切もこなされ、最もご負担をかけてはならない、疲れきっているこの方に、駅まで載せてもらうことになってしまった。
 青春18切符の“消化活動”に強引につきあわさせられた姉からも、出がけに注意を受けたばかり。「自分だけで出来もしないことで、身内ならともかく他人様にまで迷惑を欠けるなよ」と。
 
 昨夜、帰宅の道々、気持ちばかりの礼として、何がよいかなと考えた。
 閃いたのは、いつも農作業に追われているEさんに、昼の弁当を持って行くことであった。料理上手なこの方からは、「あんたの作るものはちっとも旨くねぇ」と言われているので、最近は避けて、もっていく時は市販の弁当にしているが、何となく今朝はショウこりなく、ありったけの米を炊いて、感謝をこめて、また作る気持ちになったのだ。
 一緒に畑で、久しぶりに野良弁しようと心弾ませていた。
 もし、いつもいらっしゃるお手伝いの方もいれば、その方に食べてもらうつもりで、何とか二個分、用意できた。
 
  途中、ルス電には入れておいたが、昼の用意をしないうちにと、やんば館でのトイレ休憩もせずにどこにも立ち寄らず一目散にかけつけたが、すでに11時半。
 ところが、いつもの場所にみえない。
 ようやく、お会いできたのは1時間後。
 ただし、昨日の有機肥料を、各農地に配分して撒いた重労働がたたったらしく、本日はダウンらしい。
 昨夜は、その疲れ切った身体で、この我がままおばさんを駅まで載せて下さったのだ。車の中まで、肥料の匂いがプンプンとしていたっけ。
 昼げの仕度を始めていたらしい。
 「サッパリとしたものが食べたくなったんだい」とのこと。心こめて、色どり良く作った、私にしては上出来のカツ丼は昨日、食べたばかりとのことで、ガックリ。が、「じゃあ、良かったら後で食べてくださいな」と、いつか回転すしの中で、最も好きなものとか話していたのを思いだして、急きょ炊いたブリのアラ煮も添えながら、伝えた。いつものことながら、ルス電は用をなさない方なのであった。
 
 王者と呼ばれる動物でも、自分の弱い面は見せたくないもの。
 80歳半ばでも、日頃は健淡ぶりを誇っている、この方の心情を推し量って、昨日は伝えきれなかったあることのみを手短かに伝え、その関係書類をお見せして、早々に退散。この場合は一刻も早く、立ち去ることが礼儀なのだ。
 背後で、「この大根は、味が染みていねぇや」とおっしゃている。でも、この相変わらずの辛口批評をおっしゃるれるなら大丈夫と、内心ほっとしつつ、辞去した。

そんなわけで、独りでの昼げとなった。
 あちこち、場所を思ったが、結局、トイレ休憩もあって、やんば館前の久森水田で食べることにした。
 怖いような急坂を下って、吾妻川を見下ろせる、とっておきの場所に陣取って、私にとっては久しぶりのその弁当にパクついた。一面のクローバーの上に広げたら、セリ摘み、真っ盛り。ワサビもたっぷり頂戴思わず、写真に収めておきたくなった。
 一時、幸せ感に充たされる。ついでに、左手でお手製弁当をついばみばみなから、左手にカメラを持って撮ったのがこの写真。背後は久森水田。後ろ手は2号橋。           セリ摘み、真っ盛り。ワサビもたっぷり頂戴        
 まさに、陽はウララ。眼下に紺碧色の吾妻川が流れ行く。水量が多い。
 この吾妻川を撮ろうとしたら、「ピッ」と音がする。
 あっと思うが仕方ない。電池切れ。ウ~んと思うが仕方ない。
 
 昨日、立ち寄った際に、「写真、撮らなければならないけれど、歩きじゃどうにもならないから明日も来るつもり」と伝えたFさんが、今朝、電話をくださった。もう終わりだよと言っていた農産物だけれど、他の場所をみたら自然に芽生えていたという。「あるけど、どうするい」と。 自然に出たのなら極めて貴重なのだから、喜んで戴くと伝えてあった。
 その際に「くるんだら、早くきた方がいいよ。天気がくずれりゃ、写真はダメだんべから」と言われていた。でも、なぜか青空が広がっていて、絶好の撮影日和だったのに。(なお、実際、夕方は雨に変わった)
 これじゃ、仕方ない。電池じゃなく専用器による充電式なのだ。今度からは車に入れておこうとひらめく。
 ここの処、いつも出していた写真現像店が移転してしまったので、自分でパソコンに移動しているので、予想外に電池が減ってしまっていたらしい。 
 (後ほど、この家に寄って、「写真撮るどころか、なんと電池切れ」と話すと、またもかという声で、「いつも、そうだいのう」と揶揄された)。 

 食後は、今年初めての田ゼリ摘み。
 さきほど地主のお一人、Gさんには「今年も、採らせてね」と御断りしてきた。Gさんの家のは極上品。
 今年はのんびりとしていたら、成長が早いらしく、大きくていいけれどちょっと盛りを過ぎとしまったようである。
 最近は雑用があり過ぎて、まだだろうなと思っていたら、今年のセリの季節は早く巡りきていた。
 お宅で新聞折り込みされたという、本日の「見学会・学習会」のチラシをみせてもらった。なんと、学習会の会場は上のやんば館であった。私はすっかり駅前の建物だと思い込んでいた。
 出れば、出られる。でも、昨夜来からの情報によれば“なぜか非公開”の由。「でも長野原町にはチラシが配られていて“公開”だよ」と笑ったが、下手な軋轢はもう避けたい。それよりも、私はセリとりに徹しようと心に決めたのだ。
 青空と対峙する。
 ウソブソしいわだかまりが空に吸われていく。
 吾妻川の水の流れも、こんな清々しい空のもとでは、妙にいとおしくなる。

 そのうちに、やはり顔みしりのHさんが、トラクターをもって見えられた。
 顔をあげて目をこらして、数枚下の田んぼに向かって、遠くから「Hさんですよねぇ」と、声かけると、「そうだよ。何してるんだい」とおっしゃる。仕事を始める前にと近寄って、「そこがお宅の田んぼとは知らなかった」と言うと、最近、借りて耕作し始めたそうである。
 訪れ始めた頃は耕作放棄地が多かった。ダムが延期するにつれ、逆に耕作面積が増え、そう言えば、昨年はずいぶん稲田が広がってきていた。この田も、草ぼうぼうだった。
 ほどなく、Hさんが空き田の枯れ草をかき集めて、火を燃やし始めた。
 絵になる。
 これこそ、写真にとりたかったが、肝心の時にいつもダメな不運の、用意が足りないヒトなのである。
 (そして、ある楽しい計画が実現しそうなのである。長くなるので、後述する)

 セリ摘みを切り上げ、さらにそれからアチコチと。
 Iさん宅では、今年も私のために、フキのとうを保存してくださっていた。「冷蔵庫に入れておいたけれど……、今年は少しだよ」と下さったフキは、それでもビール袋にいっばいだった。かつては、フキとワサビを出荷していられたこの家の周辺には、おびただしいフキがあった。が、そのほとんどの土地が工事用にひっかかってしまって、長年、売却に応じなかったお宅である。
 昨日は寄れず、前回はおルスだった。で、フキはやや色が変わり始めていた。でも、柔らかな黄緑色であった。
 
 また、これも後ほど伝えたいが、工事のために犠牲になるワサビ沢のワサビを仕方なく採ったのも、存分にわけて下さった。セリ摘み、真っ盛り。ワサビもたっぷり頂戴
 「えぇ、あそこもつぶされるの」と奥さんのJ子さんと並んで、びっしりと見事なワサビが自生する沢を見上げてて、嘆息した。
 厳寒期の2月、その一帯の雪の中のワサビの様子をカメラに収めておいたのが、せめて救いだ。来年は、コンクリートに覆われてしまう大地であった。
 その時、目の前の沢筋から、シカが降りてきた。
 「うちの脇をとおって、下の道に抜けていくからね」とJ子さんは、そうっと語る。
 カメラ、カメラと心はやるが、今日は不可。私たちを察知したのか、シカは手前の道路を折れて行ってしまった。幸か不幸か、悔しさが半減したが……

 もはや、国道のジャンクションと化すことを免れようのない、この豊かな風景を何とか、映像に残しておきたいものだ。


同じカテゴリー(八ッ場だより)の記事画像
ブログ再開させて戴きます、よろしく
新緑の現地見学会、本日です
片側通行止めをせずに済んだ真相
日本工営報告書、レクチャーにて少~し理解
県と国、半分づつの負担。でも、血税投入には変わりなし
負の遺産に1億6千250万円投入。県は今回の工事は県の全額負担と答弁したけれど……
同じカテゴリー(八ッ場だより)の記事
 ブログ再開させて戴きます、よろしく (2019-03-22 19:35)
 新緑の現地見学会、本日です (2017-05-06 08:18)
 片側通行止めをせずに済んだ真相 (2017-04-28 05:55)
 日本工営報告書、レクチャーにて少~し理解 (2017-04-17 22:21)
 県と国、半分づつの負担。でも、血税投入には変わりなし (2017-04-15 08:28)
 負の遺産に1億6千250万円投入。県は今回の工事は県の全額負担と答弁したけれど…… (2017-04-03 11:01)

Posted by やんばちゃん at 23:59│Comments(0)八ッ場だより
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
セリ摘み、真っ盛り。ワサビもたっぷり頂戴
    コメント(0)