2010年03月28日

はからずも、八ッ場の工事関係者に遭遇

 真冬並みの寒い一日でした。
 「たかさき人情市」に出店。この日の人出は低調で、過去のベスト3にはいるでしょう。
 まあ、出がけに今回は食べられるものが少ないとばかりにニラやフキを伐採して駆けつけ、またも定刻すぎのシンガリでした
から、早いお客は帰る時間帯なのだから、ムリはないけれど……
 数日来のハードな農作業と、25日に東京での甥の卒業式に行って、雨の中の2時間にも及ぶ大行列に並んだのがたたって、身体はがたがた。この寒さはこたえました。その上、花粉症でただれた目もとを隠すためのメガネを畑でみうしなってないので、なんとなく、人前に立つのは気恥ずかしい。勢いよくとはいきませんでした。
 ついに昼過ぎには雨に。
 「雨が降っては露天商はてきぬ」とばかりに、早々に引き揚げました。

 さて、今回は金額の張るものがなく、出がけに不意につんだ拙著ももしかして……に期して、昼近くに端のほうにそっと並べてみました。
 すると、この日、2番目の高額消費者であった、一袋100円の野菜類を4種類も買ってくださった初老の男性が、その方すみの拙著に目を走らせたのでした。
 そして、「えぇ。八ッ場ダム?」と口にして、次に「おばさんは賛成かい。反対かい。それが問題だ」と言う。「もちろん、終始一貫反対です」と言う。「オラ、賛成だい」とくりだす。賛成なはず、、「八ッ場の仕事をずいぶんしたい」と言うのです。といっても、設計面らしいのですが…… 
 そこへ、わが近所のご夫婦がみえて、「な~に、〇〇ちゃん。こんなことしているん」と大仰に言われ、ビオラとスミレを買ってくださったので、余儀なく、話は中断。この方はいつのまにか立ち去った。
 二か月連続して一つも売れず、満開となった2鉢150円のビオラがこの日、どういうわけか完売に近く、その残りものの2鉢を100円で買ってくださったのでした。 (このビオラは先年秋、講習会へ行き、種から撒いたので愛着があって、あまり売りたくはなく、二つ残ったそれは持ち帰ろうと心づもりしていた矢先でした。黄色や白・紫など5色の色どりが華やかなので、地味な花ばかりのわが店頭では目を引いたのかもしれません)

 周囲を見回し、先の男性をさがしたら、まだ斜め前の店頭にいらっしゃった。あわてて飛んでいき、しつこいようだが、詳しいお話をと聞かせて欲しいと懇願。拒否され「はあ、いいよ」とおっしゃるけれど、このような現場の方の話がもっとも真実を語ってくれる上に詳しいのだということを過去の体験で得ている。

 それにしてもだ、山のようなビタミン菜、モチ菜、ホーレンソウの山で売れたのは、6袋分。つまり先の男性と2人ということになる。菜の花の改良品とかいうモチ菜の花のつぼみを集めて、これで100円は格安なのにと思うけれど…… 
 こういう日は仕方なし。
 夕刻に車から降ろしつつため息がでる。どうやって処分しようかと。
 有機に近いものであることは近所だから知っていて、だから安心して引き受けたのだけれど、ここのは完全無農薬ではないから、実家にもちこむわけには行かない。
 帰途、町の友人たちにわけてくれば良かったけれど……、実は朝からもし早めにあがれれば、間に合うかもという、ある時間に急かれる所用があったのだ。ために時間に急かれて、帰り仕度は雨の中、どこに何をつんだかメチャクチャ。考えたら、肝心の野菜類は大きな木箱に放りこんで、一番下済み。その上に鉢ものを積みあげてあった。
 
 実は近所の片手間農家のV子さんが、ここ連日、大量に菜っ葉類をおすそわけしてくれるので、問うと、ジャガイモを植え付けるのでトラクターをかけなければならず、困っているという。で、「このまま刈り取るのももったいなくて。だから、お礼なんか考えないでね」とのこと。
 で、ちょっと閃いて拝見しに、畑に一緒にお邪魔。つぼみになったのもあるけれど、三畝ほどのつややかな緑の野菜類は、まだ十分に食せ、残り物とはいえ、もったいことは一目瞭然。
 こV子さんも私も「もったいない」がわかる世代なのである。
 で、「じゃあ、私が、今度の日曜日に売らせてもらってみようか」とやす請け合い。
 雨の二日間を経て、早朝より終日、空っ風の中で、格闘。足腰ガタガタになって、夕方というよりも、夜になっても翌朝も、の作業であった。
 摘み取った後の茎や抜き取った根の始末。摘み取った菜の山はその後、枯れ葉などを除去して整理。おびただしい時間を費やした。その売り上げが600円なり。
 張り切って「売れたら、半額あげます」と申し添えると、「いいよ、いいよ。畑の整理をしてもらえたんだから。私にはもう大ごとでできないんだから」とはおっしゃってくださったけれど……
 区の総会も他の幾つかのイベントもあったのに…… まだ、小銭を計算していないけれど、これではテナント料もでないだろう。
 
 極力、八ッ場の農産物を売るようにしてきた。
 そこから、ダム問題のつぎ穂が出来るからである。市民層の理解を得ることが底辺の層を厚くすることにつながりうるものと考えている。
 メインの八ッ場の原木しいたけは、今月は一軒のお宅はもう品切れ。原木は天候に左右されようである。
 もう一軒のは、同じく日曜日には、長野原町内の浅間園でイベントがあり、そこで頼まれているので、量的にわけられるかどうかわかないけれど、何とかする。でも、出かける前に電話して欲しいとのことであった。
 春先の売りものの一つだったのはフキノトウ。
 ところがこれまた、フキの栽培農家のWさん宅では、工事用道路にあたってしぶしぶ移転せざるを得なかった。屋敷の跡地と周辺の広大な畑地(八ッ場では)は全て、大規模工事に見舞われてしまって一面の工事現場。昨年、「これが最後になるよ」と上質のフキのトウを分けてもらった。それに、温暖化で年々、何もかも早く芽吹くとはいっても、まだ、早すぎる。
 結局、出がけ前に打診すると、「悪いけれど、今回はムリだい」とのことで、私にとっては金額のはるしいたけを仕入れなくて良かったし、先の菜っ葉類は元手もタダ同然のものだから、今回は良かった。
 それに、こういう露天商は売り方の意気ごみがものを言う。
 今日の私は、連日の疲労がたたって、寒さにふるえ、初めて、ニラのこしらえなどは車の中でこなしていたほどで、限られた少ない客足だけれども、誰も買ってあげようという気持ちも失せてしまうだろうな。
 でも、本当に身体が弱ってきたことは自覚している。
 半年ほど前までは、集めてきた販売品を整理して、袋に詰めたり計量。明け方までかかって、ポップ広告を作成したりできたけれど、現在、その力と意気込みはなくなってしまっている。 


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Posted by やんばちゃん at 23:51│Comments(0)八ッ場だより
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