2009年12月09日
入札価格、翌年に一括公表だなんて、過去完了形じゃないの
※以下は9日、「広報やんば」復刊問題への独自調査を記した記述ですが、翌10日午前11時過ぎ、八ッ場ダム工事事務所の総務課の契約担当者から 「昨日は勘違いしていて、来年度に一括開示と言ったけれど事務所のホームページで見られますので」との「訂正」なる電話が入りました。取り急ぎお知らせを。詳述は11日の欄にて
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皆さん、昨年のお正月頃まで、やんば館などで配布していた「広報やんば」なる広報紙、覚えていらっしゃいますか。
ただ今、発売中の『八ッ場ダムー計画に振り回された57年』の205頁に広報紙を列記し、223頁の注1には、この「広報やんば」の契約金などを記してあります。
205頁~223頁の間には、現在、話題のダム水源地環境整備センターによる「八ッ場ダムにおける全仕事一覧」や関東建設弘済会の随意契約による自分史の実態なども網羅してあります。当時は、まだあまり知られていない、ダム環境部門の企業ファミリー(※命名は当方)でした。
《多くの皆様にお世話になりました旧著の『八ッ場ダムー足で歩いた現地ルポ』(2004年12月刊)中では193頁の④と211頁の注1に記してあります》。
この「八ッ場ダム情報紙広報業務」は2003年3月~季刊で発刊。
ちなみに、2003年4月10日付けの随意契約による契約金は、1128万8100円でした。
しかし、報道機関である上毛新聞社と癒着が指摘されたため、2008年1/15号 No20にて終了と思ってしまっていました。というのは、確認の意味でその後も国交省にしつこくもらいに行くと、「(市民の皆さんが騒ぐので)出してません」と複数回聞いたので、私は廃刊と思い込んでいた次第です。やんば館の職員たちも「もう。出ないみたいですよ」と言ってました。
ところがです。
昨晩遅く、久々にこの「広報やんば」に言及したメールに接したのです。
で、「現在は廃止なのに。教えてあげようかな」などとまで思い込んでいた程の脳天気だったのですが、念のため、午前中早々に国交省に確認。
なんと、近々復刊されて、前回同様、渋川市内まで新聞折り込みで全戸配布体制とのことでなのです。
簡易プロポーザル方式にて去る10月に上毛新聞社と契約成立。入札公告は14日に発注されていたと教えてもらいましたが、実際は7日付けのようです。
現在、No21として3月までに発刊するための準備段階で、上毛新聞社は取材中とのことです。
但し、「応募数は」と問うと上毛新聞社1社のみ。
昨年度も公募したが応募が無かった由。
「それじゃ、随意契約並みじゃないですか」とチクリと申して、「この間の指摘はクリアできるのか」とたたみかけました。
「広く門戸をひろげてプロポーザル方式にて発注し、やりたい業者もいるので問題なし」との由で、ことごとく対応出来るとのことでした。
※しかし、この面に明るい方に話すと、この「簡易プロポーザル方式というのは、随意契約の中の一つ」なのだそうです。契約には随意契約と競争入札しかなく、単に追求逃れの苦肉の策にしかすぎませんでした。
さて、肝心の契約金ですが、極めて懇切穏やかな対応ながらついに教えて貰えず「インターネットで」と言われました。でも類似の名称ばかり続き、部外者には特定しにくいことは経験ずみなので、食い下がりまして名称「H21 八ッ場ダム建設事業最新情報提供業務」を聞き出しました。
検索に手間取るだろうなとの判断のもとに中間メール報告。これは正解でした。以下に記すように、悔しくも第六感は当たりました。メカに弱く五年前の発刊時の資料の多くは、八ッ場ダム工事事務所の閲覧室でメモってきたり、国交省に聞いたりしたくらいですから……。
なお、?栄転したある親切な方は、私をパソコンの前にたたせ、電話で検索の仕方を御教示くださったものでした(?おそらく仕事の軽減策かしら)。おかげさまで、私には複雑な関東地方整備局の検索方法を取得できた次第。
実際、この後、往生しました。以下は、ないものを探させられた愚かモノ。否、公務員さんの言うことをまともに守った忠実なる一市民の手記です。
なんと、契約金額は、来年度にまとめて方式
「広報やんば」の契約金額にこだわるわけではありませんが、ダムの是非が問われている最中の群馬県による1号橋入札の強硬な態度と並ぶ行為として、「ダム推進」の宣伝媒体の刊行物を平然と出す、国交省の姿勢を質したいとの思いがあります。
今はオバさん組の哀しさで、検索方法は忘却のかなたに霧散してしまってましたが、画面の「大分類」などの語に、ゆったりと記憶の回路を巡らせて、直ちに検索開始。いくら、契約金額を関東地方整備局などの開示情報を使って検索しても、「H21 7/7付の公告」のみでどこにもなし。
疲れ果てていらだち紛れに、八ッ場ダム工事事務所に再び、連絡。
なんと、どこにもないはずです。
今度は違う職員が出てきて、物品・役務やコンサルタントなどの契約については1年間をまとめて、翌年度4月以降に同事務所ホームページに掲げるとのことなのです。工事事務所の閲覧室では、開示していて見られるとのこと。
「それを早く説明すべきよ」と不満声。「それでは公表を避けたい気持ちがミエミエ。国民の時間をロスさせる行為として指弾したい」と思わず詰問調に。
これじゃ、国民は知らなくってもいいという態度の表明であって、全てのことが終了してから契約内容を知ったって意味ないじゃないかと、やはり怒りが湧く。
「少しは新政権下ということを考えるべきでは」と?軽~くなじっておきましたけれど……。
ことのついでに、先の対応者の名前を告げ、役職名を聞く。「必要なことは伝えるべし」と伝えてと。すると、「不慣れなので」と。だって、あなたの上司じゃないと思ったけれど、時間なし。次の一手を打たねばならない。
しきりに恐縮するから、後のこともあるので、最後は「じゃあ、閲覧室に伺った時にはファイルのどこにあるのか、教えてくださいね」とやわらかく労をねぎらって終了。
そこでまず、能力不足で検索不可なのかと思ってSOSを出した方に、手数をかけたら悪いから、昼ギリギリにあわてて「解除」の一報を。すると、法律違反ものになるとのご意見、確かにそだ、もっと強く出ても良かったのだ。
でも、「公表しないわけではない」旨の逃道もチャンと用意してありました。例の同事務所閲覧所に行けば閲覧可能との由。そこまで行けというのかと怒りも湧きますが、まあ近日中に行って“たかが金額されど金額”ですので、大いに公表してあげましょう。
11/29(日)「とねぺ2号」も上毛新聞社
同時に、同じく11/29(日)の上毛新聞の関東地方整備局と前橋市にある利根川ダム統合管理事務所による「とねぺ2号」も指摘されました。その頃は忙しくて見る暇がなかったけれど、同記事は保存してあったので早速、ことのついでに調査。
以前、上毛新聞社から発行され、私たちが指摘してきた「川の新聞」の後釜の企画でクウォータリー。9/14に継ぐ号で、今後の発刊は1月と3月に掲載予定。
入札は企画競争入札形式で2社が応募。懲りているので今度は職員と一緒に検索。やはり公示のみでなし。15分後にかけなおして欲しいとのこと。
「やはりなかった」とのこと。ただし、金額はここはムダ話中でさりげなく問うと、教えてくれました。四回発行分の契約金額が996万円。(私の悪名はここではたぶん、無名なのでしょう)。
想定していた額よりも低かったので、「四回ぶんですよね」と確認すると、資料をもとに上毛新聞社が企画発案してくれて、年4回のカラー版。「広告界のバーゲンセール並みの安価」との言葉に、「こういう場合のバーゲンって」と笑いだしてしまった次第。全国紙の読売新聞だと桁が一つ多くなるとのことでした。
この「とねぺ」も前の「川の新聞」時よりも、ダム礼賛記事のトーンは落ちてきているかと思いますが、それでも臆面もなくダム建設の効用礼賛です。
はたして、来年早々の「広報やんば」21号は、どんな記事になるのでしょうか。時勢をかんがみて、ダムの是が非論まで言及されるのでしょか。
もしも、相も変わらずの大本営発表のお追従記事だったら、許せません。今度、行った時には、言外に匂わせて参りましょう。
先々、不安な小寺前知事の参議院選出馬
そして、午前中の早い時間帯に、去る7月の本ブログ「あら、小寺前知事、八ッ場ダム反対派に?」に「お寄せくださった 「ダム必要論に対して懐疑派」さんのコメントには、今朝の新聞各紙に報道された、小寺前知事への参議院選へのアプローチを民主党が行った記事に憂えたものです。
ご存じのように、小寺前知事は八ッ場を仕上げた張本人。癒着の構造に深くかかわってきた人物です。
現地の方たちは、現在も比較的穏やかで、その背後には、「また、ダムができそうだ」との安心感があると読んでいます。先日「お~い。いくちゃん。またダムができそうだっていうじゃねぇか。鳩山ダメだもんなぁ」と言われたことが、未だに耳朶に残っています。
復刊の動きと言い、脱ダムの動きに翳りが見え始めてしまったのでしょうか。
Posted by やんばちゃん at 15:35│Comments(0)
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