2011年04月06日
シネマまえばし 原発・ダム映画




【映画「水になった村」(大西暢夫監督)に登場する、旧徳山村の方たち】
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本日の上毛新聞の13面、「おくやみ告知」欄の脇に、前橋市の「シネマまえばし」が今月9日~29日まで、「原発を考えるヒント」ととして、ドキュメンタリー映画祭を開催するとの報道記事がありました。
先に本欄でもお知らせした中国電力が、山口県上関町に建設予定の上関原子力発電所を描いた「ミツバチの羽音と地球の回転」(鎌仲ひとみ監督)の作品に加え、ダム問題や介護などのドキュメンタリー作品6本の上映を企画しているそうです。
鎌仲さんは「六ヶ所村ラプソディー」(2006)の監督です。
なお、この上関原発は、来年6月に着工予定でした。が、今般の原発事故を契機に、二井山口県知事の要請をうけて、現在、中国電力は工事中断を決定という、ホットな話題のもとにある原発です。
ダム問題は、日本一大きく使い道のないムダなダムとして知られる「徳山ダム」の村の方たちの自然界と一帯になったすばらしい生活を、追い続けた映画です。
監督は大西暢夫さん。埼玉の自宅からバイクに乗って、今は地図から消えてしまった旧徳山村へ通い詰めた方です。
私は二年前の夏、東京での試写会でみさせて戴きました。
冒頭画面は試験湛水によって、村に水がこヒタヒタと押し寄せてきて、やがて、村全体をのみ込む、哀切きわまりない場面でした。いきどころをなくしたバッタがはねます。監督は、この映画の副題に「バッタや木、そしてジジババたちに捧ぐ」としています。
その日まで、現地の方々は先祖代々、野山に分け入って、得られた自然の恵みを創意工夫して、実にみごとに生活を営んでこられました。独特の山里文化を築き上げたのでした。
挿入歌がまたよかったです。宮沢賢治の作詞・作曲の『星めぐりのうた』を李政美さんが、独特の情感あふれる技法で歌い上げ、さらに効果を高めてくれていました。これを書いている今も、音痴のわたしでも、あのリズムが湧いてきます。
監督のカメラはあますとこなく、村人の生地そのままの素顔を伝えてくれて、極めて人間味にあふれる映画です。
一週間くらい前に、知人から「水になった村」が上映されるとのお知らせをもらいました。でも、あっさりと「あぁ、二度みちゃったかのよ」と言ったのでしたが、このドキュメンタリー映画祭での上映会とは知りませんでした。
皆さま、先年訪れた徳山ダムは、橋とトンネルだらけの無残なダムで、生きたまま水没させられた杉木立が枯れ果てて、淀んだ水の中にたっていました。
富への欲望と権力によって造られた徳山ダムの水は、どうしようもなく淀んでいても、映画に登場する村人の晴れやかな賛歌は、淀んだヒトの心をも洗い流してくれます。
是非、ご覧ください。
【シネマまえばしのサイト】
http://www.cinemamaebashi.jp/cinema/2011/03/post-162.html
【ドキュメンタリー映画祭の案内】
http://www1.cinemamaebashi.jp/event/2011/03/talk-live.html
【水になった村】
http://web.mac.com/polepoletimes/iWeb/7C4C51EE-E8FF-4870-92E5-6E536C15159B/B5C804F4-AB63-4DF8-AF14-418E13E2084F.html
Posted by やんばちゃん at 18:54│Comments(0)
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