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Posted by 株式会社 群馬webコミュニケーション at

2010年06月05日

全て伐採するのが仕事と心得る、?男たち

 何もない土曜日はめずらしい。
 あったかも知れないが思いつかない。
 身体が疲れきってしまっている。サンショウの実を2時間ばかり、一心不乱に採って、遅い昼食を食べた後、いつの間にか居眠りしてしまったほどだ。
 もう、固くなり始めてしまって、時間の問題だ。ちりめん山椒用には手遅れ。レシピを書き換えて、臭み抜きや佃煮用にしなければならないかも知れない。それとももっと置いておいて粉用にしてもと思うようになった。
 速い時期に採りつくしてしまえばよかったのに、それが毎年、できないのだ。もったいないからと採り出し初めてから、まだ3年目。それまではおびただしい量の実が、地面に落ちて芽生え。サンショウの苗木ばかりが生えたものだ。
 そして、今年も新たに実をつけ始めた木がある。
 ある古木には、とりわけたわわに実る。おもわず「アナタねぇ、こんなに健気に実をつけなくても良いのよ」といいたいぐらいだ。
 
 この時期は用事がありすぎる。クリーン作戦を初めてからはより忙しい。自分の屋敷うちの管理さえままならぬのだから、本来は耕作放棄地どころではないのだと思いつつも10カ年たった。
 それでも、欲深おばさんは、大きく茂った実のならないサンショウの木には、来年は春先に葉をとって、佃煮にしようと思う。そう思い続けて、数年たつ。
 ところが、三日前のこと。ちょっとルスにしている間に、その木をはじめ、周辺の木々をあっという間に弟が、丸坊主にしてくれたのだ。
 一昨年からお寺の役員になったため、草刈り機を購入。以来、あちこち要らぬ手入れをくれるのだ。武器を持つと、使いたくなるらしいと、私は内心思っている。あちらにすれば、「見るにみかねて」、店の合間をぬっての奉仕との思いらしいのだが……。確かに昨年の夏、クリーン作戦の農地の畔の伸び放題の草を切れない鎌で、手刈りしていた時に、弟が配達で通りがかった。何度も宣言されている。「そんなできもしねえことはやるな。家は手伝わないからね。当てにするなよ」と。店はお蔭さまで忙しいから、物理的にムリだと言う事も知っている。当てにしていなかったのに、草刈り機を持ってきて、夕闇の迫る中、懸命に刈ってくれた時は感謝したけれど。
 いつもなら、ここで大ゲンカだった。が、最早、体力の限界を覚えつつあるので、一通りの文句を言っただけでこらえた。
 そして、一昨日。「もう、うちの木は伐採しなくていいからね。それよりも、竹藪の小さい竹を切って」と姉たちもいる処で宣言した。

 夕暮れ時、アピオス(ほど芋)のツルが伸びて、地面を這っているのが、ここ数日来の気かかりであった。支柱にするものが足りくなって、ひらめいたのが、春先に竹藪の小さな竹を切り取ったもの。大きすぎす、丁度良いかも知れない。
 実は、竹藪に行くのは恐ろしいのだ。きっともうジャングルになっているに違いないからと。
 通例、真竹の小さいのが生え始める時期から、すでに十日間ほど、経っている。毎年、今頃までには、キレない鎌一つで、キズだらけになって、二度目の伐採を行っていた。
 しかし、昨年のうちに、体力的にもうムリと珍しく、弱音を吐いた。それに加えて、忙しくて行けなかった。

 元は川べりの畑地だった。父が、晩年、孟宗竹を数本だけど、植えた。孟宗竹は良い。例年、一本たりとも増やすものかの意気ごみで、食べたり配ったりして、70本程度のものはまかなえ消化できる。だが、今年は、三本ほど増やしてしまった。
 問題は、川筋の工事の際に、入ってしまって、孟宗竹と混在している真竹。しかも川辺特有の極細なので、人さまにあげるにも神経を使う。
 自転車に載って行ってみたら、車が止まっている。弟の店の店名入りの軽のワゴンだ。いるいる、草刈り機で刈っている。こんなに早く、やりだすとは思わなかった。
 敷地への土手を降りながら、あっと思う。すでにフキもホウブキも、大事にしていた山ウドも刈り取られてしまっていた。
 八ッ場ダム工事事務所のある幹部の四年前のセリフが思いだされる。「大丈夫なんですよ。自然はまた、再生しますからね」。 確かに、それらは根があるから、来年も芽吹く。
 
 文句をこらえて、勿体ながり屋の習い性で、きりとられたフキを拾い集めた後、目的の竹の小枝の葉の笹がかれて枝だけになって、枝が張っていてかえって好都合の支柱らおあつらえの竹の小枝を拾い集めだしているうちに、「あっ」と閃いて、駆けだした。どこにもない。三か所のうち、一カ所にだけ、1本と根もとだけが、残っていた。
 2年前に植えた、赤いバラの苗木が、まだ4本、3本、4本と残っていたのだ。
 子供の頃は、畑だった。そして、竹の侵食の及ばない東側の一隅に、山地を好むものを植えていた。それらの一つ一つを残しつつ、毎年、釜で丁寧に伐採してきたのだ。あの苦労をどうしてくれるのよ!!
 私は、一応、雑木でも芽生えているものを、切り倒せないし、有り余ってもてあまし気味のフキやホウズキの一本だって、ムゲには切り取れない性分なのだ。間違えて、抜いてしまうと、また、丁寧に土にもどしてやってきたものだ。
  
 思わず、「バカ。なんで!!」と怒鳴った。草刈り機を止めた弟に「見たら、バラダッテ、わかるだろうに」と文句を言った。
 トラクターの場合には、こちらからお願いするのだから、日程も併せ、残して欲しい個所は、ロープを張ったりしての準備が出来る。ところが、弟の仕事は、配達などの合間の寸暇に突然、やってしまうのだから、本当に困りものなのだ。
 まぁ、花盛りのオールドローズの古木は残したのを良しとしなければにらないだろうか。どのみち、いつかは、整理しなければならないのだし、死んであの世まで持ってはいけないのは自明の理。……そんな日はまだまだ先とは思いたい思うが、ヒタヒタと迫ってきてはいることは確実なことなのだし……

  八ッ場の工事現場ではないが、どういうわけか、概して男というものは機械類が好き。そして、仕事というのは全てをなぎ倒し、平地にすることだと思っているらしい。
 どちらかと言うと、穏やかな性格なので、私と「反対になれば」とまで言われている、弟にしてこうなのだ。   


Posted by やんばちゃん at 23:53Comments(0)八ッ場だより