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2011年07月04日
2011年07月04日
八ッ場の夏のもてなし受けました。
写真の野菜類は、当地の近場の農家の方から、もらったものです。
八ッ場では、通例、これらの野菜はまだちょっと先で、ようやくナスとキュウリの初もぎがチラホラの状況下にあります。
さて、去る30日、八ッ場で品木ダム関連施設をめぐって、長野原町に戻ってきた際のことです。
旧道沿いにまだ移転せずにある農園の前まできたら、主のTさんの姿がみえたので、思わず車を停車してもらいました。後続の車の方は急だったので面食らったことと想います。水没地の方のお話をきくことなど予定に無かったのでしたから。
突然、降り立った私たちにTさんも面くらったようでした。
お年は80歳を超えていられること。昔の反対期成同盟、6人衆の最後の現存者であること。ダム中止後のご自分の決着の付け方として、最近、消えていった仲間の追悼もこめて当時の回想記2部作を出版されたことなどをご披露させてもらいました。
そのうちにTさんがソワソワとして建物の中に入り、手にキュウリを2本持って出てきました。
「今の時期は、あいにく何もねぇんだよ」といいながら、もう一つの建てものの中に入って行き、「キュウリの初もぎで2本しかねぇんだけれど、冷蔵庫に入れておいたから、うんめぇから、食いない。女の人優先で、早い者勝ちだよ」と。
みれば小ぶりの旨そうなきゅうりを細く切ってありました。一本を真ん中から2分割。さらに二つに切断。つまり、8本。先着8名だけの味見なのでした。この日、総勢11名。
食べた方たちは「おいしい!!」の連発。
大の大人が、冷たいキュウリの小さな断片をかじりついているのは、ちょっとした光景でしたが、何よりのご馳走のようでした。もうじき、キュウリもトマトもナスも食べきれないほど実るのですが、本当に今は何もないのでした。
夏場、採れたてま野菜をヌカ漬けにしておいたのを出してくださったり、さっと畑家に入っていってキュウリをもいできて、それに塩をすりこんで「ホラ、食いない」と差し出してくださるのは何よりものご馳走なのです。器への盛りつけの見事さは絶品。いつか、「アンタが、切って出しない」といわれたのでしたが…・ 不器用な当方、プッツン切り。Tさんの鮮やかな盛り付けには脱帽ものです。……でも、何にも「味の素」を振りかけられるのだけは困惑もの。「いいよ、いいよ、かけないで」とお願いします。
トウモロコシの時期にはトウモロコシ。リンゴのなる頃にはヒョイとリンゴをむいてくださり、最近ではクルクルと回す「リンゴ剥き器」を用いて「ホラ、味みない」と出して下さります。
ある参加した女性の感想。
「とっさに2本のきゅうりをあんなふうにきりわけてくださって、回転の良い方ね」と。
本当にTさんはお年にあわないすばやい判断力に基づく行動を示される方です。
さらに余談を。
Tさん達の若い日の活動場面を描かれた本を紹介していたら、参加者のある方が、「その本に俺の親父か出てくるんだよ」とおっしゃられて、その箇所を声を出して、読み始められたのでした。そして、「親父の顔は、他人からみるとこんな風にみえたのかなって……」と。県行政側の登場人物としてえがかれたこの方の父上は好意的には扱われていなかったのでした。
その記述は一部の賛成派と行政側との料亭における密会場面でした。その場にふみこんだ革新系町議の証言をもとに、ライターの方が記されたもののようでした。